双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地
札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。
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公開初日の双子たち。
Posted by hokkyoku on 2009年3月20日(金) 19:46
世はWBCに沸いていますね。野球がわからない樋泉です。
周囲が野球の話題で盛り上がっていると、なんともいえない寂寥感をおぼえます。
私も、「あの盗塁は凄かった!」「あれはバントにすべきだった」(テキトウ)とか言ってみたい。話に加わってみたい。
そう思って野球の試合を観てみても、なにがなんだかわかりません。
コミュニケーションのために野球を学んでみよう、と思ったことがあるのですが、球団のマスコットの名前をいくつか覚えただけにとどまりました。
カープは「スラィリー」とかスワローズは「つば九郎」とか、昨今ドアラが人気とか、覚えてもなんの役にも立ちません。
私は努力の方向性を頻繁に間違ってしまいます。
さて、地元球団のマスコットのモデルはヒグマ。
ヒグマとホッキョクグマは近縁種なので交配可能です。
地球温暖化によってヒグマが北上してホッキョクグマと交雑し、結果ホッキョクグマが淘汰されてしまうのでは!という話も時々聞きます。
絶滅危惧種に指定されてからというもの、ホッキョクグマは温暖化の犠牲者の象徴とされて、そうしたショッキングなニュースを耳にする機会も増えましたが、冷静にことの真偽を見極めたい、と思っています。
本日は双子の赤ちゃんの一般公開の日。
悪天候でしたが、たくさんのお客さまが来て下さいました。
遠方からお越しいただいた方も多いようです。
午前中は双子のうち一頭とララだけが外に出てきて、一頭は産室にこもりきりでした。
体調でも悪いのかと気をもみましたが、正午すぎにようやく出てきてくれて一安心。
あの子がなぜ長いことララと離れて産室に閉じこもって眠っていられたのか、ちょっと謎です。
双子が揃うと見ごたえも増します。
彼らのちょっとした仕草でどよめきがおこっていました。
私もギャアギャア騒いでしまいました。
ホッキョクグマの双子の赤ちゃんを見て平静を保つことはいささか難しいです。
この子たちは日に日に可愛さが増しています。
室内の掃除もできるようになりましたし、雪の上で転げるので、どんどん体の汚れが落ちていくようです。
↑ホッキョクグマの毛は透明で、空洞になっていますから、(陽光を遮らず、空洞に熱を蓄えられる北極に最適な毛の仕組みです)汚れが中に入ると落ちにくいことで知られています。
動物園で飼育されているホッキョクグマはしばしば緑や茶に染まってしまうのです。
ですから16日に↑この姿で出てきたときはさすがに心配になったのですが、汚れがたやすく落ちていくので安堵しました。
どんなに汚くたって、尊い命ですから、元気ならそれで一向に構わないんですけど・・・というのは建て前で、やはりふわふわの白い姿をお客さまに見ていただきたかったのです。というか私が見たかったのです。
双子最高!双子で良かった!
一頭でも無事に育ってくれれば鼻血が出るくらい嬉しいのですが、双子の姉のピリカは、ララにかまってもらえない時に仰向けになって後ろ足を齧る(下の画像+ピリカの思い出参照)痛々しい癖があったのです。
一緒に遊ぶ兄弟がいて良かった。
最近のデナリは「ララといるあのちっこいのはなんなのか」という思いでしょうか。
父親はいっさい子育てに関わりません。
大人のオスは子グマを捕食することがあります。
野生ではエサが豊富にあることは多くないですし、子連れのメスは発情しませんから。
繁殖期・子育て中以外は単独で過ごすことが普通なので、私の中ではホッキョクグマは孤高のイメージです。
ですが、大きな海棲哺乳類の死骸のある海岸など、エサがたくさんある場所では、ホッキョクグマが集まってレスリングに興じたりするそうです。
時には大人のオスが子グマと遊ぶこともあるとか。
その様子が書かれた本を持っています。写真集ですが、巻末にホッキョクグマの一年を追った記述があって、非常に面白いです。
※『ホッキョクグマの王国 福田俊司写真集』 文一総合出版
今日はこれにて失礼致します。