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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

2009年12月11日

冬支度。

12月に入り、冬支度も急ぎ足となってまいりました。
皆さん衣類の衣替えやらなんらやで四苦八苦しているようですね。
いつも不思議に思うんですが、夏服と冬服ってのはそんなに明確に区別されるもんなんでしょうか?
「夏来ている服にコートを羽織れば冬服じゃん、靴もスニーカーを長靴に履き替えるだけじゃん」っていつも思うんですよ。
一体何を出したり入れたりする必要があるのかさっぱりわからないんです。
僕にとっては世界七不思議のひとつなんですね、「衣替え」という行為は。


僕の場合、毎年この時期は爬虫類たちの冬眠準備で忙しくなるわけですよ。公私共にね。
動物園の爬虫類たちは、暖房が入っているんで冬眠させることはできません。
でもね、繁殖させる種においては一部マシーンを使って人工的に冬眠を行っているんですよ。
こんな感じでね。



これは恒温器。温度を上げたり下げたり、一定に保ったりできる装置。
ここに冬眠させたい個体を入れて、徐々に温度を下げていくんです。
冬眠時の適温は種にもよるけど、うちの場合5~7℃くらい。
1日2℃ずつ温度を下げていって、冬眠に入れていくんです。
冬眠期間は3~4ヶ月間くらい。
恒温器の他にも大型の冷蔵庫を使うこともあります。
なんせ冬眠させる種が多いもんで、スペースが全然足りないんですよ。



冬眠準備を終えたヘビたち。
具体的にどんな準備をするかというと、「絶食」です。
約一ヶ月くらい給餌をやめて、消化器官内を空っぽにするんですよ。
消化器官内に物が残っていると、冬眠中にそれが腐敗したりして危険なんです。

野生でも10月くらいから温度が下がっていきますよね。
まだ冬眠するほどの温度ではないんだけど、餌を食えるほど高くもない。
この時期に排泄だけ行って、消化器官を空っぽにしてしまうんですよ。
そして11月くらいに冬眠に入るんですね。
一見中途半端で意味がないような時期に、実はすごく重要な営みが行われているわけですよ。
ほんと自然界ってのはうまくできてます。

冬眠中の注意点は2つ。
一つ目は乾燥。
特にマシーンなんかを使うと器内の湿度がすごく下がるんですよ。
極端に乾燥させてしまうと中の動物は脱水で短時間で死んでしまうんですね。
だからヘビが入っているケースは、ある程度密閉して湿度を保った状態で維持するんです。
まめに様子を見て水を入れたりしながら日々調整するんですね。

2つ目は温度を確実に下げること。
中途半端な温度だとヘビ達は冬眠できません。
野外で言えば10月の状態がずっと続いてしまうのですよ。
2ヶ月くらいなら平気だけど、4ヶ月も続くとさすがにダメージがでかい。
かちっと確実に温度を下げることが大切なんですね。

この2点さえしっかり管理すれば、半年くらい冬眠させてもヘビにはまったく負担はかからないんですよ。
体重の減少もほとんどありません。
ほんとうらやましいっすよね。
僕も冬眠したいです。








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プロフィール

本田 直也

◆ 1976年 札幌生まれ
◆ 1996年より円山動物園勤務
◆ 担当は爬虫類館と猛禽類のフリーフライト
◆ NPO法人日本放鷹協会認定 諏訪流鷹匠。

春から夏は爬虫類を求め、北海道、沖縄のフィールドワークへ、
秋から冬は愛鷹、愛犬と共に鷹狩りへと素敵な日々を送っている。

鷹やら犬やら爬虫類やらと山の方で暮らしている。

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