札幌100マイル

LIVEな本音話STORY

過去のライブ・レポートからオススメのライブ、エピソードなど一挙公開

『LIVE Report』カテゴリーの投稿一覧

超人気バンド「JAMOO」

札幌には人気のバンドがいくつか存在するが、大人向けのカッコいいサウンドで超人気のバンドといえば「JAMOO」ではないだろうか。

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シンプルな3人組のバンドであるが、一人ひとりのしっかりとした演奏技術がベースとなっており、とても音楽性豊かなサウンド。うるさくもなく、シンプル過ぎず、またブルースの要素が多めなので、とても大人向けな音楽でしょう。とにかく格好良いです。

 JJ / Vocal & Guitar

SAM / Bass
KAZOO / Drums

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彼らのステージを何度か見たが、殆どエフェクターを使わない、まさに男らしい生音です。
つまり、ギターやベースからアンプに繋がるものはシールド1本!!
それでもグルービーに聞かせます。そしてJJさんの歌いあげるメロディと相まってバンドの一体感を聞かせてくれます。一切ごまかさないブルージーな世界。
ライブ発表後はいつも早い時点で予約完売となります。

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本年4月のこのライブも早期にSOLD OUTとなりました。この日は、JAMOOの3人に加え、人気キーボード・Shinさんが加わった4人構成。立ち見が出るほどの大盛況となりました。
Shinさんは、札幌の多くのボーカリストやサポートでも有名、彼がプロデュースするライブもまた超人気なのです。つい先日の9月13日「俺Session」や「好きですサッポロ・シリーズ」なども予約時点でいつも完売となります(このライブレポートはまた次回に)。

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札幌でJAMOOのような存在があると、若い世代のバンドにとっては、直接良い見本になってるのではないでしょうか。歳を重ねても、あのようなバンドでありたいと思わせるような。
音やエフェクト効果を重ねるのではなく、最小限の音数でどう表現できるか、という絶好の見本です。バンドスタイルで一番難しいと思う「引き算」のうまいJAMOO。円熟の極みです。

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この10月12日予定のライブ(35名限定)、既に予約上限に近い状態です。ご予約はお早めに。

 

鈴木よしひさくんの「ポリパフォーマンス」

本日(9月25日)、鈴木よしひさくんのCD「Poly-Performance」が全国発売、リリースされた。
彼のポリ・パフォーマンスとは、JAZZギターと足鍵盤の同時演奏に加え、ボイスパーカッションの三位一体同時演奏という凄技のこと。

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JAZZギタリストとして超一流の名手であり、マンディ満ちるさんのサポートギターや、今大人気のラテンバンド「オバタラセグンド」などで活躍中。
JAZZギター、つまり即興演奏(その場でメロディを作りながら弾くこと)が出来ないといけないんです。そのためには普段の練習はもちろん、多数のフレーズ、コードワークを身につけておかないと出来ません。ちゃんと曲調にあった即興メロディだけでも大変です(笑)
毎年、札幌の恒例イベントである「サッポロ・シティ・ジャズ」にて2年前、マンディ満ちるさんのステージは大変盛り上がりました。アンコールが終わっても拍手がやみません。しばらくしてからマンディさんとギターを抱えてよしひさくんが登場、ダブルアンコールとなった訳です。
予定にないことなので、どうするのかと思いきや、マンディさんがステージ上で「この曲やります」とLovin’ you を歌い出したのです。演奏は、よしひさくんのアコギ1本による即興です。
観衆は感動してました。そういうことが出来るのがJAZZプレーヤーなのです。

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ギターだけでも大変なのに、両足を使った足鍵盤(エレクトーンにある足鍵盤に似ている)を演奏し、ベース音を出してます。両手両足を同時に使うだけでなく、ヘッドマイクにてボイス・パーカッションまでこなす、これら3種の楽器を同時に演奏させるという、ちょっとアクロバッド的なスタイルでJAZZを演奏する「ポリパフォーマンス」。
人間は同時に3つのことが出来るのか?という極めて稀で、このスタイルではおそらく世界中に誰もいない唯一無二な演奏スタイルです。しかも高度なアドリブはもちろん、演奏クオリティはいつものまま維持しており…プロ演奏家からも「人間ではない」「変態だ」という高評価も。
人間にはまだまだ可能性もあるわけで、仕事や世の中に疲れて壁にぶち当たったときなど「自分はだめかも」と思わず、そういう時には、彼の演奏するポリパフォーマンスを見たらきっと違う自分を発見できるのでなかろうかと思う。
彼も最初から「ポリパフォーマンス」が出来たわけではない。
たくさんの努力と苦労と演奏時の大量の汗を重ねて、本日の発売に至ったと思います。

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写真は、2年前の10月20日、LIVE Surr開始日のライブ模様。
華々しくスタートするのではなく、地味だが、ひとつひとつ積み重ねて育てていこうという思いも込め「ポリパフォーマンス」ライブでスタートしました。
客席から足元が見えないだろうから、自宅から42インチの液晶テレビを持ち込んでの「足元だけ現場中継」するという世界初の試みでした(笑)
この10月19日、CD発売というおみやげを携えて、ここLIVE Surrにてライブを行います。
一段と成長した「ポリパフォーマンス」を是非御覧ください。

 

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ギタリスト・松田肇さんの引力

松田肇さんには、人を惹きつける不思議な引力が満載しているように思える。

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北海道出身で若くして渡米後、東京を拠点として活躍するベテラン・ギタリスト。多くのPOPSシーンでも活躍、最近では、ジャンク・フジヤマさんのプロジェクトにも参加するなど、まさに引っ張りだこなミュージシャンです。若手ミュージシャンから慕われる兄貴分としても知られ、
今年3月に行ったライブ「松田肇Session」でも、その魅力が爆発したのでした。
この日のライブ、ドラム田中栄二君、ベース山田章典君のトリオベースに加え、ボーカルにはなんと、佐野元春さんライブツアーでもお馴染みの田中まゆ果 さんを伴ってのライブ。
田中栄二くんも山田章典君も、もはや説明不要な、第一線で大活躍中のミュージシャンですが
その昔(15年ぐらい前か)札幌でToo-highという超絶テクニックなバンドで活動していたメンバーであり、活動の場を東京に移したのは自然の流れだったのかもしれない。おそらくその頃の上京したメンバーを暖かく迎え入れたのが、同じ札幌出である松田肇さんだったのであろう。
この話は別なミュージシャンから聞いたことがある。
そんな優しい兄貴分であることから、とても多くのミュージシャンから慕われているのです。
そんな雰囲気満載のライブ、当然、盛況でした。

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そしてMCもとっても面白い(笑) 観客のみなさんもきっと、あっという間に終わった、という感じではなかったでしょうか。第一線の演奏力、特にパワーが全く違うんです。半端じゃない。
まさに「圧倒的なパワーとテクニック」に魅了されっぱなしでした。
2nd途中、突如サプライズとして、来客のドラマー、かわいそーへい君が高校の先輩である田中栄二君に代わって1曲!
実は休憩中に先輩から「1曲やれ」ということで、急遽そーへいくんがドラムにシットイン。
めでたく?先輩以外のメンバーとは初共演とあいなりました。
突発的で、きっと生きた心地しなかったろうね、そーへいくん(笑)
最近、若手も続々と東京に出て活躍するようになっていますが、かつての「若手」同様、みんな松田さん慕って一緒に飲んでる模様。
そんな松田さん、人を惹きつけてやまない不思議なパワー、実はこの日の夜に本領が発揮されることとなります。いわゆる「打ち上げ」というやつです。

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3月28日は本当に不思議な日で、札幌のNo.1ライブハウス「くう」で、Too-highの同メンバーである扇谷研人くんがライブするという全くの偶然が重なった日でした。
つまり、伝説のバンドであるToo-highメンバーが同日、札幌で3人も集合する、という珍事に気がついたわけです。
これはもう、全員集合しか無いなと思い、くうのマスター山本さんと相談して「全員集合打ち上げ」となったのです。しかも、出演者のみならず札幌のトップミュージシャンの錚々たるメンバーが一同に集まったわけです。
くう マスター山本さん、松永さん はじめ
松田肇さん、山田章典さん、田中栄二さん、田中まゆ果さん
扇谷研人さん、花れんさん、折原寿一さん、熊谷望さん
福由樹子さん、工藤拓人さん、かわいそーへいさん、すずきゆいさん
なかなか珍しい「打ち上げ」超楽しかったです。松田さん、大感謝な夜でした!!

 

LIVE Report「ホテル・カリフォルニア」

伝説の名盤『ホテル・カリフォルニア』スーパー・ギター・デュオ(1983年発売)

/宮野弘紀、アール・クルー

この名盤の再現ライブを昨年12月に実施、そのReportから本コラムを始めたいと思います。

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日本を代表する名ギタリスト・宮野弘紀さんは北海道の出身、20代でメジャーデビューする直前まで、札幌市内で活動されておりました。綾戸智恵さんとの共演活動や自身のブラジリアン・テイストな独自の音楽にて巨匠ギタリストと呼ばれております。恐らく、日本一のギター早弾き(手弾き)名手でしょう。

この名盤は、1983年に発売されました。僕がまだ高校生だった頃に買ったレコードです。まさに天上のスーパースター、ヨダレを垂らしてこのレコードを聴いておりました。デュオの相手は、ご存じ、アール・クルー。ガッドギターによるフュージョン音楽は、テレビ番組のオープニング曲やBGMなどで知ってる方も多いことでしょう。世界のアール・クルーと、当時大人気な若手ギタリスト・宮野弘紀さんによるデュオ・アルバムというだけでなく、誰もが知ってる曲のカバー集!ということで即買いした記憶があります。

アルバムタイトルの「ホテル・カリフォルニア」(イーグルス)はじめ、

「オネスティ」(ビリー・ジョエル)

「ミセス・ロビンソン」(サイモン&ガーファンクル)

「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」(クリスト・ファークロス)

などの名曲達をギター2本だけで録音されております。この2人の超絶テクニックで、これらの名曲がどんなアレンジになるのだろうと、興味深くレコード針を落とした瞬間からぶっ飛んだ覚えがあります。まさに衝撃的でした。「いったいどうやって弾いてるのだろう」これが一番最初の感想です。

まさに「夢の共演」ここにあり、といった素晴らしいギター・アルバムなのでした。

それもそのはず、このレコード制作は、マイルス・デイヴィスで有名な敏腕プロデューサー、テオ・マセロによるものです。

当時の宮野さん自身によるインナー解説よると、1日だけのスタジオ・ライブ・レコーディング(リハ+本番)のスタイルで行う予定なのに、アール・クルーが1時間も遅刻してきた中で行われたとあります。

そんなエピソードを知らなければ、緻密に計算された出来栄えと思ってしまうほど聞き惚れてしまう演奏です。

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さて、時は過ぎ、私、気がつけば46歳にして、なぜかライブハウスなるものを立ち上げてしまいました。このエピソードはまた後日にすることとして、昨年の秋ごろでしょうか、ライブハウス立ち上げ以前より何かと普段お世話になり懇意にさせて頂いているギターの名手・折原寿一さんとの電話で「宮野さんとのデュオ、何か変わった趣向でもOKかも」というひょんな話から、ここぞという勢いで「是非、あの名盤のデュオやってください」と折原さんに懇願したのが始まりでした。

折原さんから宮野さんにその話を伝えてもらったところ「あまり乗り気ではない」という返事でした。

打ち合わせする中で、宮野さんから「実はあのレコードの曲はこの30年、一度も演奏していない」ということだったのです。つまり発売30年にして初の再演、ということになるのだと気がついた訳です。

もうこれは何が何でも実現せねば、と逆に僕がスパークかかった瞬間でした(笑)

こんなもったいないことって、世の中にどれだけ残ってるのか判りませんが、貴重なライブになることは間違いないと確信した訳です。

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そして12月、高校生の時にヨダレ垂らして聞いていたレコードの曲達が、見事、目前で再現されたのでした。リハのときから震えっぱなし、生音だぜ~と感動するばかりで。

折原さんの生ギター、この日も冴えまくって、アール・クルーより抜群に素晴らしい。美しい。

このライブを実現するために、企業(hi-ho)にスポンサーをお願いしたり、地元・北海道新聞に取材記事をお願いして、広く「再現ライブやります」とPRさせていただきました。

おかげ様で満員御礼、大成功となったわけです。

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しかし後日、やっぱり「知っていれば行きたっかたなぁ」という声も多々あり、PR不足等の反省点はありました。当時のLIVE Surrは、30名強で満席、そういう意味で贅沢で貴重なライブにしてしまったのです。

おそらく同年代で聞きたいと思ってる人は他に沢山いるはずなんです。

そんな声の中にも、宮野さんの衝撃的なデビュー・アルバム「マンハッタン・スカイライン」も聞きたいという意見も頂戴してました(実はこの日、2曲程度演奏していたのです)

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30年間封印していた名演奏のライブ、実はこの10月に再度機会があります。

その名も「スカイライン 2014」

フライヤーも当時のジャケットをそのまま使わせて頂いてますので、一見してわかるかと思います。

宮野さん、30年前の再演は殆どやらないそうですので、この10月3日のライブが再演を聞ける最後のチャンスかもしれません。

このような貴重なライブを、北海道・札幌にて行えることを大変誇りに思います。

 

 

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