札幌100マイル

*un journal*

自分のアンテナにひっかかったものを綴った日記

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『人間ドラマ』タグの付いた投稿

映画 『母なる証明』



『殺人の追憶』や『グエムル』などのポン・ジュノ監督待望の
新作を観てきました。ウォンビン狙いじゃないですよ(笑)

女子高生殺人事件の容疑者となった息子の無実を信じて、
真犯人を追う母の姿を追ったサスペンスフルな人間ドラマ。
生々しく人間の本質を付いた重厚な作品に心揺さぶられた。

ポン・ジュノ監督らしく、演出や伏線の張り方が匠で
不思議な冒頭シーンから惹き込まれ、徐々に真相が
明らかになる展開に最後まで目が離せない。

母を演じるのは、韓国ドラマ「宮」で可愛い皇后様を
演じていたベテラン女優キム・ヘジャ
恐ろしくも素晴らしい演技はただただ圧巻。

5年ぶりの映画出演となるウォンビンがトジュンを好演。
今まで見たことのない表情や演技は必見。

衝撃的なラストシーン...じわりじわりくる作品です。

母なる証明   「公式サイト」
漢方薬店で働く母は、子供の心を持ったまま純粋無垢に育った一人息子トジュンと
静かに暮らしていた。ある日、街で女子高生が惨殺される事件が起こり、トジュンが
第一容疑者になってしまう。母は息子の無実を信じ、自分の手で真犯人を捜し出そうと
するのだが...


原題:Mother
監督・脚本:ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ/ウォンビン/チン・グ/ユン・ジェムン/チョン・ミソン ほか
上映時間:2時間9分

■スガイシネプレックス札幌劇場にて上映中 


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映画 『レスラー』 100マイル試写会

wrestler

レスラー
かつて人気プロレスラーだったランディは50代になった今でもスーパーでアルバイトをしながら、
かろうじてプロレスを続けている。ある日、試合直後に心臓発作を起こし、医者から引退を勧告
されてしまう。妻とは離婚し、一人娘のステファニーとも疎遠。好意を持っていたストリッパー・
キャシディにも振られる始末。失意の中、ランディは人生の再起をかけ、再びリングに上がることに...。


かつては人気を極めたが、今や落ち目の50代レスラーの生き様を、
ドキュメンタリータッチで描いた人間ドラマ。 
主演のミッキー・ロークが、栄光と挫折を味わった自らの俳優人生と
重ね合わせて不器用に生きるプロレスラー役を熱演。

プロレスシーンは痛々しいほどリアルで迫力満点。
そしてその裏舞台が見られるのも面白い。 

ミッキー・ローク演じるランディは、ダメ男だけれどレスラー仲間にも
信頼が厚く、子供にも好かれるナイスガイ。 自分の輝ける場所、
生きる意味を求めて、孤独な男の生き様を貫き通す。
寂しい背中、哀愁漂うその姿に胸が熱くなる。
ランディが好意をいだくストリッパーのキャシディも、プライドを持って
体を張って生きている。似たもの同士の2人だから惹かれ合うのかも。

ストリッパーのキャシディを演じたオスカー女優「マリサ・トメイ」は、
その土曜日、7時58分』(現在、「蠍座」にて6/1まで上映中)に引き続き
体当たり演技を魅せる。 オーバー40とは思えないBODYに拍手。

80年代、『ナインハーフ』のヒットにより、セクシー俳優のイメージが
定着していたミッキー・ローク。
(こんな時代もありました。若き日のミッキー・ローク サントリーのCM
その後はボクシングに没頭し、猫パンチで転落人生へ...。
波乱万丈すぎる男の復活劇はとても喜ばしいこと。
これが完全復活であることを願うばかり...。

ミッキー・ロークファンやプロレスファンはもちろんのこと、たぶん絶対
共感できるであろう中年オジサン世代には是非とも観てもらいたい
ミッキー・ロークここにありの感動作です。

原題:THE WRESTLER
監督:ダーレン・アロノフスキー
原作:ダン・ブラウン
出演:ミッキー・ローク/アリサ・トメイ/エヴァン・レイチェル・ウッド ほか
上映時間:1時間49分  R-15
「公式サイト」

6月13日(土)より
スガイシネプレックス札幌劇場,ユナイテッド・シネマ札幌 ほか全道でロードショー 


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映画 『BOY A』



BOY A  公式サイト
子供の頃に犯した犯罪により、人生のほとんどを刑務所で過ごしてきた青年が
ジャックと名前を変え、ソーシャルワーカーのテリーから仕事とアパートが与えられ
過去を隠して新しい生活を始めるが...。


過去に犯罪を犯した青年の心の葛藤と社会復帰の難さを描いた人間ドラマ。
イギリス映画だが、少年犯罪や引きこもりなど、まるで日本を描いている様な
社会派映画でもある。

犯罪を犯した青年が社会復帰するところから物語は始まり、心優しく
純真無垢な主人公に好感を持ちながら、徐々に彼の過去が明らかとなる。
身近な人や愛する人が過去を背負っていたら、自分はそれを受け入れることが
できるのだろうか? 深く考えさせられた。
 
ナイーブなジャックを見事に演じているアンドリュー・ガーフィールドの
繊細な演技は圧巻。 はにかんだ笑顔に母性本能をくすぐられた。
どこかで観た顔だと思っていたら、作品的にはイマイチだった『大いなる陰謀』で
ロバート・レッドフォード演じる大学教授の生徒(トッド)だった彼。
今後、大注目されそうな予感。

ソーシャル・ワーカー(テリー)役は、ケン・ローチ監督作『マイ・ネーム・イズ・ジョー』
の演技派ピーター・ミュラン。 ジャックと接する父親のようなまなざしと
実の息子とのぎくしゃくした関係を好演。 渋い演技にご注目。

重いテーマですが、是非ぜひ観ていただきたい秀作。

シアターキノにて公開中  上映時間:1時間47分

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映画 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 試写会



ベンジャミン・バトン 数奇な人生
1918年、ニューオリンズ。ある夫婦の間に男の子が生まれ、妻は出産後亡くなった。
その赤ん坊の顔はシワだらけで目は白内障、足腰も弱っていて老人のようだった。
ショックで父親は見知らぬ家の前に置き去りにしてしまう。「これも神の奇跡」と黒人女性の
クイニーは彼をベンジャミンと名付け育てることに。ベンジャミンは日に日に成長したが、
不思議とだんだんと若返っているように見えた。そんな折り、6歳の少女デイジーに出会う。


素晴らしい! 3時間近くスクリーンに釘付け。
長さを感じさせないくらい魅力的な作品でした。

80歳の外見で生まれ、だんだん若返っていく特別な人生を送った男の物語。
まず、この設定が興味深い。

老人姿の70代、60代、実年齢の40代、そして20代のベンジャミンを
みごとに演じたブラッド・ピット。
ベンジャミンの生涯の恋人・デイジー役にオスカー女優のケイト・ブランシェット。
監督は、『セブン』や『ファイト・クラブ』に続き、ブラピと3度目のコラボ
となるデヴィッド・フィンチャー。

第一次世界大戦から21世紀に至るまでの時代背景を織り交ぜながら
人生の喜びや悲しみを丁寧に描いている秀作。

純粋なベンジャミンと、彼を支えた人々との交流に心が温かくなり、
デイジーとの純愛は切なくて涙。
人との出会いを大切にしなくちゃとしみじみ感じました。

見所は、ブラピとケイトの美しさ。
ケイトのダンスシーンが美しくて、CG加工された若い肌がうらやましいくらいまぶしい。
20代のブラピは『リバー・ランズ・スルー・イット』時代を彷彿されるくらい美しい。
久しぶりの美しいブラピに見惚れちゃいました。

ブラピの見所テンコ盛りですが、ファンじゃなくても充分楽しめる作品です。
なんとブラピの実娘がちょこっと登場するのでお見逃しなく。

「ベンジャミン・バトン」公式サイト

2009年2月7日(土)より
スガイシネプレックス札幌劇場,ユナイテッド・シネマ札幌,札幌シネマフロンティア
ほか全道で公開  上映時間:2時間47分


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