札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

『絶滅危惧種』タグの付いた投稿

サタデー・ナイト・フィーバー

土曜の夜だから、というだけで今日のタイトルを考えた経営管理課の樋泉です。
なにひとつフィーバーしていません。
フィーバーしたためしがありません。

26、27日はホッキョクグマの様子を見に行くことができませんでした。
ちょっとだけ忙しかったのです。

今日は若干の余裕があったので、午後から熊館に足を運びました。
梯子を登りかけたところで、寄附で頂いたイチゴの写真を撮って、と河西飼育員に呼び止められました。

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こちらがホッキョクグマ担当の河西飼育員です。

某朝の情報番組から河西飼育員へ生電話インタビューの依頼があり、写真がご入用とのことだったので急遽撮ったものです。
帰り際に捕獲して、防寒着を着てもらいました。
この日は彼にとって大変な一日で、テンションが非常に低く、「高島アナからのインタビューですよ、いいんですか」と再三言ったのにも関わらず笑ってくれませんでした。

動物の気持ちを非常に慮る男です。
デナリとララは素晴らしいペアですが、彼なくして繁殖成功は無かったものと思います。

話が逸れましたね。


福岡にお住まいの北坂さまからララ宛にいただいたイチゴです。
何箱もの「あまおう」です。
誠にありがとうございます。
今夕さっそくララにプレゼントしました。


さて、熊館の屋上に上がってみると双子たちは午睡の最中でした。


私の行く時間には概ね彼らは眠っています。
今日は13時30分頃に行きました。


ちびっこのお客さまがしきりに「起きてー」と叫んでいました。
寝たいときは寝かせてあげて。ゆっくり見ていたらそのうち目覚めるからさ。


目覚めたあとはレスリングです。








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追いかけっこもしておりました。
身体能力の向上が感じられます。


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お客さまがどよめいたのがこの時。
左の子が立ち上がって前足を挙げかけたのです。
ララの「食べ物ください」のポーズ↓を模したのでしょうか。
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まさかね。まだ幼すぎます。


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ひとしきり遊ぶと、空腹になった様子。

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母乳を飲んでご満悦。

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思わず他の仕事を放棄しかけた幸福な午後でした。


約50年前、ホッキョクグマは今とは別の形で絶滅の危機に晒されていました。
毛皮狙いの乱獲によるものです。

それからのちに狩猟が抑制され、1996年に彼らはIUCN(国際自然保護連動)のレッドリストから外されました。

その10年後に、気候変動による絶滅のおそれがあるとされ、ふたたびホッキョクグマはレッドリストに危急種として載ってしまいました。

動物園は希少動物の保護・繁殖の場でもあります。

双子を通して、そうした動物園の役割を知ってほしい、地球のことを考えてみてほしい、それがわたしたちの願いです。

長いあいさつ

このたび、当園で2008年12月9日に生まれたホッキョクグマの双子の成長日記を綴ることになりました、経営管理課経営係の樋泉と申します。

このようなお役目を仰せ付かり、当方、いささか緊張しております。
皆様が心待ちにしてくださっているホッキョクグマの双子さんの情報を発信するブログを私などが書いて、本当にすみません・・・

ホッキョクグマをこよなく愛しており、薄給を仕事用のカメラとレンズに使ってしまったバカモノですから、当ブログを書くには適任であるのかもしれません。どうだか。

さて、肝心要のホッキョクグマの双子の赤ちゃんは元気に成長しており、今月下旬にお披露目の予定ではありますが、まだサーモグラフィカメラおよび赤外線カメラでしかその姿を見ておりません。
担当の河西飼育員だけは母熊ララへの給餌のために熊館への立ち入りを再開しましたが、子熊たちのカラー写真はまだご用意できません。
画像なしで記事アップも心苦しいのでこれをどうぞ・・・


子熊はどちらも2005年12月生のピリカです。
つたない技術でピリカが浮きまくりではございますが、母と双子の様子を想像する一助としていただければ幸甚の極みです。

さて、当ブログでは、双子の成長の様子をお知らせするとともに、野生のホッキョクグマの置かれている状況や、飼育下の繁殖の難しさなども記していきたいと思っております。

手前味噌ではございますが、いかにこの双子さんが尊く、注目すべき存在であるか、少し書かせてください。
ホッキョクグマがお好きな方ならご存知のことばかりかもしれませんが・・・
日本でホッキョクグマの繁殖に成功したのはたったの6施設、19頭(うちの双子さん含まず)に過ぎません。

・旭川市旭山動物園 繁殖回数4回 5頭 (日本で初めての繁殖です)

・釧路市動物園 繁殖回数3回 4頭

・札幌市円山動物園 繁殖回数3回 3頭 (双子が無事に育って4回 5頭)
※ツヨシ・ピリカ以前にも1985年、ポールとシロというペアの間にオスのポロが誕生しています。彼は南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園へ転出しました。

・大阪市天王寺動物園 繁殖回数 4回 4頭

・別府ワンダーラクテンチ 繁殖回数 1回 2頭 (この子らがララと旭山のルル姉妹です)

・愛媛県とべ動物園 繁殖回数1回 1頭 (かの有名な人工哺育のピースちゃんです)

たったこれだけです。
これまで国内で生まれた子の数は150頭を越えるのですが、母熊が落ち着いて子供を育てられる環境を整えるのが難しく、大抵の場合は育児放棄により赤ちゃんが死んでしまうのです。
ララだって赤ちゃんを育てられなかったことが何度もありますが、21世紀を迎えてからというもの、国内で元気な子供をもうけてくれたのはデナリとララのペアだけなのです。
2003年のツヨシ、2005年のピリカ、そして今回の双子。
世界の動物園でも数頭しか赤ちゃんは成育しません。双子さんの同期(?)としてはデンマーク・オールボー動物園で1頭の赤ちゃんが元気に育っているようです。

IUCNが作成しているレッドリスト2006年版において、ホッキョクグマは絶滅危惧種(危急種)とされました。
それ以後、この美しくて勇猛な動物は地球温暖化の犠牲者のアイコンという形で注目を浴びることが多くなってしまいました。

双子さんにも環境悪化を訴えるメッセンジャーとしての役割を担っていただかなくてはなりません。
種を絶やさぬよう、これから先の繁殖をいつも視野に入れていかねばなりません。
ただただ可愛い、ということだけを語れたらどれほど良かったかわかりません。

深夜なので変なテンションになってきました。
次回からはこのカタくて気持ち悪い文章をどうにかします。
こんばんは、綾瀬はるかです、ちがうか!とか書けばよかったのでしょうか。
ふと思い出したのですが、先日、チェンバル語講座の人に似ている、と姉に言われました。
とにかく、今後とも宜しくお願い致します。

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