札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

2010年01月 の投稿一覧

ゆくクマくるクマ plus

本日はおびひろ動物園でイコキロの担当となる藤本さんがいらっしゃいました。

左から河西飼育員、山本飼育展示二係長、藤本さん。
談笑しております。

ピリカと動物園と注射器と
上記は藤本さんのブログです。
移動後は、こちらでイコロとキロルの様子を知ることができると思います。


一時的に里帰りすることになるピリカ。
この写真は2007年におびひろ動物園に遊びに行って撮影したものです。

デナリとララの4頭の子のうち、容姿・身体能力・頭脳全てにおいて
彼女が抜きんでていると称されることもあります。
なおかつ勇敢です。
どの子も大好きなので、比べるべきではないのかもしれません。
ただ、ピリカは最初からプールを恐れずにひとりで泳ぎ始めたり、
堀からプールへの壁をよじ登るという離れ技を見せたり、
といった逸話を持っています。


あの日、隣の獣舎ではさつきが元気に遊んでいました。
さっちゃんはプール遊びをこよなく愛しています。

当園でのさつきのプールは狭くて、申し訳なく思うこともありました。
旭山では思いっきりダイブできるといいですね。

さて、藤本さんにイコロとキロルの見分け方を聞かれた私は、
イコロがピリカ似で柔らかい目つき、キロルがキリッとしたつりぎみの目、
という大変わかりにくい説明をしてしまいました。
毛色や行動は変わってしまうから・・・
もちろん識別用ICチップは入っていますけどね。

シュッとしているのがキロル。

ほわっとしているのがイコロ。
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キロル。
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イコロ。
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よく笑みを浮かべているのがイコロ。
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美味しそうなのがイコロ。
どうやら私の説明能力、語彙力、観察眼には欠陥があるようです。
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本日のララさん。
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キロルに噛みつかれて
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グワっとな。
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「撮影お断り」

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毎度お馴染み北極相撲。
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親離れする際には、一度に3頭がバラバラになるものと予想しておりました。
ですから、兄弟だけでもしばらく一緒に暮らせることを嬉しく思っています。




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今日の入園者数は確認せずに帰ってきましたが、こころなしかお客様が多いように思いました。
そりゃ、そうか。

ゆくクマくるクマ・改

本日14時、旭川市旭山動物園、おびひろ動物園、釧路市動物園、札幌市円山動物園の4園より、
ホッキョクグマの種の保存事業を推進する旨の共同声明を発表致しました。


内容は当園ホームページに掲載し、
各メディアでの露出もあったため、既にご存知の方も多いと思いますが、改めてお伝えします。


釧路市動物園に出張中だったイコロ・キロルの父デナリと、クルミとのペアリングがうまくいったため、
来月、デナリは当園に帰ってきます。
ララ・デナリは例年3~4月に交尾期を迎えるため、本年中の繁殖が可能になります。


ただ、イコロとキロルがいる限り、ララが発情することはありません。
子供たちだけを別の獣舎に移動するにしても、彼らの姿が少しでも見えたり、
声や臭いがララのもとに届く限り、彼女はデナリと交尾しようとは思わないのです。
当園には、ララに気付かれることなく子供たちが暮らせる適切な獣舎がなく、
国外の転出先が未だ見つからないこともあり、イコロとキロルの預かり先を探していたところ、
おびひろ動物園様が快諾してくださいました。
そして、おびひろ動物園においても飼育スペースは限られているため、
ご存知ピリカを一時的に当園で預かることとなりました。

ピリカの所有権は帯広、イコロ・キロルの所有権は札幌にあること、
そして、今後もイコキロと海外の個体との交換、
血統の多様性の維持を目指すことには何ら変わりありません。


また、ララの子育て期間中のデナリとの繁殖を試みるために当園にやってきたサツキですが、
2年に渡りペアリングがうまくいかなかったため、別のオス、イワンとのペアリングのため、
旭川市旭山動物園へ転出します。(貸し出しの契約となっております)
人間の思惑に翻弄されて可哀相、と感じる方もいらっしゃることと思いますが、
彼女も相手が変わればペアリングが上手くいくことはじゅうぶんに考えられます。
繁殖可能な年齢である限り、施設間移動を積極的に行い、様々なペアリングを試してみるべきです。

さっちゃん・・・


このように、今以上に他の動物園と協力関係を結びながら、絶滅危惧種のホッキョクグマの繁殖を
推進していこうというのが今回の移動の主な目的です。

ヨーロッパの動物園では、個体を頻繁に移動させ、様々なペアリングを試すことで、
貴重な命を繋いでいこうとしています。
日本においても、どれほど人気のある個体であろうと、一箇所で抱え込むことなく、
希少な種を守るべく移動させ、繁殖を試みることが大切なのではないでしょうか。

道内4園がこうして足並みを揃えられたのは、何より繁殖を優先するという考えが一緒だったからなのです。
なお、日本では1917年以降、150頭以上のホッキョクグマの赤ちゃんが生まれておりますが、
半年以上生き延びた子はたったの21頭です。
そして、うち14頭は北海道の動物園で生まれました。

参考までに…
・旭川市旭山動物園 繁殖回数4回 5頭 (日本で初めての繁殖です)

・釧路市動物園 繁殖回数3回 4頭

・札幌市円山動物園 繁殖回数4回 5頭
※ララの子供たち以前にも、1985年にポールとシロというペアの間にオスのポロが誕生しています。
彼は南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園へ転出しました。

・大阪市天王寺動物園 繁殖回数 4回 4頭

・別府ワンダーラクテンチ 繁殖回数 1回 2頭 (ララと旭山のルルの双子の姉妹です)

・愛媛県とべ動物園 繁殖回数1回 1頭 (人工哺育のピースちゃんです)



ひとつ前の記事にも書きましたが、サツキのお別れ会は2月6日(土)に実施します。
そして9日(火)に出発。
イコロとキロルのお別れ会は2月20日(土)、翌21日に旅立ちます。
出発の時間は未定です。
(オフィシャルストーカーとして、お休みを頂き、帯広まで移送のトラックを尾行する気満々でしたが、
晴れて園長命により仕事で行けることになりました)


イコロとキロルは、動物園で生きていく上で必要なことは学び終えました。
自然界でのおよそ2年の子育てと比べると短く感じられるかもしれませんが、
栄養状態も非常に良く、また、これまでじゅうぶんにララに愛を注がれたため、
親離れで心身に悪影響が出ることは考えられません。


帯広では兄弟一緒に暮らします。
お母さんと離れれば、もちろん最初は寂しがるでしょうが、それは野生でも同じことです。
新しい土地でもたくさんの方に愛され、健やかに暮らしてくれることと思っています。





もうすぐだよ。
イコさん、キロさん、どうか思う存分、ララに甘えて下さい。

今年の12月には、新しい命が誕生しますように。

ゆくクマくるクマ



道内ホッキョクグマ飼育4園共同声明

上記のリンク先をご覧下さい。


サツキは、2月6日にお別れ会を行い、9日に旭川へ出発します。
イコロとキロルは、2月20日にお別れ会を行い、21日に帯広へ出発します。
出発時刻は未定です。

3時のおやつ

15時ともなるとホッキョクグマ達はまったり気分になります。

こちらはさつきです。

粉雪を身に纏った動物を見ると、粉砂糖をかけたお菓子を思い出します。

私の頭の中は食べ物のことばかりか?

手前がキロル、奥はイコロです。
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イコロ饅頭
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イコロクッキー
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キロルケーキ
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イコロのほうがやや美味しそう。
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ちなみに、ホッキョクグマは有毒生物とされています。
肝臓に高濃度のビタミンAが蓄積されているためです。
ホッキョクギツネなど、北極圏の食物連鎖の上位にいる動物は、
大抵ビタミンAの貯蔵量が大きいそうです。
ん?それが食性によるものなら、飼育下のイコロは毒性をもつほどのビタミンAを持っていない?
いや、食べませんけれども。
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伏せるイコロ。
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まどろむイコロ。
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体つきがガッシリしてきましたね。
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ごろごろイコロ。
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黒い舌は成長の証。
もうどこに出しても恥ずかしくない、心身ともに健やかな少年に育ちました。

2009年4月10日の舌はこんな色でございました。
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イコロ大福。
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やはり旨そうです。
口に入れても痛くないほど可愛いという言葉も・・・ないです。
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なんですか、ララさん、不審者を見る目つきですね。
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お手上げキロル
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イコロパン
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寝そべるイコロのもとにキロルがやって来て
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遊び道具の小枝を奪ってしまいました。
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そして素早く逃げる。
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枝にはそれほど執着していないようだったので、追いかけっこがしたかったのでしょう。
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晩御飯に鶏を食します。
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サヨナラ!

第61回さっぽろ雪まつり(2月5日~11日)の大通会場にララとイコキロが登場します。
公式サイトに完成予想図が出ておりましたのでご覧ください。
http://www.snowfes.com/place/odori/index.html

なお、2月1日~11日は円山動物園スノーフェスティバルを開催します。
ぜひお越しください。

母さんと回虫 閲覧注意

こんばんは。
当ブログを始めてから、体重が一ヶ月におよそ600gずつ増えている樋泉です。
イコロとキロルの成長とシンクロしているのでしょうか。
子熊たちの成長の勢いには負けるけれども。


あ、どうでもよろしいですか・・・
申し訳ございません。


この頃更新を怠りがちだったので、時間と気力・体力に余裕のある本日、たくさん更新しております。
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プール内からじゃれつくキロルをあしらうララ。
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横っ面に張り手。
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今度はイコロとララの絡みです。
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頭をもみくちゃにして遊んであげております。
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息子たち、嬉しそうだなあ。



以下、閲覧注意です。寄生虫の写真がございます。
苦手な方は見ないでくださいね。

私は興味深いものだと思うのですが。
不愉快でしたら申し訳ございません。










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こちらはララの体内に居たクマ回虫です。
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クマ回虫はクマの小腸に寄生するありふれた寄生虫です。
野生のクマの腸にはほぼ100%居ると聞いております。
栄養を奪い、組織を食い破るおそれありがあり、半年に一回ほど薬を与えて駆虫しているそうです。
そうするとこういったものがたくさん出てくるんですね。
条虫のように長いものと思っておりましたが、15cm程度です。
これを体内で飼ったら痩せられるかと獣医さんに聞いたところ、「無理」とのことでした。

雪に唄えば

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♪I'm singin' in the snow
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本日は週休日。
ララとイコキロが一緒に過ごす姿を少しでも長く目に焼き付けておきたくて、動物園に赴きました。
降雪の中で見るホッキョクグマは良いものです。
出不精の私を休みにも関わらず職場に向かわせるだけの魅力があります。
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今はイコロとキロルの識別が容易ですね。
上がキロル、下がイコロです。
堀に降りて盛んに遊ぶために汚れがちで、キリっとした目の子がキロル。
毛色がきれいで、柔和な目つきの子がイコロ。
最近、行動と顔立ちから受ける印象が釣り合っている気がします。
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秋までは容姿から受ける印象と性格が逆だったように思うのですが、いかがでしょうか。
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男前キロル。
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天に向かって大口を開けるイコロ。雪は旨いか?
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そういえば子供のころはこんなことをしたような気がします。
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遊び道具になりそうな木の枝を発見したイコロ。
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カラスに奪われ
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奪い返します。
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ポリタンクなどの玩具はことごとく下に落としてしまうので、小さな枝で我慢。
堀に行けない彼は少し退屈そうです。
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数十分後、キロルが運んできてくれた浮きで遊んでおりました。
イコの口元可愛いなあ!
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素晴らしき哉、浮きと兄弟。
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堀は様々な玩具で溢れております。
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スコップの破片を抱えてご満悦のキロル。
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♪I'm dancin' and singin' in the snow
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冬毛のジェイはとてもハンサムでございますね。
夏毛も良いですが、やはり冬毛でしょう。
もう霊長類の殿方は私には不要でございます、食肉類の殿方に見惚れているほうがずっと楽しゅうございます。
という負け惜しみをつぶやいてみる。

観戦者


子熊の心身の成長に遊びは欠かせません。
取っ組み合って遊ぶ相手がいるこの子たちはとても幸福です。

今日も今日とてレスリング。
ちなみに左がイコロ、右がキロルです。

観戦者は人間だけではありません。

明らかにイコロとキロルを見ていますよね、ハシブトガラスたちも。

「オレはキロルが勝つ方に肉一切れを賭ける」
「わしはイコロにパンの耳ひとつ」
「私はイコロの勝利に巣材の毛ひとかたまり」

本熊たちはおかまいなし。




後ろで「行け、イコ」とか「やれキロ」とか言っております。
いや、言ってません。申し訳ありません。

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後足で顔面を蹴り上げる技、通称ウルスス・マリティムススペシャル。
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イコロの顔が潰れております。
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イコロの逃走によりキロル勝利。

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イコロとカラスが次の試合の八百長について相談中。
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※このブログはフィクションです。実在の動物とは少々関係があります。

笑い子熊

無題


更新ペースが落ちてしまって申し訳ありません。
写真を撮りに行く時間を作ることが難しかったのです。
イコロとキロルへの愛情と関心は微塵も薄れてはおりません。


明日13時より、丸善札幌アリオ店にて、「ふたごのクマクマ」の読み聞かせイベントがあります。
お越しいただけると幸いです。

君に触れたい


君に触れたい、でも届かない。
嗚呼、いとしい兄弟。

触れなば落ちん風情のイコロ。
・・・意味違うし。


触れあえる距離にいれば、ちょっと鬱陶しくなったりもする。




思うように遊べず大人しく過ごすイコ吉は、毛の汚れがどんどん落ちまして、
象牙のような綺麗な毛色になりました。
でもどれほど汚くとも楽しげなほうがいいですね。


堀は楽しいぜ。

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