双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地
札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。
2009年03月 の投稿一覧
今日の双子さん
Posted by hokkyoku on 2009年3月31日(火) 23:09
拙ブログをご覧いただきありがとうございます。
経営管理課の樋泉です。
平成20年度も終わりですね。
あっという間の一年間でした。
仕事のためにスタミナをつけよう、と日々思っていたら、いつの間にか脂肪がたくさんついていました。
嗚呼!
次年度も円山動物園を宜しくお願い致します。
書くべきことは多々あるけれど、とりあえず早く寝ないと!
今日もホッキョクグマたちは元気に過ごしていました。
双子と一緒にどんどん成長できますように!
ウルスス・マリティムスたち
Posted by hokkyoku on 2009年3月31日(火) 02:02
先日、「ブログを読んだイメージではもっと恐い方かと思っていました」と言われた樋泉です。
今日は違った印象を与える文章を書いてみようと思います。
ウルスス・マリティムス(Ursus maritimus)ってぃうのは、ホッキョクグマの本名、つまり学名です★
ウルススは熊、マリティムスは海に棲むってぃうイミで、これは彼らが北極海とともに生きてぃく動物であることを示してるんだと思います(*'▽'*)丿
流線型の抜群のスタイルで、泳ぎがとっても得意なんですょ♪
う、うわぁ。
もう止めます。恐くても構いません。
今のが記念すべき私の人生初の顔文字でした。
絵文字・顔文字が少々苦手です。
今日は、ではない、昨日30日は仕事が休みでしたが、少々気になる事もありましたし、なにより時間を気にせず心置きなく写真撮影をするために動物園に行くつもりでしたが、スタミナ切れを起したので体力の回復を図っておりました。
月曜の写真が無いので、残念なニュースや、日曜の元気な双子の様子などをお知らせします。
先日紹介したオランダ・レーネンの動物園で生まれたホッキョクグマの双子(2008年12月14日生)のうち、一頭が今月亡くなってしまったそうです。
双子公開のニュース
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2583299/3926742
一頭死亡のニュース
http://www.radionetherlands.nl/news/zijlijn/6224912/Polar-bear-cub-dies-at-animal-park
体の小さい方の子熊が亡くなったと伝えられています。
デンマーク・オールボーの動物園の赤ちゃん(2008年12月7日生)も誕生時は双子で、一頭は生まれてすぐに命を落としました。
http://www.web-tab.jp/article/5468/
これで世界の動物園で飼育されているホッキョクグマのうち、わかる範囲においては、双子の赤ちゃんは札幌のこの子たちだけになってしまいました。
(情報がなかなか入って来ないだけで、ロシアなどには居るかもしれません)
浅学なので間違っていたらすみません。
飼育下のホッキョクグマの赤ちゃんが自然繁殖で生き延びられるか否かは、概ね生後一週間以内に決する、という認識でいたので、このことは少なからずショックでした。
自然界では、大人のオスに襲われる、餓死してしまう、といった危険がありますが、動物園・水族館におけるホッキョクグマの子の死亡原因は、母熊による食殺・圧死・育児放棄などが非常に多いのです。
それらは生後すぐに起きることがほとんどで、オランダの双子は体格差が著しかったものの、3ヶ月も生き延びたのだから安心なのだと思っていました。
オランダのちびっこ「Swimmer」、よく頑張ったね。どうぞ安らかに。
野生では、円山の双子の同期にあたる赤ちゃんたちは、初めて巣穴から出て、母とともにワモンアザラシのいる氷海を目指すころでしょうか。
どのくらいの数の子が生き延びるのでしょう。
この子たちは健やかに、長生きしてくれますように。
29日(日)は5000人以上のお客さまがお越しくださいました。
これは3月の円山動物園としては、非常に多い入園者数です。
猛禽類のフリーフライトと鷹匠体験も盛況でした。
週末はホッキョクグマの赤ちゃんやコモドオオトカゲを一目見たい、というお客さまが大多数を占めていたのかもしれませんが、これをきっかけに、魅力的な動物たちが多々おり、体験メニューが豊富で、かつレストスペースが充実していてゆっくり過ごせる円山動物園のファンになっていただけたら幸いです。
熊館前はこの通り。
さて、ララの妊娠・子育て中にデナリとのペアリングを試みていたさつきですが、デナリの釧路行きが決まり、移送準備のために彼が居なくなったとたん、少し元気さを取り戻しました。
(デナリの移送の詳細についてはのちに公式HPに掲載します)
彼女にも出産はしてほしかったのですが、さつきがデナリを避けて堀でじっとしている姿は痛ましいものがありました。
ララとデナリですら発情期以外はあまり仲良く見えませんし、初めから繁殖が上手くいっていたわけでもないので、時間を掛ければなんとかなるかも、と思っていましたが、さつきは本当に嫌そうでした。
いい男なんですけどね、デナリ。
ずっとひとりで気楽に暮らしていたから、オスは恐ろしい、疎ましい存在でしかなかったのでしょうか。
動物と人間を重ねて考えるべきではないのですが、さつきには危うく共感しかけました。
あぁ、わかる、わかるよ、さつきちゃん。って・・・
様々な円山ツインズ
Posted by hokkyoku on 2009年3月28日(土) 21:42
すっぴんだと死体に見える樋泉です。
今日は記事が長くなるので2回に分けて更新しようと思った次第です。
楽しみにしてくださる方がいる限り、できるだけ頻繁に記事を書きますね。
トラックバックや、お客さまからの嬉しいお言葉で、日々励まされています。
励まされると同時に、とても恥ずかしくなってしまって、「エア彼氏」や「綾瀬はるか」といった記述を削除してしまおうかと本気で悩んだりもします。
円山動物園には、ホッキョクグマのみならず、ライオンや人間のツインズもおり、人気を博しています。
動物園にお越しの際は、さまざまなツインズをお楽しみください。
今日撮った写真の中でとりわけ好きなものをアップします。
何をおもう?
「元気出しなって。男なんていくらでもいるって」
猛獣のクセに。なんて可愛い顔。
これは知る人ぞ知る熊文字。
マルヤマのMを表しているそうです。
失礼しました。
サタデー・ナイト・フィーバー
Posted by hokkyoku on 2009年3月28日(土) 19:42
土曜の夜だから、というだけで今日のタイトルを考えた経営管理課の樋泉です。
なにひとつフィーバーしていません。
フィーバーしたためしがありません。
26、27日はホッキョクグマの様子を見に行くことができませんでした。
ちょっとだけ忙しかったのです。
今日は若干の余裕があったので、午後から熊館に足を運びました。
梯子を登りかけたところで、寄附で頂いたイチゴの写真を撮って、と河西飼育員に呼び止められました。
こちらがホッキョクグマ担当の河西飼育員です。
某朝の情報番組から河西飼育員へ生電話インタビューの依頼があり、写真がご入用とのことだったので急遽撮ったものです。
帰り際に捕獲して、防寒着を着てもらいました。
この日は彼にとって大変な一日で、テンションが非常に低く、「高島アナからのインタビューですよ、いいんですか」と再三言ったのにも関わらず笑ってくれませんでした。
動物の気持ちを非常に慮る男です。
デナリとララは素晴らしいペアですが、彼なくして繁殖成功は無かったものと思います。
話が逸れましたね。
福岡にお住まいの北坂さまからララ宛にいただいたイチゴです。
何箱もの「あまおう」です。
誠にありがとうございます。
今夕さっそくララにプレゼントしました。
さて、熊館の屋上に上がってみると双子たちは午睡の最中でした。
私の行く時間には概ね彼らは眠っています。
今日は13時30分頃に行きました。
ちびっこのお客さまがしきりに「起きてー」と叫んでいました。
寝たいときは寝かせてあげて。ゆっくり見ていたらそのうち目覚めるからさ。
目覚めたあとはレスリングです。
追いかけっこもしておりました。
身体能力の向上が感じられます。
お客さまがどよめいたのがこの時。
左の子が立ち上がって前足を挙げかけたのです。
ララの「食べ物ください」のポーズ↓を模したのでしょうか。
まさかね。まだ幼すぎます。
ひとしきり遊ぶと、空腹になった様子。
母乳を飲んでご満悦。
思わず他の仕事を放棄しかけた幸福な午後でした。
約50年前、ホッキョクグマは今とは別の形で絶滅の危機に晒されていました。
毛皮狙いの乱獲によるものです。
それからのちに狩猟が抑制され、1996年に彼らはIUCN(国際自然保護連動)のレッドリストから外されました。
その10年後に、気候変動による絶滅のおそれがあるとされ、ふたたびホッキョクグマはレッドリストに危急種として載ってしまいました。
動物園は希少動物の保護・繁殖の場でもあります。
双子を通して、そうした動物園の役割を知ってほしい、地球のことを考えてみてほしい、それがわたしたちの願いです。
実は大きかった双子さん
Posted by hokkyoku on 2009年3月26日(木) 20:41
3月24日(火)に実施した我らが円山ツインズの身体測定の結果を発表いたします。
上司からここに書いてよろしいとのお許しが出ました。
105日目の双子の体重・身長
A個体・体重17.2kg、体長72cm
B個体・体重17.2kg、体長75cm
A個体には右の耳の裏に、B個体には左の耳の裏に黒い印をつけたそうです。
(愛称がまだないのでこういう呼称をするのです)
24日の身体測定の時点では真っ黒だった耳の裏も、翌25日にはこんな風に灰色がかっているだけで、通常の汚れにしか見えませんでした。
参考
ツヨシ(2003年12月生) 102日目 体重13kg、体長67cm
ピリカ(2005年12月生) 103日目 体重16.8kg、体長75cm
はい、姉たちに比べて若干小さいような気がしていた双子ですが、実は大きかったです。
健やかな成長で、なによりです。
2頭いるためにツヨシ・ピリカに比べて発育が遅いのではないかという懸念があったのですが、杞憂でした。良かった良かった。
さて、A個体・B個体のどちらが活発な子で、どちらが少し臆病な子か、わかりますか。
明言しないのは、自信がないからです。
そのうち休みの日に動物園に来て穴があくほど観察してやるぜ。
午睡と遊び
Posted by hokkyoku on 2009年3月26日(木) 00:40
拙ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
経営管理課の樋泉です。現実逃避が特技です。
これを書き終えたら現実と向き合います。
私が無為に過ごしていた昨日、閉園後に双子の体重測定・体毛採取等が行われました。
ちょっと、いや、かなり悔しい。久々の休みでも、出勤すべきでした。
ホラー映画のDVDなんぞ観ている場合ではなかったです。
一時的にとはいえ、引き離されるララと双子にとっては恐怖の時間ですが、成育の状態を見たり、性別判定を行うためには止むを得ないことです。
地上最大の肉食動物、北極圏の王であるホッキョクグマ。
ちびっこでも、人間の意のままにはなりません。まして2頭です。
彼らの暴れる様子を面白がるつもりは毛頭ありませんが、どれほど子熊にパワーがあるのか、そばで見てみたかったのです。
体重等は後日改めてお伝えいたします。
今日は急いでやらなければいけない仕事が多々あったのですが、(今もあるのですが、)昼食後に熊館へダッシュ。
いいよね、ちょっとくらいなら机を離れてもいいよね、双子の成長を綴ることも仕事のうちだよね、と自分に言い訳しつつ、30分ほどララと双子の様子を見に行きました。
駆けつけてみると、昼寝タイム。
ちょうどララと双子が見える位置にお客さまが固まっています。
今日は動物園日和でしたね。
なんという寝顔。高いズームレンズを買った甲斐があるというものです。
口角が上がっている動物は人に愛されやすいといいますね。
イルカがその代表的な例でしょうか。
ツインズも口角が上がっております。
私も口角を上げて生きていくことにします。ニヤニヤ。ニヤリ。
幸福な午睡。
起きた!
寝転がったまま遊ぶツインズ。その顔、面白いよ。
子熊が複数頭いると体格差が生じて、小さい方が亡くなってしまう、ということもしばしばあるそうで、双子だとわかったときにそれを危惧していたのですが、彼らはほぼ同じからだつきですね。
それぞれの耳のうしろに識別のための黒い印をつけたと聞いたのですが、ほとんど消えかかっています。
今は堀の壁際にいたい気分なのですね。そんなところではお客さまが見づらい。
ファイティングポーズ。
走るときの足取りがまだぎこちないですね。途中で転んでしまいます。
ここで双子が死角に入ってしまって、私は大人しく事務所に戻りました。
さて、諸々の書類を作らねば。
日付変わってた・・・!
魁!北極熊塾
Posted by hokkyoku on 2009年3月24日(火) 16:28
この頃ずっと目が血走っている疲れ目の樋泉です。
昨日、「アゴは綾瀬はるかに勝ってる」と飼育員さんに言われました。
アゴ・・・
小学生のとき「帝都大戦」と上級生に呼ばれた悲しい記憶が蘇りました。
今後は円山の嶋田久作と呼んでください。
今日は久々の休みだったのでダラダラと過ごしました。
というわけで今日は双子を見ていないので、昨日の様子をお伝えいたします。
昨日は取材対応で、10時20分ごろにテレビ番組のスタッフの方をホッキョクグマ前にご案内。
昨日は平日で、はらはらと雪が降っていたにも関わらず、ツインズ目当てのお客さまが二十数人、柵の前にいらっしゃいました。
飼育展示課長のインタビューや双子の様子の収録を待つ間、手持ち無沙汰ぎみの私は写真を撮ることにしました。
お客さまが多くない平日は屋上に行かなくても写真を撮ることができます。
ちょうど授乳の時間でした。
野生下では生息環境の悪化のため餌を獲りにくくなり、母乳の出が悪いホッキョクグマが増えたとの報告がありますが、飼育下のララは問題ありません。
子供たちは順調に育っています。
10分ほどの授乳のあと、子供たちはララと遊び始めました。
こんな光景を見ていると、うっかり仕事を忘れそうになります。
主にララと遊んでいたのは目が大きめでテンションの高い子。Pだな?
体の汚れが少なくて目の小さい子(B)はララのそばで大人しく過ごしています。
前足で軽く遊んであげているララ。
子熊の足の裏が丸見えです。
ホッキョクグマの肉球は黒くて細め。半月型とでもいいましょうか。
足の裏の毛が多いので、防寒・滑り止めになります。
写真ではよくわからないですが、大人しい子は小枝のようなものを見つけたらしいです。ひとりで遊んでいます。
マイペースに小枝で遊ぶ子と、元気いっぱいにララと遊ぶ子。
顔ではっきりと識別する自信はまだないのですが、行動で見分けがつきますね。
昨日お客さまに聞いたのですが、カラスがそばに来た時には、一方はカラスを追い掛け、もう一方は怖がっていたそうです。
カラスを追ったのはP、怖がったのはBでしょうか。
しっかしPとBて可愛くない呼び名ですね・・・。
甘噛み。
このあとはスタッフ・リポーターのみなさんをエゾシカ・オオカミ舎、熱帯動物館などへご案内。
またね、ララと双子たち。
(この日の収録分はUHBの「えきニジ」で放送されます。3月25日(水)14:05~です)
さて、ホッキョクグマは4~6歳で性成熟(繁殖可能な年齢)を迎えます。
栄養状態によって左右されるので、飼育下では早めに成熟が訪れるようです。
双子が子供でいられる時間はあまり長くありません。
今はまだ性別もわからず、将来のことも決められない状態です。
希少動物で、繁殖が非常に難しいこともあり、この子たちのことは多くの動物園・水族館関係者が気に掛けていると思います。
先のことを考えず、母子で過ごす光景をのんびりと見られる時間は限られています。
だから、というわけではないのですが、まだ双子をご覧になっていない方は、お早めに動物園にお越しください。
明日からまた一週間、頑張ります。
スモウレスラー
Posted by hokkyoku on 2009年3月22日(日) 23:11
寝ても覚めてもPolar Bear。経営管理課の樋泉です。
今日は雨天のうえ、冷たい風が吹いていました。
天候のせいで昨日より格段にお客さまの足が遠のいたとはいえ、千石先生の講演会もあり、コンサートもあり、ツインズもいて、3月とは思えない賑やかな一日でした。
午後からララと双子の様子を見に行き、事務所へ戻る途中でレストハウスのトイレに立ち寄ると、髪がひどくボッサボサで血の気のない顔の女が鏡の中に・・・。
動物園て出るんですね。怖いわー。
私はホッキョクグマ撮影の際は、基本的に熊館の屋上に上ります。
俯瞰だとそんなにいい写真は撮れないのですが、動物を一番見やすいポジションはお客さまのためのもの。
屋上だったら誰の邪魔にもならないので、気楽なのです。
特にちびっこのお客さまにしっかり双子の姿を見てほしいと思っています。
ですから、髪を振り乱してカメラを構えた不気味な女が屋上にいても気にしないでください。
俯瞰で授乳を撮っても、なんだかよくわからん。
そう思っていると、一頭がこちらを見上げてきました。
なんかキモいのが見てる、と兄弟に耳打ちでもされたか、もう一頭も上を見上げます。
気になる?すまんね。
授乳のあとは昼寝だろうか、と思っていると、遊び始めました。
見合って見合って。
はっけよい。
行司は立ち去ってしまいました。
行司の母さんはいないけど、のこったのこった。
こうなるとどっちがどっちだかわかりません。こうなっていなくても、いまだはっきり見分けられないけども。
クリンチ。
一頭逃げる。もう一頭「まだまだ」とばかりに追う。
スモウレスリングはどうでもよくなったらしい。
雪の穴に入る遊びに移行。
こちらがよくはしゃぐ活発な子のようです。
とにかく頻繁にひっくり返るので汚れがち。(残雪はすっかり汚くなっています)
こっちが便宜上Pと呼ぶことにした方・・・だと思います。
仰向けになってひとりではしゃいでいる間にもう一頭が母乳を飲み始め、はたと気付いて鳴きながら駆け寄っていきました。
熊館から降りてお客さまの隙間から撮りました。
授乳の間、ツインズの体を舐めてあげているララ。
今日は手抜きです。お休みなさい。
円山ツインズ公開2日目
Posted by hokkyoku on 2009年3月21日(土) 18:57
アホの樋泉です。
私の自前のカメラのレンズ(バズーカ的な望遠レンズ)を見た飼育員さんが「アホだ・・・」とつぶやいたのです。
レンズのせいでカツカツです。
カッツカツやぞ!
さて、今日は3連休の真ん中で、昨日とは打って変わって気持ちの良い好天でしたから、動物園はたくさんのお客さまで賑わいました。
午前中はデスクワークに専念し、午後から熊館へ行ってみると、ホッキョクグマ展示場前には人垣ができていました。
ツインズ、大人気です。
動物園は、生物多様性の確保や、地球環境についてのメッセージの発信といった役割を担っています。
また、人々が癒される都会のオアシスを目指しています。
飼育下での繁殖が非常に難しく、野生下でも子グマの生存率が低くなっているとされるホッキョクグマの赤ちゃんは、そうした動物園の役割を象徴する存在といえます。
というわけで、ツインズと、それに象徴される動物園の役割・円山動物園の魅力を広く知らしめるため、私は写真撮影をしなくてはなりません。
写真は広報活動に不可欠なのです!
写真はお客さまがお土産に買われるポストカードなどになったりもするのです!
個体識別のためにも撮影の必要があるのです!
という言い訳のもと、私はホッキョクグマのもとへ日参しています。
13時ごろ、彼らはお昼寝中でした。
寄り添って眠っております。
寝顔。
しばらくして一頭が目覚めました。
一頭につられてみんなが起きだし、子供たちはレスリングを始めます。
楽しそうです。私も混ぜてほしいです。
が、たとえ赤ちゃんでもホッキョクグマはものすごくパワフル。
大人の男性でも彼らを捕まえたり、抱え上げたりすることは困難です。
私なんぞズタボロにされてしまいます。
まして彼らは人間には懐いていません。
その野性味がいいところ。
ちょっと顔立ちの違いが掴めてきた・・・気がします。
公開初日の双子たち。
Posted by hokkyoku on 2009年3月20日(金) 19:46
世はWBCに沸いていますね。野球がわからない樋泉です。
周囲が野球の話題で盛り上がっていると、なんともいえない寂寥感をおぼえます。
私も、「あの盗塁は凄かった!」「あれはバントにすべきだった」(テキトウ)とか言ってみたい。話に加わってみたい。
そう思って野球の試合を観てみても、なにがなんだかわかりません。
コミュニケーションのために野球を学んでみよう、と思ったことがあるのですが、球団のマスコットの名前をいくつか覚えただけにとどまりました。
カープは「スラィリー」とかスワローズは「つば九郎」とか、昨今ドアラが人気とか、覚えてもなんの役にも立ちません。
私は努力の方向性を頻繁に間違ってしまいます。
さて、地元球団のマスコットのモデルはヒグマ。
ヒグマとホッキョクグマは近縁種なので交配可能です。
地球温暖化によってヒグマが北上してホッキョクグマと交雑し、結果ホッキョクグマが淘汰されてしまうのでは!という話も時々聞きます。
絶滅危惧種に指定されてからというもの、ホッキョクグマは温暖化の犠牲者の象徴とされて、そうしたショッキングなニュースを耳にする機会も増えましたが、冷静にことの真偽を見極めたい、と思っています。
本日は双子の赤ちゃんの一般公開の日。
悪天候でしたが、たくさんのお客さまが来て下さいました。
遠方からお越しいただいた方も多いようです。
午前中は双子のうち一頭とララだけが外に出てきて、一頭は産室にこもりきりでした。
体調でも悪いのかと気をもみましたが、正午すぎにようやく出てきてくれて一安心。
あの子がなぜ長いことララと離れて産室に閉じこもって眠っていられたのか、ちょっと謎です。
双子が揃うと見ごたえも増します。
彼らのちょっとした仕草でどよめきがおこっていました。
私もギャアギャア騒いでしまいました。
ホッキョクグマの双子の赤ちゃんを見て平静を保つことはいささか難しいです。
この子たちは日に日に可愛さが増しています。
室内の掃除もできるようになりましたし、雪の上で転げるので、どんどん体の汚れが落ちていくようです。
↑ホッキョクグマの毛は透明で、空洞になっていますから、(陽光を遮らず、空洞に熱を蓄えられる北極に最適な毛の仕組みです)汚れが中に入ると落ちにくいことで知られています。
動物園で飼育されているホッキョクグマはしばしば緑や茶に染まってしまうのです。
ですから16日に↑この姿で出てきたときはさすがに心配になったのですが、汚れがたやすく落ちていくので安堵しました。
どんなに汚くたって、尊い命ですから、元気ならそれで一向に構わないんですけど・・・というのは建て前で、やはりふわふわの白い姿をお客さまに見ていただきたかったのです。というか私が見たかったのです。
双子最高!双子で良かった!
一頭でも無事に育ってくれれば鼻血が出るくらい嬉しいのですが、双子の姉のピリカは、ララにかまってもらえない時に仰向けになって後ろ足を齧る(下の画像+ピリカの思い出参照)痛々しい癖があったのです。
一緒に遊ぶ兄弟がいて良かった。
最近のデナリは「ララといるあのちっこいのはなんなのか」という思いでしょうか。
父親はいっさい子育てに関わりません。
大人のオスは子グマを捕食することがあります。
野生ではエサが豊富にあることは多くないですし、子連れのメスは発情しませんから。
繁殖期・子育て中以外は単独で過ごすことが普通なので、私の中ではホッキョクグマは孤高のイメージです。
ですが、大きな海棲哺乳類の死骸のある海岸など、エサがたくさんある場所では、ホッキョクグマが集まってレスリングに興じたりするそうです。
時には大人のオスが子グマと遊ぶこともあるとか。
その様子が書かれた本を持っています。写真集ですが、巻末にホッキョクグマの一年を追った記述があって、非常に面白いです。
※『ホッキョクグマの王国 福田俊司写真集』 文一総合出版
今日はこれにて失礼致します。