札幌100マイル

植物的時間@Maruyama Zoo

動物達だけじゃない円山動物園の魅力を紹介するブログ。

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テンション

本日は晴天ダッタナリ。

3連休いかがお過ごしでしたか。
日なたは少し暑かったですが、秋らしい行楽日和でした。
おかげさまで円山動物園も大盛況。

ありがとうございます。

円山動物園で植物管理を担当する者として、遅ればせながら行ってきました。
北大植物園。

8年くらい前に行ったことはありましたが、
その時は、綺麗な公園だなくらいの印象で、1時間で一回りしてしまったような記憶があります。
動物園に転勤してから、樹木や北海道の植物について学ぶ機会が増えたので、行ってみようと思ったのです。

携帯電話のカメラで撮影しましたので画像に難ありですが、

今回はどうだったか・・・。

ボクも「オトナの階段上った」と思いました。

変わるモンですね。

自分次第で。



相変わらず、キレイな芝生と大きな樹木が
憧れのキャンパスライフ的な雰囲気で素敵でした。

園内には、自然林や樹木園、草本類分科園(草系の分類園)、北方植物標本園、
バラ園、温室など幅広い植物が展示されていました。
のんびり散歩する老夫婦、
癒されに来たっぽい出張中サラリーマン、
植物園には珍しいイケイケカップルなど
いろんな人がいた穏やかな休日の午後の植物園で、一人テンション上がりました。


みなさんは、どんな時にテンションが上がりますか。

テレビで見てた芸能人やプロ野球選手を街で見た時、
欲しい服に出会った時、
アルビノのヘビが焼酎漬け寸前で保護されてきた時、
テイジロウが嬉しそうに草木を食べている時・・・。

盆栽の本を見て、一目惚れしていた「トクサ」を見つけた時。
20080915-06.jpg

トクサ・・・トクサ科(漢字で砥草、木賊)
本州中部から北海道の山間の湿地に生えているようです。
トクサは、このユニークな風貌で、観賞用として植えられていることがあります。
茎を煮て乾燥させるとモノを紙やすりのように「砥ぐ」ことができるから「砥草」。
調べてみたら、この植物もシダ植物の一種。

鉛筆よりも少し細いくらいで、長さは、80cmくらい。


どうもこの手のミドリだけの植物に弱い。
鮮やかな要素を一切感じさせない、この厳格な姿が素敵でした。

他に良かったのが、
「カツラ」の木についていた説明文。

「・・・ねじれながら裂ける樹皮とハート型の葉っぱが素敵です。・・・」

自分の言いたいことを先に言ってくれてありがとうという感じでした。


思っていたことを同時に感じている人がいるようで、ちょっとドキッとしました。
この瞬間ってなかなか出会わない瞬間。


北方植物標本園では、
アイヌ民族の生活に利用されていた植物が中心。

最近ボクがよく見ている図鑑に載っているけど
実物を見たことがない植物がたくさんありました。



オオイタドリという植物の説明。
葉っぱを尻拭いに用いる。
尻拭い・・・。

他の説明はあまり読んでなかったのですが、これだけは不思議とよく読んだ。
時代の流れを感じながら、最後の一文は読み返したよ。

他にもたくさん紹介したいですが、閉園時間になってしまい駆け足で去ったのでした。楽しかったから近々また行こう。もう少し勉強をして。
また報告します。


テンションが上がる、こんな癒し空間が駅の目と鼻の先にある札幌。
好きです札幌。


テンションが上がる動物園になるように、いろいろ考えます。
他の動物園でも視察に行こうかな。。。

アディオス。

ガイライ

夏も五輪も終わり、福田首相も北の湖理事長も辞任し、2008秋到来です。


みなさんよく眠っていますか。

朝夕は、すっかり秋到来の雰囲気。外出するにはとても良い季節。

ところでみなさん、こんな花見たことありませんか?


オオハンゴンソウ・・・キク科
明治時代に北アメリカから園芸植物として持ち込まれたようです。
北海道でもよく見かける植物で、ヒトの背丈を超えるほどの草丈で
夏に黄色い花を咲かせます。
写真は8月の写真です。

湿原などに侵入するとその生命力で一気に、埋め尽くしてしまいます。
札幌中心部の貴重な遺産、「円山原始林」辺縁にも侵入し始めており、
このまま放っておくとヤバイ。
ということで

「オオハンゴンソウ」の駆除作戦

9月13日13:00~15:00 
集合場所 動物園正門横の動物園プラザ会議室
講師の「笠 康三郎先生」のレクチャーを聞いてから、
円山公園のオオハンゴンソウを
いざ退治!
申し込みは、札幌市公園緑化協会 211-2579 担当:長谷川さん

軍手、カッパなど汚れても平気な準備してくださいね。
円山公園の主催イベントですが動物園も少し協力させていただきます。


飲みすぎた夏のビールなお腹を、少し凹ます運動を兼ねて
日ごろ、癒されている身近な自然の危機を一緒に救いましょう。

対象がハッキリしている草抜きは結構楽しいです。

だけども、植物は、一切悪くないのが切ないところ。
持ち込んだのは、ヒトです。たまたま、繁茂してしまっただけです。

外来生物という言葉をよく耳にしますが、
その背景をよく知って接するコトが大切だと思います。


カチカチ硬めの植物的時間でした。ゴメンアソバセ。



ケイカイ

サミット開始を明日に控え厳戒警備中の札幌です。

こんにちわ。Yokoso,Hokkaido.

福田康夫さんもブッシュさんもHokkaidoに着いたようです。
今日はブッシュさんの誕生日らしい。
円山公園には米国領事館があるので、周辺は24時間態勢で本州の警察官が警備しています。

警察官に怪しまれているかも・・・。

「24インチ・アズキイロ・サドルヒクイママチャリ・オトコ・ツウカ」
という警察無線を想像しながら警察官と挨拶を交わし、通勤・帰宅している植物的時間。

無事に事件などが無く、サミットが終わって欲しいものです。
以上サミット関連情報でした。

Here comes the Summer.
ここのところの北海道らしくない蒸し暑さで、動物達も植物達も飼育員さん達も参っている今日この頃です。
夏は、植物にとっては水分的に厳しい時期でもありますが、ヒタスラに光合成をしてエネルギーを作り出す時期なので、太陽と雲のどっちの応援をするか悩むところです。
どの木も草も春には想像できなかったくらい生長します。
見事なのが円山動物園の熱帯動物館の壁の「ツタ」。
20080706-00.jpg

この無造作な緑に囲まれた感じ素敵です。壁面緑化。一面緑化。そして重ねられた素焼きの植木鉢。
植物栽培するには最高の時期に、鉢を使っていないのには住人に、きっと訳があるのだろう。
こんな家あこがれます。

写真で見ると、見慣れた景色も何だか不思議な感じです。

ところで、この気温が当たり前の植物達もいます。



熱帯植物館。

レンズの曇りもあいまって、より熱帯風。

でも熱帯植物館だから暑ければ良いかといういうと、そうではないはず。

熱帯に棲む動物も植物も自然界では、湿度や雨や風のバランスが取れているから、気温が高くても大丈夫。
というか、その気候に合った生き物が進化したのです。
僕が水やり係ではないけど、水不足気味。
ですが、それはどこ吹く風と強靭な生命力を発揮している熱帯の植物達です。

形も色も熱帯産の生き物って奇抜ですが、そこに理由が一つ一つあるから生き物は神秘です。
人間の造作物も良いけれど、自然の神秘にはかないません。



モンステラ。
答えが導けない虫食い算のような葉っぱです。
花屋さんなどで見かけます。この葉っぱの切れ込みは、大きくなりすぎた葉っぱが風でなびいてボッキリ折れてしまうのを防ぐためとか。ミニ四駆の軽量化みたいな感じかな。

事実は小説よりも奇なり。←ちょっと違うけど。

その一番の例が自然だと勝手に思ってます。

世の中には、こんなことが起こるのか。
フィクション以上にフィクションのようなことが起こるのです。


「自然にもう少し敬意を払って生きよう。2008洞爺湖サミット。」

普段とは違い今日はテレビを消したまま。エコ。
アリベデルチ。再見。

あなた

2回目です。

初回のクリックありがとうございました。

おかげさまで初日150人!もの方が、
木と太陽と芝生とデジタルな写真の送信ミスという
偶然による芸術を目の当たりにされ、ランキング20位というロケットスタートを切ることができました。

また、1週間も更新してなかったのに、来る日も来る日もクリックしていただいた、
あなた、
今後も変わらぬご愛顧よろしくお願いいたします。
同時期に始めた、飼育日誌~サルと一緒~は、3回も更新してました。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_saru/

ところで今回のお題は、前回のように気まぐれなアマゾン川もどきの写真ではなくて
「植物と遺伝子のdeepな世界」です。 
※1 http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/
 
前回僕が、避けたはずの小難しい真面目な授業になりそうです。

さっそく、
遺伝子というのは、親から子へと遺伝する因子のことであり、
その正体は、床屋の看板のようなイメージのクルクルの
2重らせん構造を持ったDNAという物質であり、このDNAの塩基配列の並び方によって、出来上がるアミノ酸の配列が決まり結果、出来上がるタンパク質が決まる。そのタンパク質が・・・。

クルクルの床屋看板までは良かった、その後,、DNAって横文字が出てきたところで調子が狂った。
DNA、DHA・・・。
魚肉ソーセージに入っていて頭が良くなるあれか?と悩んでしまったあたりから、自信がなくなっていった。この話は、ちゃんと復習してからにしよう。
さて、
植物を取り巻く社会情勢が、刻一刻と変化している今日このごろ。
チューリップ切事件も全く話題に上らなくなりました。

みなさま、いかがお過ごしですか。

僕は、17日に開催された「円山動物園の森 春の観察会」でこんな植物に出会った。http://www.city.sapporo.jp/zoo/tree/forest/index.html



名前は「マムシグサ」。声高そして宇宙人風に「マナエ ハ マムシグサ」。
食虫植物のような形をしたこの部分(仏炎苞ぶつえんほう)、お花じゃないのよ、葉っぱの一部なの。
花は、この中に。
そして彼の名前の由来は、
茎の部分の色(正確には鞘葉しょうよう。葉っぱが重なり合っている。)




動物園産 旬の植物~マムシ風。
美味しそうな色ではないが、悪そうな色が素敵でした。つまり、こういう遺伝情報を持っていて発現(この色が出るように準備する感じ。DNAがあるだけでは、形質には現れない。CDを持っていても音が鳴らないようなイメージ。)するわけです。
爬虫類担当の本田さん※1にしてみたら、マムシとは色が違うって言われてしまいそうですが・・・。本田さんといえば、18日豊平川河川敷で開催されたYOSAKOI関係のイベントへ「円山動物園の飼育員による出前講座」、講師として行ったようです。いつもの動物園作業服ではなくて諏訪流鷹匠の正式な衣装。


獲物を追っている僧侶のような彼のまなざし。仕掛人。背景は、話題となっているコンビニ建設現場。

それと、もうひとつ出会った驚きの植物。
名前は「クサノオウ」。昔の電報風に、「ナマエ ハ クサノオウ」。
「ヨウダイ アッカ シキュウ レンラクセヨ シチコクヤマ」←関係ないです、サツキ。

きれいな黄色い花が咲いてました。
だけでは、済まされない驚きの植物。




ちょっと葉っぱをちぎらせてもらうと、

絵の具のような鮮やかな「黄色い」液体が。
実は、植物体内の液が、空気に触れた瞬間「黄色」になります。
ホントびっくりしました。漢字で「草の黄=くさのおう」。納得のネーミング。

※毒性が非常に強いので、植物の専門家指導の下で観察しましょう。

それぞれ違った形や特徴を持っているようで、前回に続きこれまた、神秘的です。


ヒトも植物も含めた全ての生物には、親世代から子世代へ延々と引き継がれてきた特有の形や機能に関する遺伝情報が、体のあらゆる場所に存在している。
生息する環境に合わせて進化したり、退化させながら、それぞれの遺伝子を残すために、日々頑張って生きている。


まだまだ知らない植物がたくさん、円山動物園の森にはありそうだ。
昨年、転勤して来た時は
「小さい花と、大きな木が少しあるだけの緑豊かな林」としか思っていなかった場所が、今では、ちゃんと名のある「素敵な植物たちが暮らす価値ある空間」であったことに気が付きました。
これももちろん僕が「0」から学んだ訳ではなく、オランウータン担当の吉田さんや
http://sapporo.100miles.jp/zoo_yoshida/
植物や生物の専門家の先生と仕事をご一緒させていただいているからこそです。


知らないことが、あったと気が付いた。
知らないことが、あるということを知っている。無知の知。ソクラテス。


今日は黒いバラのテレビ見てから、寝ます。
ではまた。

はじめました★動物園ブログ。

飼育員ではないけれど。

動物園って皆さんにとって、馴染み深い施設ですが、飼育員以外にも働く人が結構います。
仕事は?と尋ねられて「円山動物園」と答える。200%「飼育員?」って聞かれます。
そんな皆さんの疑問難問にお答えします。

動物園には、大きく分けて
●飼育員・獣医
●園長・経理担当・広報担当・庶務担当・HP担当など経営部門の職員
●動物の住んでいる施設が壊れてないか管理する施設管理部門の職員
が働いています。

そして僕は、2007から、その管理部門の植物担当。
動物園的には、まだまだピヨピヨのヒヨコです。

どうぞよろしくお願いします。

植物が担当なので植物メインです。
題名は、「植物的時間」。
植物の魅力や楽しみ方、動物だけにとどまらない円山動物園の魅力をお伝えします。隠れた植物事情、動き始めた野性生物復元プロジェクト、個人的な健康的で持続可能なライフなど。

が、考えてみると担当動物がいないので何でも書けてしまうカモ。

デジカメを持っていない僕が、デジタルな写真を慌てて自分の家のメールに送ったら、この写真しか届いてなかったわけで・・・。


だけど、この写真僕的には、結構神秘的。
今日、カンガルー館の前で撮ったシダレヤナギ(漢字で:枝垂れ柳)、芝生に写った影。何か動き出しそうです。木と太陽と芝生が作り出した芸術?
本当は、もっとシダレてる様子とか、
円山の新緑鮮やかな木々の様子をお伝えするはずだった。
でも初回なのであまり難しい話は無しにしよう。

動物園に勤務するまでは、植物の名前は知っていたけど、形や色までは正直分からなかった。が、毎日気に留めていると、これがまた、奥深い。街を歩いても、どんな植物があるか気になり始めた。そして、そこから、いろいろ考えさせられる。

エコとか温暖化とか低炭素社会とか、外来植物とか、チューリップ切とか
植物を取り巻く情勢は日々変化していますが、興味のない人にとっては、難しく自分には関係なさそうな問題ばかりですが、
植物や動物を通じて、殺伐としたこの時代に少しでも潤いを提供できたらと思います。


アマゾン川みたいです。

ちょうどやってるバラのテレビを見て寝ます。

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