双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地
札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。
2010年01月 の投稿一覧
大人の階段を降りられない
Posted by hokkyoku on 2010年1月12日(火) 17:24
下で浮きをくわえているのがララ、そのそばにいるのがキロル、上がイコロです。
今日もまた、イコロは階段に対する恐怖を克服できませんでした。
母とキロルの姿は、さぞかし楽しげにイコロの目に映るのでしょう。
階段を降りることよりも、その体勢のほうがよほどおそろしいだろうに。
お客様も口々にそう仰っておりましたよ。
なんとなくキロルがニヤついたような悪い顔に見えてきます。
思い込みですね、ほんとうは優しい子です。
堀に落ちている玩具を上に運んで行き、イコロに渡したりもするのです。
単に飽きただけかもしれませんが。
おろおろした困り顔も好きですが、一緒にいられる時間は有限ですから、さっさと階段を降りて、
キロルと母との楽しいときを過ごしてもらいたいものです。
飼育員さんがツルハシで氷を砕いてくれたから、危なげなく降りられるでしょう、これなら。
私でも降りられそうです。いやどうかな・・・
イコロは階段を上ってくる母と兄弟をマメに迎えに行きます。
母の背に顎を乗せることが彼の喜びです。
キロルを迎えるにあたっては熱い接吻を。
君は新妻か?
結局数分でララもキロルも堀に戻ってしまいました。
ララに至っては上で排泄(両方)を済ませただけでした。
あまり鳴かなくなったイコロですが、このときばかりはヴォーヴォーと鳴いておりました。
ハードボイルド・キロル
Posted by hokkyoku on 2010年1月11日(月) 22:22
ホッキョクグマ屋外放飼場の階段の氷を、飼育担当者さんがツルハシで砕いたそうです。
これで急なスロープと化していた階段が元通りになりました。
では子熊たちの一日の過ごし方も随分と変わったことだろうと思いまして、
様子を見に行きたかったのですが、他にやらねばならないことが多々あり、
本日はやむなくデスクワークに専念しておりました。
(やむなく、とか言っちゃ駄目だろうが!)
けれども聞くところによると、せっかく階段昇降がたやすくなったというのに、
イコロは堀に降りることをまだ恐れているそうです。
なにが怖いのでしょうか。
もともとは勇敢な少年だっただけに、不思議です。
以下は先週の金曜の写真です。
ポリタンクの破片を咥え、階段をいざ登らんとするキロルです。
上に持っていくはずだった玩具は落としてしまったけれど、必死に登ります。
中腹で立ち往生するものの、諦めません。
イコロが少し遠巻きに見守っています。心配?
見下ろすイコロ、必死に登ってくるキロルが愛くるしいです。
ちなみにララさんはキロルの登攀の様子をあまり気に止めていませんでした。
せっかく上がってきたなら一緒に遊ぼうぜ、といわんばかりのイコロです。
オレに構うな、といわんばかりのキロルです。
キロルが反撃、イコロを組み敷きます。
キロルとのレスリングがよほど嬉しかったのか恍惚としたような顔になってしまったイコロ君。
ちょっとイコロ君?
こんな風に日々は過ぎていきます。
大人の女は浮きで器用に遊ぶ。
浮き仮面さつき。
急斜面
Posted by hokkyoku on 2010年1月7日(木) 23:30
ツルツルの階段もとい、スロープに挑むキロルです。
さすがにこれはちょっと怖い。
爪を立てながら滑り降りていきました。
どうか気をつけて。
降りたはいいが、上りにくい。
小休止。
「この程度の坂も上がれないのに滑り降りたのか、お前は」とハシブトガラスが言った。
「うるさい、お前の翼をよこせ」とキロルは答えた。
「お前は堀に下りられないのか、臆病者め」とハシブトガラスが言った。
「怪我をしないための知恵だよ」とイコロは答えた。
※このブログはフィクションです。実在の動物とは少々関係があります。
意味は全くありません。何これ。
ナヌークは極夜を行くよ
Posted by hokkyoku on 2010年1月7日(木) 23:16
北極圏の冬。
太陽が昇らず、薄闇や暗闇が続く季節です。
極夜のなか、ホッキョクグマはアザラシを求めて氷海の上を歩いて行きます。
たった1頭で、もしくは、1頭から3頭の子熊を連れて。
極夜のころは最もオーロラが美しくみえるといいます。
また、ブリザードの吹き荒れる季節でもあります。
オーロラが煌く空の下を進むホッキョクグマ。
ブリザードに耐えるホッキョクグマ。
冬になると時折想像する光景です。
次の冬も、その次の冬も、そうした光景が絶えることなく続いていくことを願っています。
ブリザードの中、親子はこんな風に身を寄せ合うのでしょうか。
あらヤダ、今日の文章いつにも増して気持ち悪っ!
ぴったり寄り添って眠るララとイコロとキロルです。
頭の向きを揃えたくなりませんか。
息子の後足に顔を挟まれてみる夢はどんな夢?
こうして3頭で眠る際、中央にいるのは大抵キロルです。
イコロも母に寄り添いたいだろうに・・・
偶然そういう配置を見ることが多いだけでしょうか。
いいえ、キロルはいつも一番快適なポジションを狙っている気がします。
先日、彼らの寝起きの姿が一番好きなことに気がつきました。
昔よく見かけた「アイドル寝起きドッキリ」のように無防備なぼんやりした感じがいいのかもしれません。
アイドル?
アイドルといえば、イコたんだのキロたんだの言って動物をアイドル扱いすることはイカン、
我ながら非常に遺憾である、としばしば思います。
動物園職員として、小職は、「可愛い」だけではない何かを伝える使命を担っているのであります。
その何かは、その動物が自然界で置かれている状況であったり、
知られざる生態であったり、力が強く恐ろしい面もあることであったりします。
よって私は、ブログを始める際に、愛くるしいとか可愛いとか決して書くまい、
そうした言葉を用いずにホッキョクグマの魅力を伝えよう、という誓いを密かに立てていました。
嘆かわしいことに、その誓いはすみやかに破られました。
いや、しかし。
生まれてしばらくのあいだ親の世話を必要とする生き物の子供は、
周囲の庇護欲をかきたてて生き延びるために、あえて可愛い姿形をしているものだといいます。
丸みのある体つき、つぶらな瞳とかね。
「キャー、可愛い」は体の内奥から沸き起こる本能的な感情なので致し方ないのでは。
そう思ってしまうのです。
個人的に哺乳類食肉目の子の可愛さときたら、もうね、
自分は霊長目に属しているというのにめろめろになります。
イヌ科、クマ科にめっぽう弱いです。
さて、キロルが最初に起きました。
さっそく堀に遊びに行くようです。
やっと母さんにしっかりと触れられるようになったイコロ。
ここぞとばかりにくっつきます。
いきすぎたイコロ。
欠伸をしながらほどけていく親子。
イコロはまだ甘えたい様子でございます。
ララの体に頭を寄せております。
それにしても成獣の欠伸は凄まじい。
甘えられるうちに、たくさん甘えてくださいな。
ひとり掘で遊ぶキロル。
さつきもひとりは至って平気。おそらくは。
熊初め
Posted by hokkyoku on 2010年1月4日(月) 21:57
本年も宜しくお願い致します。
私の仕事始めは2日だったのですが、デスクワークやイベントの準備をしているうちに
日がすとんと落ちてしまって、外に出る時間を作れませんでした。
今日が私の熊初めです。
変な川の字。
左:伸びをするララ 中央:欠伸をするキロル 右:熟睡イコロ
今日も今日とてイコさんは階段が怖くて堀に降りることができませんでした。
午睡から目覚めてすぐにキロルが下に降りて玩具で遊び始め、
ララがそれを追おうとしたところ、イコロは必死で母を止めました。
ひどく噛み付いて止めるものだから、しまいには怒られてしまいましたとさ。
頑張れイコさん。