札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

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イコロとキロルの旅立ちにあたって

※河西飼育員によるアニマルファミリー会員向けのお便りと、上野飼育展示課長のメッセージをもとにした
下記の文章を、イコキロルームに掲示しました。


ホッキョクグマのララと子供たちに、いつも暖かいご声援を頂きまして、
誠にありがとうございます。

イコロとキロルの移動にあたっては、皆さまから色々なお声を頂いております。

今、母子を離すのは早すぎるのではないか、繁殖を最優先させるために、
何か犠牲にしているものがあるのではないか、というご意見を頂くこともあります。


キロル

親離れの時期については、野生下では概ね2歳~2歳半と言われていますが、
飼育下においては、早いものでは生後10ヶ月くらい、最も多い例は1年数ヶ月程度です。
厳しい北極圏での生活の術を学んでいく必要のある野生の子と違い、
動物園で生きていく子は、発育も良く、1年も親元で暮らせばじゅうぶんだと考えられます。

イコロとキロルに限らず、彼らの姉にあたるツヨシ・ピリカも同様に親離れを経て、元気に暮らしています。
また、両親のデナリとララもそれぞれ生後1年5ヶ月あまりで当園に着ており、
こうしてたくましく成長し、4頭もの子供をもうけています。
イコロとキロルは、当分の間きょうだい一緒に暮らしますので心強いはずですし、
子供だけに新しい環境に適応するのも早いと思われます。


ララ


野生下では、母親の栄養不足により交尾しても受胎しなかったり、出産しても1年未満で死亡したり、
といった事例が増えてきています。(一歳未満の死亡率は50パーセント以上ともいわれています)
そのようにして子を失ったメスは、またオスと交尾して出産に備えるのです。
ララに関しては栄養状態には問題がありませんので、デナリが釧路市動物園から戻ってきた際に、
子供たちが身近にいることでララが発情しないことのほうが大きな問題なのです。
また、ララは現在15歳ですが、残すところ今年も含めあと3回くらいしか繁殖のチャンスがないかもしれません。


イコロ

すでに何年も前から、国内でのホッキョクグマの繁殖が行き詰っていることが議論されてきました。
以前よりペアリング・繁殖に関してはそれぞれの動物園で試みてはいましたが、うまくいった例は稀です。
国内で増えなければ海外から導入、ということになるのですが、今ホッキョクグマを
日本に売却する余力のあるロシアやヨーロッパ諸国でも繁殖が順調とは言い難く、
いつか購入することすらできなくなります。

また、国内にいる次世代を担う6才以下のホッキョクグマは9頭いるのですが、
円山系(ララ・デナリの子)かロシア系の血統の子がほとんどです。
この若者たちが繁殖すると近親交配は免れません。
新しい個体が導入されることもなく、また自国内で繁殖することもなければ、この先日本の動物園のホッキョクグマがどうなるかは容易に想像が出来ます。
また、欧米諸国にしてみれば、繁殖実績のほとんどない日本にホッキョクグマを導入させるなんてもってのほか、日本国内で繁殖させる努力をすべき、と考えるのが当然です。
なにしろ、繁殖実績が乏しいにも関わらず、個体を海外から導入し続けた結果、日本のホッキョクグマの飼育頭数は世界で第2位なのです。

したがって、今このとき、ララの世代の繁殖を最優先にし、日本生まれの個体を増やして実績を作り、
種の保存の一翼を担う国として欧米諸国に認めてもらう必要があるのです。

ララとデナリのような相性の良いペアを飼育する動物園は安定して子供を増やしていく努力をし、
子供が生まれていない、もしくは生まれても育っていないところはペアの見直しも含めて繁殖の努力をしなくてはいけません。

これまでは国内の各動物園・水族館が各々独自に動いていましたが、今回はそれに先駆けて、
道内の4つの動物園が集まり、ホッキョクグマの種の保存事業を推進する旨の声明を出しました。
以後は、道内のみでなく、全国の動物園・水族館が同様に連携して動かなければいけません。
それほどまでに、国内のホッキョクグマ界は切羽詰った状況にあるのです。

私たちは、ララやその子供たちの幸福のために尽力しています。
人間の都合、まして営利などのために繁殖を優先しているわけではありません。

何卒ご理解ください。

どうぞ、快くイコロとキロルを送り出してくださいますよう、お願い申し上げます。


札幌市円山動物園



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様々な考え方があって然るべきだと思うのですが、快く送り出して頂きたいと願っています。


明日はいよいよ送る会です。
どうぞ暖かい格好でお越し下さい。

仰臥位で寝る動物


ジャイアントパンダは仰向けで寝そうですね。


昨日から、仰向けで寝る動物(ヒトとそのペットは例外です)がホッキョクグマ以外に居るのかどうか、
というどうでもいいような疑問が頭を離れません。
ふつう獣は、腹部を守るように腹這いになったり、丸まったりして眠りにつくものです。
とりあえず職場のヒトに聞けばいいようなものの、子供じみた質問をして忙しい皆さんの邪魔をするのも
非常に躊躇われるわけです。

さつきお別れ会・雪でできたイコキロ

昨日13時30分より、さつきのお別れ会を開催しました。
ついでに昨夜は自宅PCがネットに繋がらず、ブログ更新ができませんでした。

ひどく寒く、吹雪の予報だったにも関わらず、たくさんのお客さまがお越し下さいました。

さつきへ、シロップをかけた雪と牛肉でできたケーキを贈りました。
私が場所を占有するわけにいきませんので、さつきが雪と牛肉のケーキを食べる様子は
終盤しか見ていません。
(ララたちの放飼場以外は屋上からは見にくいのです)

見られるようになったころにはほぼ宴の後で、しかも臀部しか見えませんでしたが、
時々振り向く顔が少し満足気に感じられ、心が和みました。


名残惜しそう。
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確か日本にいるUSA出身のホッキョクグマは、さっちゃんとデナリの二頭だけです。
貴重な血統だからこそ、デナリとの間に子を残して欲しかったけれど、
今さら言っても仕方ないですね。
イワンさんと仲良くね。
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独身女性として、勝手にシンパシーのようなものを抱くこともあったし、
相手がデナリであろうとイワンであろうと彼女はオスとの同居を嫌がるのでは、
という声が多いことも知っています。
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でも可能性のある限り様々なペアリングを試してみないと、
そのうち日本の動物園からホッキョクグマがいなくなってしまいます。

さつきは9日の11時頃に旭川へ発ちます。

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これはイコロ。
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同日14時より、大通4丁目の大雪像「北の動物園」のステージにて、
マルヤマンのイベントがございました。
私はさつきのお別れ会後に少しデスクワークをしなくてはならなかったので、
当園飼育員がTシャツ一枚で踊る勇姿を見逃してしまいました。
一度ご覧いただきたいマルヤマンオフィシャルサイト・音が出るのでご注意ください。
(雪祭りイベントの様子は未掲載です)
イベントのMCを務めた上司に、携帯で雪像の画像を送ってもらいました。
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自分で撮りに行くのが億劫なわけじゃないですよ!時間が無かったのですよ!
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ホッキョクグマのほか、ユキヒョウ・オオワシ・シンリンオオカミ・
オランウータン・オウサマペンギンといった当園と旭山動物園の動物たちが
雪像になりました。
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雪でできたララとイコロとキロルも魅力的です。
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自衛隊の方に写真資料をお渡ししたのですが、何を渡したか失念しました。
このあたりの写真にちょっと似ていますね。
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ただいま、当園でもスノーフェスティバルを開催中です。
大きいひともちびっこも氷の滑り台滑り放題です。
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ぜひお越しください。

それトナカイ



左イコロ、右の赤鼻キロル。

百万個の浮き


大好きなあの熊に 赤い浮きをあげたい
ある日プールの 浮きを持ち上げました

百万個の赤い浮きをあなたにあなたにあなたにあげる
窓から窓から見えるプールを真っ赤な浮きでうめつくして


あっ

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