2008年10月23日
蛇眼力を研ぎ澄ませ。
皆様ご無沙汰でございます。 すっかり紅葉一色、あき竹城一色の季節になりましたね。 フリーフライトも再開しましたので、是非動物園に足を運んでくださいね。 http://sapporo.100miles.jp/zoo_yoshida/article/277 セーベルの死という大きなダメージもありましたが、それを乗り越え精進していきたいと思っております。 いやーでも今年はほんと「ヘビ年」ですよ。 とにかく市民やマスコミからヘビに関しての問い合わせや種の鑑定依頼が多かったんですね。 「変なヘビを見かけたので見て欲しい」「庭先にヘビがいるんだけど毒蛇かもしれないから鑑定して」などなど。 マムシのアルビノもやってきたしね。 北海道に生息しているヘビは5種類。 これを瞬時にしかも確実に見分けるには研ぎ澄まされた「蛇眼力」(じゃがんりき)が必要です。 「蛇眼力」の定義は「いつでも、どこでも、少ない情報でも、瞬時に、確実に見分ける」でございます。 皆さんも是非一度、広辞苑で調べてみてください。 これは長年ヘビと関わっていても簡単には鍛えられないんですよ。 「たった5種類なのに?」って思うかもしれないけど実際は容易なものではありませんのよ。 ではこれから6枚の写真を見てもらいます。何ヘビか当ててみてくださいね。 あなたの「蛇眼力度」がわかりますよ。![]()
何ヘビかわかりましたか? 正解は全部「シマヘビ」です。 一枚目は典型的なシマヘビ、わかりやすいですよね。 でもシマヘビといっても個体差も激しいし、幼体と親も全く外見が異なるんですね。 だから典型的なシマヘビを知っているだけでは、判別は難しいわけです。 以前ね、ベテランのヘビ飼育者とヘビ観察のためフィールドに出たんですよ。 んで1匹のヘビを発見したんだけど、すぐに石の間に隠れちゃったんですね。 観察できたのは尾の一部だけ。 僕はすぐに「あー今のはシマヘビだったね」って言ったんですよ。 そしたら彼は「なんで今のがシマヘビなの?」って聞いてくるわけです。 「いや、なんでって・・シマヘビだからシマヘビなんだけど・・・」と僕。 その答え方が気に食わなかったのか彼ったらすっかりご機嫌斜めでね。 彼の場合、シマヘビと判断する時は「体に4本のラインが入ってて・・目が赤くてうんぬん」って感じなんですよ。 でも僕はそんな図鑑ちっくな判断はしないんですね。 だって僕にとっては親兄弟並みに身近なものだから理屈抜きにすぐに判断できるわけですよ。 例えば目の前を自分の父親がちらっと横切っても皆さんはすぐに「あっ親父だ」って判断できますよね? 「七三分けに迷彩のバンダナ、2タックのケミカルジーンズにサスペンダーを付けてたから親父だ」なんて判断はしないでしょ? だから「どうして親父ってわかるの?」って聞かれても困惑するだけ。 そう、科学的ではないけどそこに理屈はないんですね。 実際フィールドでは、体の一部しか観察できないことも多々あるわけです。 そんな少ない情報であっても種を特定できないといけないわけですよ。 バードウォッチングの世界でもよくありますね。 ちらっと横切る鳥のシルエットを見るだけで「今のはハイタカの♂だな。」とかすぐに種を特定できる。 昆虫の世界もそう。 うちの猛獣担当の田岡飼育員はハチのスペシャリスト。 はるか頭上を飛んでる小さなハチを見て「あれはなんちゃらハチの♂だよ」って。 瞬時に状況を判断して、無意識的に種を特定できちゃうんですね。 ほんとすごいですよ。 あらゆる環境であらゆる個体を観察してきたものだけが持てる力。 それが「蛇眼力」です。みなさんも是非鍛えてみてくださいね。 蛇眼力を鍛えても社会にどう貢献できるかはわかんないけど、人生がより豊かになりますぜ。 レッツ ロックンロール!
reported by zoo_honda
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