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道民のための 「金融リテラシー向上講座」

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『金融全般』カテゴリーの投稿一覧

金融全般⑫:「金融市場は無関係だと思ってると損をしますよ」

こんにちは。浜本です。

金融全般の第12回目は、「金融市場は無関係だと思ってると後悔しますよ」と題して、
書かせていただきたいと思います。

多くの投資経験のない方とお話をしておりますと、よくこういうお話を聞きます。

「市場がどうなっていようが、投資してるわけじゃないから、私には関係ない」

「アベノミクスだとみんな騒いでいるけど、私には関係ない」

というような感じです。

このお言葉は、正しいようであり、正しくないとも思えます。

しかし、答えはNoです。

私たちは、この資本主義社会で生きている限りは、「マーケットの影響を受けながら」
生活しているのです。

ぴんと来ない人のために、お話しましょう。

この世の多くのモノは、市場経済にて価格付けが決まります。

それは、原材料価格の高騰や、金利の変動、成長率の変化など、さまざまな要因に
より、モノの価格が変動してまいります。

それは、例えば以下の事例のようにダイレクトに皆さんの家計を直撃します。

●円安になったら、輸入製品の価格が上昇した
 →輸入製品の価格が同じでも、同じ金額の円で買えるドル建て商品の量は減ってしまう。

●原油価格が下がったので、数週間後に近所のガソリンスタンドが安くなった。

●原油価格が上昇したので、数か月後に電気料金が値上げされた。

●円高になったので、海外旅行に行きやすくなったり、外国で買い物をするとお得になる。

以上のような体験は誰でもおありなのではないでしょうか?

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私たちの現在の生活は、金融市場の動きによって、多くのモノやサービスが価格変動を余儀なく
され、そのつながりを知っておくと賢く生きられる可能性が広がります。

・原油価格が下がってるから、ガソリンを入れるなら、もう少し待って下がってから給油しよう。

・安いからと買ってた輸入食材について、円安になることによって内容が同じにもかかわらず、
 高価なものになるので、安いうちに買っておこう。

といった具合です。

以上のように、商品やサービス自身の質の変化ではなく、単なる金融市場での価格が変動することによって
モノの値段が大きく影響を受け変わってしまいます。

それらの価格の流れは、マーケットを多角的に見ることで、判断することが可能です。

ですから、金融市場の知識を付けることによって、社会生活の中で関わるモノやサービスの価格が
想定できるようになり、事業戦略から家計のやりくりまで、賢いお金のやりくりができるように
なってくるのです。

投資をしていないから金融市場の動きが関係ないのではなく、誰にでも関係ある事が
お分かりいただけましたでしょうか?

金融市場の動きがわかることによって、皆様の使えるお金の量が、実質的にもう少し増やせる
可能性が高いと言えると思います。

すべての皆様に金融システムの仕組みを知っていただき、賢いマネーライフを送っていただけれ
ば幸いです。

浜本学泰 

金融全般⑪:「あなたのお金は目減りしてます」

こんにちは。浜本です。

しばらく、金融全般の記事を書けておりませんでした。

さて、11回目は「あなたのお金は目減りしてます」と題して書いてまいります。

いきなり「えぇぇぇ!!!」と思われたかもしれませんが、これが現実です。

どういうことかと言いますと、それは「インフレ率」というものが関係します。

言い換えると「物価上昇率」と言います。

基本的に経済が成長していくと、その国のモノやサービスの価値が上昇して、
価格が上昇していくということです。

不動産や、消費財に至るまで、価格が上昇します。

経済学的にいえば、物価が上昇していることが、経済が成長している証拠
であると考えます。

日本は長い間、インフレ(物価上昇)ではなく、デフレ(物価下落)の状況
が20年ほど続いており、「失われた20年」などと言われております。

しかし、アベノミクスによる経済政策を見ておりますと、お金の量を増やし、
明確なインフレターゲット(物価上昇率の目標)を掲げております。

経済成長していなくても、お金の量が増えると、お金の価値が下がるので、
相対的にモノの値段が上がり、物価が上がったように感じるのです。

現在、日銀が目標にしておりますインフレ率は、「2%」です。

つまり、日銀と政府は、「物価上昇率2%を目指して動いている」ということ
です。

その為には、お金も刷りますし、様々な政策をとってくるということです。

いろいろなモノやサービスの価格が年率2%ずつ上がっていくのを目指して
いるのです。

今年、10,000円なものが、来年は10,200円になり、再来年は、10,404円に
なるのです。

一方、皆さんのお金を普通の方のように銀行に預けていたらどうなりますか?

以下のリンクで、現在の定期預金の金利比較表をご覧ください。

http://www.woman110.com/200807/

一番高い銀行でも0.300%です。

ということは、お金を寝かせておいたら、どんなに良くても、今年の10,000円は
来年は10,030円にしかならないのです。

しかも、金利で増えた30円には20%の税金がかかるので、受け取れる金利は、

30円×0.8=24円

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ということになり、今年の10,000円は10,024円にしかなりません。

銀行に入れず、タンス預金にしておけば、10,000円は10,000円のままです。

今までは、「デフレ(物価下落)」の時代でしたから、お金は減らさないで
おけば、価値は守られるどころか、かえって相対的な価値は上昇していたの
ですが、日銀や政府がインフレ目標に切り替えた時から、

「お金は置いておいたら目減りしていく時代になった」

ということなのです。

金融商品には、物価上昇や経済成長と連動して成長していくものがあります
ので、一部そういう風にしていくということが必要になります。

お金を減らしたくなかったらですが。。。。

また、お給料や収入が、年率2%以上増えている人は、相対的には使えるお金
は増えていくと思いますので、お金は寝かせておいてもよいのかもしれません
が、トータルの収入は増えても置いておくお金はどんどん目減りしていくのに
は変わりありません。

日本の多くの皆様は、お金に対して頭を切り替える必要がある時代が来ました。

お勉強をする必要に迫られていることに気付いた人から、お金に翻弄されない
生活を手に入れられることでしょう。

金融全般⑩:「金融取引は博打なのか」

こんにちは。浜本です。

金融全般の第10回目は、「金融取引は博打なのか」というタイトルで書いてまいりたいと思います。

以前より、よく株式投資の話をしたり、FXの話をしていると、

「そんな博打みたいなもの、私には関係ないよ」

「博打はやっちゃいけないって、親から言われているから」

などと言われます。

金融取引、例えば、株式投資やFX、不動産投資など、投資というものは博打なのでしょうか?

私はそうは思っておりません。

なぜなら、博打というのは、「イチかバチか」というところがあるから博打なのだと思います。

証券会社にいる時に、ある先輩が私にこう言いました。

「良いか。勉強したり研究したり経験を積むことによって、期待収益率の高まるものは博打とは言わない。」

その方は、競馬の分析をして、的中させるのが上手な方でした。

ですから、その方にとっては、「競馬も投資であり博打ではない」ということなのだそうです。

その言葉自体は、自分が競馬をやっていることを正当化するものであったと思いますが、私は、その言葉は正しいと感じていました。

研究や分析、または経験を積むことによって、期待収益率が上がるもの。つまり、勝率が高くなったり、利益幅が大きくなったりする。

それは、期待収益率を高めていくことが出来、勝率や期待されるリターンが十分に高まれば、れっきとした投資として呼んでもよいものではないかと思います。

金融取引(株式投資、FX投資、債券投資、日経平均先物オプション取引など)や不動産投資などは、まさに経験値や知識などが活きる分野ですので、完全なる「投資」と言えます。

一般的には「博打」とされている競馬や、競艇、競輪なども、実は「投資」と呼べる範疇なのではないかと思ったりします。

宝くじなどは、自分の努力などではどうしようもない世界なので、そこは、博打と呼んだら良いのかなと思います。

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ということで、いろんなものの定義が変わる可能性もありますが、ことに金融取引に限定して考えたら、金融取引は博打などでは全くないということがご理解いただけるのではないでしょうか?

しかし、日本人のようにほとんど金融の知識を持たない人にとっては、これまで「投資は博打である」と感じたとしても仕方がない環境だったとも言えます

ですから、多くの人たちに「金融取引の知識」をつけていただき、「金融リテラシーを高める」ことによって、金融取引を文字通り、高い期待収益率が見込める「投資」に変貌させ、自らの役に立つ存在に変えていくことが大事なのではないでしょうか?

多くの方の人生を潤うようにする「投資」が身近なものとなりますように。

一人でも多くの方々に投資の魅力と、簡単であるということをお伝えしてまいりたいと思います。

浜本学泰

金融全般⑨:「お金に働いてもらうということ」

こんにちは。浜本です。

金融全般の第9回は「お金に働いてもらうということ」と題して、書いてまいります。

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プライベートバンカー時代に、大金持ちの方々とお話をさせていただいておりますと、多くの方が同じことをおっしゃいます。

「私は、私のお金に働いてもらってるんだよ」

普通の人たちからはあまり聞かない言葉なのですが、富裕層の方々からはよく聞く言葉なのです。

私たちは、

「働いてお金をもらう」

のが普通だと思っているのですが、お金持ちはそうではありません。

「お金に働いてもらう」のだそうです。

それは、つまり自らの大事な資産である「お金」を「うまく投資する」ことによって、「お金さんに仲間を呼んでもらって増やしてもらう」という感覚なのかなと思います。

とにかく、お金持ちほど、お金を増やそうということよりも、資産を守る、うまく活用するということへの努力はされていらっしゃるのを感じます。

では、「お金に働いてもらう」とはどういうことなのか?

第8回のブログでも書かせていただきました通り、投資の原理原則というものがありますので、「成長している分野」に自らの大切なお金を参加させるので
す。

自分自身の分身として、エネルギーである「自分の大切なお金」を、その成長市場で頑張ってもらいに旅に出すのです。

そうすると、お金はその成長市場で、成長企業の株式となったり、商品になったり、その地域の通貨となったりして、その地域や企業の成長のエネルギーを受けて、自分自身を成長させます。

本当は投資家である私たちが成長市場に乗り込んでいって、そこで事業をするなり、仕事を始めるなりすることで、得られる活気のある市場での成長を、自分の分身である「お金」は、代わりに享受してくれて、自らを成長させて帰ってきてくれるのです。

自分自身で出来ることなど限られます。

多くの成長分野に首を突っ込むことは、物理的にできません。

しかし、そういう分野を見つけたならば、自らの分身である「お金」に、そこでの頑張りを託するのです。

それで、「成長して帰ってきてくれる」ことを期待するのです。

もちろん、失敗に終わることもあるけれど、自分自身が乗り込んでいって失敗するよりは軽微な影響で終わることの方が多いです。

つまり、「お金」は、自らの成長の機会を代わりに担ってくれており、「お金の成長」という成果によって、その成長の機会を享受して帰ってきてくれるものなのです。

これが、お金持ちの方々が、「お金に働いてもらっている」とおっしゃる背景であり、私たちがあまり持ちえぬ感覚です。

「お金に働いてもらう」ことに、金額の大小はあまり関係ありません。

確かに、金額が大きい人の方が、より多くの機会に恵まれることは、間違いありません。

しかし、誰にでも、アンテナを高くさえしておけば、投資する機会に恵まれるはずです。

ポイントは、「お金に働いてもらう」という感覚をもって、そのチャンスが来た時に気付けるかどうか、ということいかかっていると思います。

常日頃からの意識が、結果として大きな成果の違いに結びついていくのです。

皆さんも、「お金に働いてもらうこと」を意識して、日々過ごされてみてはいかがでしょうか?

浜本学泰

金融全般⑧:「世界情勢と金融市場は連動する」

こんにちは。

浜本です。

金融全般の第8回目は、「世界情勢と金融市場は連動する」と題して、投資をする際の基本的な考え方について、お話ししてまいりたいと思います。

「投資は難しい」
「投資はたくさんの知識がないとだめ」
「投資は専門の教育を受けないとだめ」

という風な思い込みが世間では聞かれます。

しかし、投資とはそれほど難しく考える必要はなく、経済というものは、皆さんが認識している社会情勢を反映しておりますので、それと投資商品を結び付けるだけでよいのです。

あとは、社会情勢と金融市場がどう連動しているかを知れば良いだけですね。

金融市場の原理原則は大まかにいうと以下の通りです。

  1. お金は、成長するところに集まる。
  2. お金が集まると、景気が良くなる。
  3. 景気が良くなると、物の価値が高まる、金利は上がる。
  4. 物の価値が高まる時は株価や商品の価格が上昇、金利が上がると債券の価値は下落。


 

以上のようになっています。

 

Growth

ということは、日本国内や世界中を見ていて、成長しているところ、もしくは、成長しそうなところを見つければよいのです。

もちろん、情報リソースは、新聞やテレビなどのニュース程度で十分です。

 

成長と言っても色々とあります。産業の成長、人口の成長などなど。

基本的には、業績の成長と、人口の成長を追えば十分かと思います。

 

ある会社、ある産業の業績がとっても伸びている。

ある地域、ある国の人口やGDPがすごく伸びている。

人口が伸びると人々は、●●を使うようになるから、●●の消費が伸びている。

 

 

こういうことは、一般の方でも少し意識すれば理解できる情報です。

投資は、一瞬の判断で勝負が決まるものばかりではありません。

その先に、自分の大切なお金を「応援に行かせる」という意識でよいのです。

 

そうすると、その「伸びている環境で、自らの大切なお金も、周囲と同じように成長してくれる」ようになります。

そして、ころ合いを見て、自分の大切なお金に、帰還命令を出せばよいのです。

 

投資とはシンプルにいえば、こういうものです。

 

世界に目を向けていけば、人口が増加している地域は一目瞭然ですね?

国内に目を向ければ、業績の良い会社、人材の採用数が伸びている会社など、伸びているところは見つけられますね。

 

また、逆も真なりです。

 

衰退していくところには、前述のメカニズムの逆が働きます。

衰退の場合は、行くところまで行くと、「破たん」や「崩壊」、「倒産」という結末を迎えるものがあるので、更なる注意が必要になります。

 

投資の世界は難しいと思い込んでいらっしゃる方は多いのですが、おおざっぱにいえば、このような考え方を持っていれば、投資はうまくできるのです。

 

投資を遠い難しいものだという概念を振り払い、なじみやすいものだととらえていただけるようになると幸いです。

 

 

浜本学泰

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