札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

2010年03月03日 の投稿一覧

きっとまた会える


一昨日、ベテラン飼育員さんが私にこの写真を見せてくれました。

1985年12月21日に当園で生まれた、オスのポロです。
(私は札幌生まれ札幌育ちなので、もしかするとこの子を見たことがあるのかもしれませんが、
幼児だったので全く記憶にありません)

円山動物園で最初に自然繁殖に成功した、記念すべき子。
両親はポールとシロといいます。
ちなみにポロは国内で無事に育った6頭目のホッキョクグマにあたります。
(それ以前の5頭は全て旭山動物園のユキが産んだ子です。ララの父はこの5頭のうちの1頭)

彼は海外の動物園へ転出しています。
(南アフリカ・ヨハネスブルク)



そして当園で再びホッキョクグマ(ツヨシ)が生まれるまで、18年もの歳月を要しています。
いえ、この表現は不正確ですね。
ポロとツヨシの間には、生まれてすぐに亡くなった子が6~7頭います。
母親が育てようとせず、命を落とした子供たち。


飼育下のホッキョクグマが育児をしてくれるか否かは、クマ自身の資質によるところもあるのでしょうが、
「子を産み育てるのに適した環境を人が提供すること」にかかっていると言っていいと思います。

繁殖期が終わり次第オスと別居させ、防音と遮光を徹底し、獣舎の観覧を止め、
また、野生下のように思うように雪を掘って産室を作れないかわりに、ウッドチップを大量に産室に入れて
少しでも穴を掘れるようにしたり、と飼育員の苦労と工夫は枚挙に暇がありません。


ツヨシ・ピリカ・イコロとキロルがこの世に生を受けて元気に育ったことは、
奇跡のように稀有な出来事に見えて、奇跡ではなくララと飼育員(とデナリ)の努力のたまものです。

あの子達が子供をもうけることなく亡くなっていくとしたら、こうした努力が水泡に帰してしまうことになるのです。

繁殖が全てとは言わないけれど、動物園には彼らの命を繋いでいく義務があります。



明日、ララのパートナーであるデナリが釧路市動物園から帰還します。
クルミちゃんとの交尾が確認され、無事任務完了となりました。
妊娠したか否かはまだまだわかりませんが、朗報を待っています。

デナリの到着は明日17時を予定しており、着いた頃には閉園してしまいますので、
作業の様子はほとんどご覧いただけないものと思います。
ご了承下さい。


彼が帰って来るからには、きっと来年の春には、また子熊に会えます。
担当飼育員のプレッシャーはいかばかりか。


眠るララ。

旦那が帰ってきますよ。

・・・日本一のペアとはいえ、実は繁殖期以外はとりたてて仲良くありません。
単独生活者はそんなものかな。


以下、一昨日のピリカです。

時々母に向かってか、ハフハフ、グルルと鳴いています。






この子、飼育員に対する反応がとても大きいです。
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野生からの大使であり、猛獣であるホッキョクグマとしてどうなのかと思うほど人懐こいですね。
こういう明るく愛嬌のある気性は父似でしょうか。
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リンゴをもらいました。
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立ち上がってララ直伝「なんか下さい」ポーズをしようとするものの、踊るような動きになってしまいます。
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立ち去る飼育員を目で追っています。


一昨日こんなウィズユーカードを手に入れました。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/216037_all.html
札幌市の地下鉄駅の券売機で購入することができます。
10万枚限定だそうです。


昨年11月に発売された動物園シリーズウィズユーカードは、先立つものがなくて
入手できなかったので、今回はお手ごろ価格で嬉しいです。


買ってしばらくボヘーっと見入ってしまいました。
この写真を撮ってから1年経っていないのに、すでに懐かしく感じられます。


※遠方にお住まいの方のために、ちょっと説明。ウィズユーカードとは、札幌市内の交通機関で利用できる乗車カードです。

誰?


この子は誰でしょうか。

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