札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

『ピリカ』タグの付いた投稿

子熊のレスリング

経営管理課の樋泉です。
先日、深夜に仕事をしていると、警備員さんに「もう顔がボロボロだから帰りなさい」と言われました。
どんな顔だ、と思って鏡を見ると、そこには土気色の顔のゾンビがいました。
つくづく恐ろしい職場です。


明日は雨天で、気温も低いようですね。
そんな日こそホッキョクグマ日和だと思います。
お客さまが少ないときは双子をゆっくり眺められますから、明日のご予定が決まっていなくて、お時間に余裕のある方は、ぜひ円山動物園へお越しください。


時々、ホッキョクグマ担当の河西飼育員が当ブログに記事を書いてくれるようになりました。
残業後に半死半生の状態で泣きながら更新することが多いので、とても助かります。
「泣きながら」は嘘です、申し訳ありません。
とても楽しんでやっております。

私は事務職で、動物のお世話をしているわけではありませんから、短い時間に見てきた双子の様子をお伝えしたり、私が知りうる限りのホッキョクグマネタを記すだけで精一杯ですが、今後とも当ブログを何卒宜しくお願い致します。

楽しみにしている、と言っていただけると、疲れも吹き飛びますし、自費でカメラを買った甲斐があった、と思います。

今日は4月19日の午後に撮った双子のレスリングの写真を大放出します。
一週間前の写真で申し訳ありません。
明日は写真を撮る時間があるといいのですが。


当然ですが、ツヨシやピリカの幼少期には、子熊同士のレスリングを見ることはできませんでした。

こうして激しく取っ組み合う写真がもっとも双子らしくて好きです。




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「ちょっと野蛮だわ、でも双子が羨ましいわ…」

公開初日の双子たち。

世はWBCに沸いていますね。野球がわからない樋泉です。

周囲が野球の話題で盛り上がっていると、なんともいえない寂寥感をおぼえます。
私も、「あの盗塁は凄かった!」「あれはバントにすべきだった」(テキトウ)とか言ってみたい。話に加わってみたい。
そう思って野球の試合を観てみても、なにがなんだかわかりません。

コミュニケーションのために野球を学んでみよう、と思ったことがあるのですが、球団のマスコットの名前をいくつか覚えただけにとどまりました。
カープは「スラィリー」とかスワローズは「つば九郎」とか、昨今ドアラが人気とか、覚えてもなんの役にも立ちません。

私は努力の方向性を頻繁に間違ってしまいます。

さて、地元球団のマスコットのモデルはヒグマ。
ヒグマとホッキョクグマは近縁種なので交配可能です。

地球温暖化によってヒグマが北上してホッキョクグマと交雑し、結果ホッキョクグマが淘汰されてしまうのでは!という話も時々聞きます。

絶滅危惧種に指定されてからというもの、ホッキョクグマは温暖化の犠牲者の象徴とされて、そうしたショッキングなニュースを耳にする機会も増えましたが、冷静にことの真偽を見極めたい、と思っています。


本日は双子の赤ちゃんの一般公開の日。
悪天候でしたが、たくさんのお客さまが来て下さいました。
遠方からお越しいただいた方も多いようです。



午前中は双子のうち一頭とララだけが外に出てきて、一頭は産室にこもりきりでした。
体調でも悪いのかと気をもみましたが、正午すぎにようやく出てきてくれて一安心。
あの子がなぜ長いことララと離れて産室に閉じこもって眠っていられたのか、ちょっと謎です。


双子が揃うと見ごたえも増します。



彼らのちょっとした仕草でどよめきがおこっていました。
私もギャアギャア騒いでしまいました。
ホッキョクグマの双子の赤ちゃんを見て平静を保つことはいささか難しいです。

この子たちは日に日に可愛さが増しています。
室内の掃除もできるようになりましたし、雪の上で転げるので、どんどん体の汚れが落ちていくようです。


↑ホッキョクグマの毛は透明で、空洞になっていますから、(陽光を遮らず、空洞に熱を蓄えられる北極に最適な毛の仕組みです)汚れが中に入ると落ちにくいことで知られています。
動物園で飼育されているホッキョクグマはしばしば緑や茶に染まってしまうのです。


ですから16日に↑この姿で出てきたときはさすがに心配になったのですが、汚れがたやすく落ちていくので安堵しました。

どんなに汚くたって、尊い命ですから、元気ならそれで一向に構わないんですけど・・・というのは建て前で、やはりふわふわの白い姿をお客さまに見ていただきたかったのです。というか私が見たかったのです。

















双子最高!双子で良かった!
一頭でも無事に育ってくれれば鼻血が出るくらい嬉しいのですが、双子の姉のピリカは、ララにかまってもらえない時に仰向けになって後ろ足を齧る(下の画像+ピリカの思い出参照)痛々しい癖があったのです。

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一緒に遊ぶ兄弟がいて良かった。


最近のデナリは「ララといるあのちっこいのはなんなのか」という思いでしょうか。
父親はいっさい子育てに関わりません。


大人のオスは子グマを捕食することがあります。
野生ではエサが豊富にあることは多くないですし、子連れのメスは発情しませんから。

繁殖期・子育て中以外は単独で過ごすことが普通なので、私の中ではホッキョクグマは孤高のイメージです。

ですが、大きな海棲哺乳類の死骸のある海岸など、エサがたくさんある場所では、ホッキョクグマが集まってレスリングに興じたりするそうです。
時には大人のオスが子グマと遊ぶこともあるとか。

その様子が書かれた本を持っています。写真集ですが、巻末にホッキョクグマの一年を追った記述があって、非常に面白いです。
※『ホッキョクグマの王国 福田俊司写真集』 文一総合出版

今日はこれにて失礼致します。

長いあいさつ

このたび、当園で2008年12月9日に生まれたホッキョクグマの双子の成長日記を綴ることになりました、経営管理課経営係の樋泉と申します。

このようなお役目を仰せ付かり、当方、いささか緊張しております。
皆様が心待ちにしてくださっているホッキョクグマの双子さんの情報を発信するブログを私などが書いて、本当にすみません・・・

ホッキョクグマをこよなく愛しており、薄給を仕事用のカメラとレンズに使ってしまったバカモノですから、当ブログを書くには適任であるのかもしれません。どうだか。

さて、肝心要のホッキョクグマの双子の赤ちゃんは元気に成長しており、今月下旬にお披露目の予定ではありますが、まだサーモグラフィカメラおよび赤外線カメラでしかその姿を見ておりません。
担当の河西飼育員だけは母熊ララへの給餌のために熊館への立ち入りを再開しましたが、子熊たちのカラー写真はまだご用意できません。
画像なしで記事アップも心苦しいのでこれをどうぞ・・・


子熊はどちらも2005年12月生のピリカです。
つたない技術でピリカが浮きまくりではございますが、母と双子の様子を想像する一助としていただければ幸甚の極みです。

さて、当ブログでは、双子の成長の様子をお知らせするとともに、野生のホッキョクグマの置かれている状況や、飼育下の繁殖の難しさなども記していきたいと思っております。

手前味噌ではございますが、いかにこの双子さんが尊く、注目すべき存在であるか、少し書かせてください。
ホッキョクグマがお好きな方ならご存知のことばかりかもしれませんが・・・
日本でホッキョクグマの繁殖に成功したのはたったの6施設、19頭(うちの双子さん含まず)に過ぎません。

・旭川市旭山動物園 繁殖回数4回 5頭 (日本で初めての繁殖です)

・釧路市動物園 繁殖回数3回 4頭

・札幌市円山動物園 繁殖回数3回 3頭 (双子が無事に育って4回 5頭)
※ツヨシ・ピリカ以前にも1985年、ポールとシロというペアの間にオスのポロが誕生しています。彼は南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園へ転出しました。

・大阪市天王寺動物園 繁殖回数 4回 4頭

・別府ワンダーラクテンチ 繁殖回数 1回 2頭 (この子らがララと旭山のルル姉妹です)

・愛媛県とべ動物園 繁殖回数1回 1頭 (かの有名な人工哺育のピースちゃんです)

たったこれだけです。
これまで国内で生まれた子の数は150頭を越えるのですが、母熊が落ち着いて子供を育てられる環境を整えるのが難しく、大抵の場合は育児放棄により赤ちゃんが死んでしまうのです。
ララだって赤ちゃんを育てられなかったことが何度もありますが、21世紀を迎えてからというもの、国内で元気な子供をもうけてくれたのはデナリとララのペアだけなのです。
2003年のツヨシ、2005年のピリカ、そして今回の双子。
世界の動物園でも数頭しか赤ちゃんは成育しません。双子さんの同期(?)としてはデンマーク・オールボー動物園で1頭の赤ちゃんが元気に育っているようです。

IUCNが作成しているレッドリスト2006年版において、ホッキョクグマは絶滅危惧種(危急種)とされました。
それ以後、この美しくて勇猛な動物は地球温暖化の犠牲者のアイコンという形で注目を浴びることが多くなってしまいました。

双子さんにも環境悪化を訴えるメッセンジャーとしての役割を担っていただかなくてはなりません。
種を絶やさぬよう、これから先の繁殖をいつも視野に入れていかねばなりません。
ただただ可愛い、ということだけを語れたらどれほど良かったかわかりません。

深夜なので変なテンションになってきました。
次回からはこのカタくて気持ち悪い文章をどうにかします。
こんばんは、綾瀬はるかです、ちがうか!とか書けばよかったのでしょうか。
ふと思い出したのですが、先日、チェンバル語講座の人に似ている、と姉に言われました。
とにかく、今後とも宜しくお願い致します。

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