札幌100マイル

こどもZOOからこんにちは!

こども動物園で日々奮闘するスタッフの飼育日誌的ブログ

『フレミッシュジャイアントウサギ』カテゴリーの投稿一覧

ダイダイ帰天・・・

 今日もシバレています。
 8時30分の気温はマイナス10度でした。
 


 ヒツジの水飲みは、アイスキャンドルになっています。
 




 今日は訃報をお伝えします。
 実は昨日、一度書いたのですが・・・、いったん削除していました。

 調子こいた文として、とらえないでほしいと思います。
 また、きれい事としても、伝わってほしくないと思っています。
 文章でお伝えするのは、難しいことですが、心の声を書きます。


 最近、ブログで配信していた、フレミッシュジャイアントの「ダイダイ:♂」ですが、
 昨日の朝、帰天いたしました。
 実は・・・、年末から特に体調が悪くなっていました。
 最後は同居している、ネザーランドの♀たちに囲まれて、
 いつも通りの寝ている姿でした。

 ダイダイは平成18年生まれ、兄弟は2年前に他界しており、
 その中では長生きだった個体。

 死亡の直接の原因は、化膿性肺炎でしたが、
 他の臓器も疾患があったとのこと・・・

 約2年前から、体調が安定せずに、目の治療などを含めて、
 獣医さんにお世話になっていました。

 長生きする動物の特徴は、年をとってもよく食べる個体。

 ダイダイも前日の夜、最後の見回りの時に、
 担当の神馬さんから、青菜などを給餌されると、
 寝ながら「ムシャムシャ」と食べていました。

 二人でその仕草を見て、ニヤニヤと。

 伝える立場の飼育員が大切にしている物の一つですが、
 飼育員が動物の心(ハート)を感じなくては、
 お客様には、動物の素晴らしさ・命の大切さは感じていただけないのでは、
 ということがあります。

 動物を良い状態で飼育すること!
 当たり前ですが、ぶれずにやり続けること。

 ダイダイを見て、なぜかニヤニヤしている皆様が、
 多かったのではと思います。 
 最後まで、ハート♡をおくってくれたのではと思っています。

 ダイダイは生後約1~5ヶ月まで、ふれあい動物として活躍。
 0.5~4.5歳までは、ウサギ・ニワトリ広場で、
 一昨年の12月からは干支展動物として、活躍してくれました。

 飼育員をしていて、特に大きな山があります。
 一つは、生まれた喜びから始まり、母親と二人三脚で、
 子供を無事に成長させること。
 成長の段階で、動物園動物として、馴致を継続することです。

 もう一つは、死です。
 生き物には、死ぬ権利があると思います。
 動物園動物を管理する立場で、その見極めを、
 一つ一つの事例で、毎日悩みます。

 死に向かっている動物に対して、決して溺愛しないこと(愛情は必須)。
 治療については、その都度、獣医師と打ち合わせをして、
 その時に一番適当な方法を実施します。

 ダイダイの注射も一本打つ時に、
 本当にこれで良いのか?
 一回様子を見て、少しでもストレスが軽減できないのか??
 今の飼育場で良いのか?などなど・・・
 悩んだ日々。。

 動物の最初と最後をたくさん経験することで、
 「飼育とはなんぞや」という世界が見えくると思います。
 新人飼育員たちには、たくさん経験をしてほしいと思っています。
 
 やはり、動物たちとは話すことはできません。
 本当に良かったのか?何が本当に悪かったなど・・・。

 飼育道は、何年やっても解りません。
 この職種であるかぎり、進むしかないと思っています。

20120113-03.JPG


 
       「いつも楽しい心のふるさと―札幌市円山動物園―」
 


 60年前から変わらずに、守り続けていた、諸先輩たちに続き、
 より良い動物園として、「我が町の誇れる動物園」として、
 持続ができればと思っています。


 明日も動物園では、たくさんの動物の生活があります。
 また、その中の数点は、体調不良により治療もあります。
 完璧な飼育、完璧な治療に、少しでも近づけるように、
 また、円山動物園がより良い動物園となるように、進む日々。

 
20120113-04.JPG

 「ウサギ牧場デビュー」:ダイダイ0.5歳ころ

pageTop