札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

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円山ズー ~オカンとボクと、時々キロル~

ある日のプールにて。

前足でイコロの顎を持ち上げるララ。

「どうやって遊んでやろうかしら」

首の後ろをくわえて引きずり回しております。

キャーキャー。

イコロは楽しんでいる様子ですが、同時に恐怖も感じているような気が致します。
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このまま沈んでいきます。

一方その頃、キロルは立ち上がってお客さまに愛想を振りまいておりました。

ララの真似なんでしょうけど、ちょっと前足の使い方が違いますよ。
惜しい。
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キロルが女性のお客さまにキャーキャー言われている間、
イコロは何度もプールに沈められておりました。
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たまりかねて逃げ出したイコロ。(手前)
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まったりしたい気分。
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来た、来ましたよ、オカンが。
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イコロに逃げられ、キロルを追うララ。
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うまいことプールに追いつめました。
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白目。
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暴れるキロル。水面下にララがいて、水中に引きずり込もうとしています。
プールの淵を歩きつつ、それを眺めるイコロ。
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「まあ、がんばって」とばかりに通り過ぎて行きます。
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力が拮抗している兄弟と遊ぶのと違い、母との遊びは思うように身動きが取れません。
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ほうほうのていでプールを脱したキロル。
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つれない息子さんたちですね。
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ねー。
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今度はプールの中からイコロを遊びに誘います。
それは危ないからやめましょうよ。
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逃げられました。
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慌てて走るものだから、バランスを崩してしまって…
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プールに落下。
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親から逃げ出すとはどういう料簡なのか聞かせてもらいましょう。
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ヒィー
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ひとしきり激しくララと遊んだ後、プールサイドでくつろぐイコロ。
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ララが近づくと素早く逃げます。
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浮きで遊びたくて、つい自らプールに入ってしまいました。
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いころ~、後ろ、後ろー!
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キャー!

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このように、子供が母の首根っこをくわえる、というパターンも時折見られます。
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こんな風に日々は過ぎていきます。

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さっちゃんは14日で18歳になりました。


デナリ、ララ、さつきの誕生日は今月。
ツヨシ、ピリカ、イコロとキロル、ヒイズミの誕生日は12月中旬となっております。
ひとつどうでもいい名前が混じっていますね。
ララの子供たちと誕生日が近いことに運命だの縁だのは感じたりしないのですが、
ちょっと嬉しい。

転がる熊に苔は生えない

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なにひとつ思い煩うことなく子熊時代は過ぎていきます。
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なかなか格好良い腰つき。
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蓋を取るべく頑張っております。
足をそんなに踏ん張るよりも、飛び込んだほうが早いでしょうに。
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投げるのにも齧るのにも手頃な優れた玩具。
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割れた浮きを両前足に嵌めてご満悦。
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日課の相撲で足腰を鍛えます。
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プールに入るときは勢い良く。それが基本。
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タイヤ交換はお済みですか。
キロルに頼んだら喜んでやってくれるかもしれません。
夏タイヤも大喜びで預かってくれるでしょう。
タイヤの無事は保障しません。
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いつか捕らえてやろうという目。
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堀で遊んでひどく汚れたイコロ。
転がる熊に苔は生えないというけれど、苔みたいな汚れです。

ぼくの母さん


ある日のララとイコロ。

双子の気性の違いを表現しなければいけないことが時々あるので、見てきた光景を拡大解釈して、
便宜上イコロを自立心旺盛としていますが、彼も甘えるときは甘えるのです。




母さんの毛は幸せの匂いですか。


なぜ頭を噛むの。
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ひし。
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ぎゅう。
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一方その頃キロルはタイヤに心臓マッサージを施したり、ポリ容器の蓋を投げ飛ばしたりして、
激しく遊んでおりました。


今日は9日か。満一歳まであとちょうど一ヶ月ですね。

雪の日


昨日の午後のイコロです。

空から静かに降ってくる何かが気にかかる…

気にかかる…

こんな雪の日でも、厚い皮下脂肪のおかげでプールで楽しく過ごせるホッキョクグマ。
彼らを見ていると、「寒冷地で暮らしてるんだし、もう冬だし、私も脂肪蓄えてていいよねー」
という気持ちになってしまいます。
昔はガリガリだったのになあ。
どうしてこうなったのかなあ。


ここは通さん。

ここは通さん。
進路妨害すると母は引き返していったけれど、兄弟は悠然と通り過ぎて行きました。

母の飛び込み。

母を追って子も飛び込み。

母は大きいな。

立ち上がって何かを見ております。

ミーアキャットのようです。


キロルもイコロが気にかけている何かを見に来ました。


一家揃って気になる何かを鑑賞しております。

園内のメンテナンスの方でした。


対になったようなポーズをとるキロルとララ。

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立ち話。(嘘)

井戸端会議。(嘘)
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ご近所トラブルでレスリングに発展。(嘘)
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イタタタ
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さっちゃんも元気です。
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さて、ハイイロカンガルーの子が母のお腹の袋からしばしば顔をのぞかせております。
昨日やっとカメラに収めることができました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-242.html
プレスリリースと公式HP掲載時には写真が間に合わず、お客さまから写真をお借りしたのです。
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カンガルーの赤ちゃんがこの世に生を受けてから直面する試練を知ったときは、ちょっと衝撃的でした。
ご存知の方は多いと思うのですが、有袋類は胎盤を持たず、赤ちゃんは超未熟児で生まれてきます。
そして赤ちゃんは育児嚢(お腹の袋)までの長い道のりを自力で這っていくのです。
母親は赤ちゃんのたどる道を舐めておいて、毛を整え、道しるべになるよう匂いをつけるんだそうです。
子宮でじゅうぶんに大きくなってから生まれ出た身としては、「胎盤持とうよ…」と思ってしまいます。
有袋類にもメリットはあるのですが。
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正面より横顔のほうがキュート。

なんか降って来た




雪を初めて見るわけでもあるまいに、しきりに空を振り仰ぐイコロさん。
前足に乗った雪片を舐めてみたりして。



穢れた大人の私は「雪か。チッ、いまいましい」みたいな心境でしたが、
子熊たちが楽しそうだったので、雪も悪くないか、と思ってみることにしました。


白いものが降って来て、前足で融けたので「ナンダ、コレハ」と思ったのか否か。
雪のことお忘れですか?


もうすぐ満一歳です。
これが三頭で過ごす最後の冬になると思います。


ホッキョクグマは単独で生きる動物ですから、あんまり感傷的になっても仕方ありません。

野生でも必ずホッキョクグマの親子は離れ離れになるものです。
然るべきときに母親が子供を追い払います。
飼育下だとその「然るべきとき」の判断を母親に委ねられないので、
お別れのときにはどうしても可哀相な印象になってしまいます。
メディアも可哀相な感じに演出することが多いです。(すいません、ごめんなさい)

娘ならともかく、イコロとキロルはオスですから、母とずっと一緒にいたら近親交配します。
そういうものです、人間じゃないから。
ホッキョクグマが親子揃って過ごせる時間は有限です。
子熊は独り立ちするのが自然の摂理です。

動物園は「種の保存」というとても大きな役割を担っています。
希少な動物の施設間移動は繁殖のために欠かせません。
人気者のゴリラのゴンさんが京都市動物園に出張していたように。
時折「なんでゴリラがいないんだ」と怒られたりしましたが。

たった50頭しか日本にいないホッキョクグマです。
人気者だから、市民の皆さんに愛されているから、と手元に置いていたら、
うまくペアリングできず、そのうちみんな子供を残せずに亡くなっていきます。
このままイコキロが円山にいても、お嫁さんは現われないです。
彼らがずっとここにいて、二頭の若いメスが嫁入りして、子供を作ってくれたらいいなあ、
なんて空想したこともあるけれど、待っていてもお嫁さんは来ません。


イコキロのどちらか一方、または両方が海外に行って、
代わりに日本にいる個体とは全く異なる血筋の子を連れてくることは、
ホッキョクグマという種を絶やさないために必要なことです。
それに、どこの国でも女の子のホッキョクグマは少ないというけれど、
たぶんヨーロッパかロシアにいたほうがお嫁さんが見つかる可能性は高いです。
繁殖の難しいホッキョクグマの命を繋いでいくためには、国外の動物園との連携が欠かせないのです。
ひいてはそれがツヨシやピリカや国内のクマさんみんなのためになります。

寂しくないと言ったら嘘になりますが、私が寂しいかどうかは些細なことです。

なにをダラダラ書いているんでしょう。
なにが言いたいんだっけ。

えーと、そうです、親子の別れをそんなに悲しまないで下さい。
自然の摂理だから。

ただ、正直、ピリカの旅立ちのとき、野生下より別れがちょっと早い、と思ったこともあります。
ララとデナリの次の繁殖のため、という理由もあるけれど、
自然界では毎日ご飯が食べられませんので、子熊の栄養状態は飼育下より劣ることが多いですし、、
難しいアザラシ狩りなど、母親から学ばなくてはならないことも膨大にあるから、と聞いて納得しました。

どこに行っても、そばにいなくても、イコロとキロルはわたしたちの宝物です。
彼らが幸せであるように、次世代に命を繋いでいけるように、最善を尽くします。


と、なんかオフィシャルなコメントみたいに偉そうに書いておりますが、
これはそんなにオフィシャルなコメントではないので、何卒ご容赦下さい。

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