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札幌100マイル編集部による映画レポート

【私の男】合同取材

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第138回 直木賞受賞!桜庭一樹40万部を超えたベストセラー小説『私の男』
映像化不可能と言われてきた本作が、ついに待望の映画化!

先日、熊切和嘉監督・主演の浅野忠信さん・二階堂ふみさんを向かえ
6月14日(土)より札幌シネマフロンティア、ほか全道にてロードショーとなります
『私の男』の合同取材が行われ、参加させていただきました。

■映画の舞台となった「紋別(もんべつ)」の印象をお聞かせ下さい。

浅野さん

紋別の町は、僕が東京にいる限り味わえない雰囲気というか
まったく東京の現実から切り離された空間でした。
また紋別だけで無く、北海道の中々行くことのできない場所は
役作りに良い影響を与えていただいたなと思います。

二階堂さん

雪も流氷も今まで見たこともない光景でしたので
すごく不思議な体験をさせていただいたなぁと。
私は雪を見て育ったわけでありませんが、紋別という町は安心感があるというか
とても静かで好きな町だなぁと思いました。

熊切監督

僕は帯広出身なので、紋別は以前何度も訪れたことがあり
個人的にも色々と思い入れのある場所なんですが
そんな場所で撮影出来たことを非常に嬉しく思っています。
やはり撮っていても、紋別独特の坂道の多い地形など、
淋しいんだけど非常に魅力のある町でした。

■映画化が難しいといわれた作品ですが、完成した今の感想をお聞かせ下さい。

熊切監督

映画化が難しいと言われている事を、僕はあまり知りませんでした。
確かに流氷の場面など、想像もつかないところは多分にありましたが…。
完成した今は「やれる事は全てやった」という気持ちがある一方で、
まだ全然距離を置いて観られていません。色味や音の調整など、
やはり今でも細かな事が気になってしまいますね。

■(浅野さん、二階堂さん)完成した作品をご覧になって如何でしたか?

浅野さん

花の力で淳悟が生かされている、花が物語を引っ張っていってくれているなと
出来上がりを観た時に感じました。それがまた作品に引き込まれる要素の一つだったりと
思うのですが完成するまでは本当に想像もつかなかったので、凄く関心しています。

二階堂さん

「私の男」のオファーをいただいてからクランク・インまで1年くらい時間があったのですが
その1年間は、私の中ではこの作品がずっと自分の中で支えになっていたので
撮影が終わった日は、何かが無くなってしまったような感覚に陥りました。
スクリーンには自分たちが被写体として映っていて
作品全体がどうなっているのか完成前には想像が出来なくて緊張していたのですが
映画が出来上がった時に、監督が「傑作だよ!たぶん!」とメールを下さったので
ちょっと安心して観る事が出来ました(笑)
本当に自分がこの作品に関われたことをうれしく思いましたし、とにかく幸せでいっぱいでした。

■この映画で何を伝えたかったか。また、こだわりのシーンを教えて下さい。

熊切監督

何を伝えたかったか、と言われると上手く言葉に出来ませんね・・・。
テーマとして、多くの人が蓋をしたくなる様な出来事や関係であったとしても
人間を掘り下げていくと避けられないところがあると思うので
そのようなところを映画で描きたかった、というのがあります。

こだわったシーンは色々とあります。
特に、濃密な空間の中での淳悟と花の関係性に説得力が出るように心がけました。

■この作品を通じて学生や若い世代に伝えたい事はありますでしょうか。

熊切監督

そうですね・・・中々ストレートに言えないので難しいですけど(笑)
人間社会を営んでいく上での工夫として蓋をするという事があると思うのですが、
文学や映画というのはそこだけの表面を描くべきでは無く、
もっと掘り下げて人間を突き詰めて行くべきだと思っているんです。
人間ってもっと懐の深いもので、そこを受け止める事で
人を見る目や人生に対しての考えが深まるのではないかと。
それは学生とか(笑)人に強要するのわけでは無く、上手く言えませんが人それぞれで良いと思います。

僕が学生だった頃は、やっぱりこういう映画を観たかったんですよね。
僕は学生時代に、若松孝二監督や大島渚監督の映画が大好きでした。
それは世界の見方を変えてくれたというか、自分としては凄く開放されたし勇気を貰ったんです。
こんなにも、色々人生は面白いんだぜ!というような感覚を受けてくれたらいいなと思います。

浅野さん

僕も監督に賛成出来ますし、同じ考えでもありますが
俳優としてちょっと違う見方をしてきたところもあるんです。
僕が学生の頃に何を求めていたかといえば、ただ自由で居たかったぐらいで
それは今でも変わらないのですが 自分の子供が成長して行く過程を見ていても
やはり彼らが絶対的に自由でなければならないと思っています。
監督と言っていることは同じかもしれませんが、世の中は本当に広く色々な人間がいて…。
例えば僕が高校で悩んでいる時も「それは別におかしな事では無いし、
君は君で居ていいんだよ」と、そういうことに映画などから気づかせて貰いたかったですね。
だから淳悟を演じた時にも、淳悟がそういうことに気づくまでの一つの道のりであり
喜びに出会うまでの道のりだと思って演じましたし
そういう一つの自由に出会える映画なのかなと僕は思っています。

二階堂さん

私もまだ学生なので、お二人のお話に納得する事があったんですけど。
だからこそ私を含め若いと言われている学生の人たちに
もっともっと色んなもの見たいし見て行きましょうと言いたいですね。
その先に関しては、私もまだ19年しか生きていないので
見たことに何を得られるか、結果どうなるか解かりませんけど
見て感じるって事は、物凄く大切なことだと思うので
この映画に限らず、やっぱり色々と感じて行きたいなと思います。

■今回は北海道での撮影でしたが、行かれた場所や美味しかったものはありますか。

熊切監督

紋別に「はまなす通り」という、映画のセットのような飲み屋街があるんです。
撮影中は行けませんでしたが、ロケハン中に晩ご飯を食べ一杯飲みつつ…など
そこのラーメンが素朴で美味しかったですね。

浅野さん

そこの通りにある居酒屋だったと思うんですけど(一同笑い)
そこで食べた「のどぐろ」が美味しかったですね。

熊切監督

あれは「つぼだい」じゃないですかね?

浅野さん

あっ!「つぼだい」ですかね(笑) ハマって、そればかり食べてました!

二階堂さん

同じく、その通りにある焼肉屋さんに、けっこう出入りしてました(笑)
浅野さんとも一度行きましたし、映画で同世代設定の3人でも行きました。
たしか「くるま」って名前だったかな?とっても美味しかったです。

短い時間でしたが、映画のことから北海道での美味しい体験などなど
本当にたくさんのお話を聞くことが出来
最後にフォトセッションで素敵な写真を撮らせていただきました!

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映画「私の男」は6月14日(土)より、札幌シネマフロンティアほか全道でロードショーです。

北海道の壮大な風景を舞台に描かれた美しい衝撃作を
ゼヒ映画館の大スクリーンでご覧下さい。

■公式サイトはこちらから
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