札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

2009年01月09日 の投稿一覧

飼育係の集まり 本番編

いよいよ飼育の集い本番当日です。
富山から北陸自動車道で長野に向かいます。



存在感のある立山連峰が視界の半分を占めています。
本州に行ってよく 「北海道の山と違うなー」 と思うのです。
植生はもちろんなのですが、山の際まで民家があったり、緑の濃さが違ったり。
でも、この信州の山々はもう一味違いました。
3000m級の山が続くこの景色 「霊山」 「立山信仰」 という言葉がすんなり受け入れられるような雄々しい姿が目に刺さります。
地元に住んでいる人達にとってどんな存在なのでしょうか。
そういえば長野の人が言ってました 「この間旅行に行ったら、周りに山が無くて落ち着かなかった」 と、守られている、一緒にいる、どちらにしても生活のバックボーンにこういう景色があることは良い事だとおもいます。
札幌に住んでいる私たちにとっては円山や藻岩山、石狩の海や豊平川がそういう存在でしょうか。

そんなことを考えながら車を運転して、黒部を過ぎたあたりだったでしょうか、見たことの無い看板が。
「トンネル 26分の1」 んっ どうゆうこっちゃ?
進むにつれ次第に分かってきました。そこから上越まで約80km、その間に26本のトンネルがあるのです。
しかも1本1本が長い長い! 2km、3kmあたりまえ、長いのは4~5km、上越までの半分がトンネルです。
昨日飲み過ぎなくてよかった、タイムボカンか、ドラえもんのタイムトンネル状態。意識が飛びそうです。

そんなこんなで3時間、会場の国民宿舎松代荘へ到着です。
今回は全国から150人が集まりました!
さあ気合を入れて、まずは特別講演からスタートです!


今回は京大の霊長類研究所の先生が 「遺伝子から食べ物の好き嫌いがわかる?」 という題で講演してくれました。
内容はと言うと・・・ 大丈夫ちゃんと起きて聞いてました。
ゲノム解析の話なんですが、遺伝子の中にいろんな情報を受け取るやつらがいます。
例えば 「味」  味覚受容体と呼ばれるこいつらは人間だと50個位あるのですが、それがそれぞれ 「甘み」 を感じるやつだったり 「すっぱさ」 を感じるやつだったりします。
これが遺伝的に生まれた時から持っていない、つまり感じることができない人や動物がいるという話なのです。
今の若い人はファーストフードばっかり食べてるから味わかんないんだ! ということだけではないみたいです。
サルの顔を思い出しながら、もしやあの親子・・・思い当たる節があります。

さあお次は分科会、グループに分かれて今回のテーマ「ガイド」について話し合います。
このグループ分けがほかの職種とちょっと違います。
第1グループ「サル」 第2グループ「ゾウ」ってな感じで13グループ、結婚式のテーブル名ではありません、
なかには「馴致・調教」グループなんてのもあります。
ちなみに私は「有袋類」グループ。 えっ サルじゃないのかって? いろいろあるんです・・・


そしていよいよ本本番! 宴会だーー





サンパレスのCM並みのこの景色、老若男女の飼育係の集まりです。
もちろん最初はまじめな話、実は途中もまじめな話、そして朝までまじめな話。
嘘じゃないんです!みんな仕事の、動物の話ばっかりなんです!
身銭きって来ているだけはあります、 学ぶ場 それは飼育の集いの宴会

みんな自分の動物園に戻ればいろいろあるんですよね、特に民間の動物園は利益を上げるために動物に無理を強いることもあるみたいです。そんな日々で心が折れそうになった時、この飼育の集いに参加して大きな志をもう一度持つことができる!結構大事だと思います。

また来年も来たいな~
たぶん来るんだろうな~
嫁にはまた文句言われるんだろうな~
まっ いいか 怒られても

飼育係の集まり、終わったようですが、実はまだ続きます…

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