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こども動物園で日々奮闘するスタッフの飼育日誌的ブログ

by zookids

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■ 岡部(ニワトリ・アヒル・ガチョウ・モルモット)

以上の5名で、「こども動物園ふれあいチーム」として活動しています!


投稿したブログ数:625件

オヤスミ、タロウ。

朝がすっかり涼しくなって参りましたね。
寒さで身も心も引き締まる筈が、しっかり風邪にやられてしまいましたねぇさんです今晩は。


本来であれば、もっと早くにここに書き込むべきお話でありましたが、担当外と言う事や色々と思う事がありまして、すっかり筆を執るのが遅くなりました。
(一応担当からは、書いてあげて下さいとの言葉を貰ったので)私なりに、『彼』の話を少しだけ。

実際に、『彼』とは担当という位置では側に居ることはありませんでしたが、今のこども動物園メンバーの中では、一番長い付き合いに気付けばなっていました。

『彼』が最前線で活躍していた当時は、係も違い、殆ど接点など無く。
ただ、こども動物園内の立役者としての『彼』の姿しか知りませんでした。
その愛くるしい相貌で来園した皆様を魅了し、また本来の能力を発揮し野生動物と人間との橋渡し的な役割を果たしていた『彼』
若かりし当時の『彼』の活躍を知らない者は、恐らくこの動物園内には居なかったでしょう。


その魅力は、当時の担当がデスクトップ画像として作成する位でした。

私がこども動物園に異動になってからも、密な付き合いこそなかったものの、ある時は共に過ごし、ある時は癒され。
小さいながらも、『彼』の存在がある事で、幾度となく学ばせて頂いたものです。

そんな『彼』も、寄る年波にはやはり敵わず。
年々、日に日に歳を重ね、更に小さくなっていく姿。
特に今年に入ってからは、どこか心の中で(いつまで居てくれる?どこまで頑張っていく?)とついつい考えてしまう事が、気付けば増えていた気がします。

老齢のせいで、すっかり艶の無くなってきた毛並み。
時々ふらり、とぶれる動き。
それでも日々を懸命に過ごしてきただろう『彼』



保護され、唯一生き残った『彼』は、その小さな内に孤独を抱え持っていた筈。
私達が癒せなかった『彼』の孤独は、でも、ちゃんと家族を迎える事で少し和らいでくれたと思うのは、人間の身勝手さでしょうか。

20130923-08.JPG
ハニーと『彼』と子供達と。

『彼』の最期の時を思い伺う事は、私達には恐らく出来ないと思います。
それでも。
『彼』を慕い、『彼』を愛し、『彼』の最期に涙してくれる方々が居る。
この事はちゃんと、『彼』に伝わっている事と、私は願い信じます。

変なジンクス(?)みたいなモノで、よく担当の居ない時に限って産まれたり旅立ったりというのがあるのですが。
『彼』の最期を見つけ、最期にその小さな身体を抱き締めたのが担当であった事も、『彼』にとって小さな喜びであったとも、思っています。


2013年9月17日。
9年間という長きにわたる生から、『彼』は空高く旅立ちました。

いち飼育員として、そして、いち人間として。
『彼』の与えてくれた、多くの喜びに感謝し。
そして。
『彼』ならば、こうやって旅立っていったのではないかという、切なる願いを込めて。


ありがとう、タロウ。
ゆっくり、おやすみ。



'お、今日は身体が軽いなぁ。
よし、久々に高く飛んでみるかぁ!!
'

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