札幌100マイル

植物的時間@Maruyama Zoo

動物達だけじゃない円山動物園の魅力を紹介するブログ。

『動物園の森』カテゴリーの投稿一覧

森化論

今年度の森の散策タイムも10月で区切りをつけ、ホッとしたのもつかの間、
今日、「インタープリターのための進化論の基本;生物の解説に不可欠なとらえ方」と題した
森のボランティア講習会が行われた。1時間半、みっちりレクチャーいただき、先生ありがとうございました。森のガイドをする上で、特に自然選択についてちゃんとした理解が必要とのこと。高校の教科書に・・というお話が随所にでてきましたが、恥ずかしながらまったく記憶にない。これも一種のトレードオフ?と理解し、逃れることのできない自然選択に身をゆだね、老化という進化を素直に受け入れつつ、これからも楽しく生きていこうと思います・・・。
003縮小
さて、今、森の木々たちは、いらなくなった?葉を落とし、冬芽を美しく飾ります。
冬芽もさまざまな形や機能を持っており、その機能も環境に適応すべく、身を守り、春を待ち続けるのですね。
これらは園内から拝借した18種の枝。持ち帰って比較すると、その違いは歴然です。
これらの仕掛けもそれぞれが生き残りをかけ、時間をかけて身に着けた選択の結果なのでしょう。
冬芽

森の冬支度始まる

秋ですね。ここに住む生物たちも冬支度に大忙しです。
餌や脂肪を蓄えたり、新芽を寒さから守ったり、葉を落としたり。
葉が紅葉するのも、その一環で、緑の色素が役割を終え、紅や黄の色素が強くでる。
森を含め園にはいろんな紅葉の仕方をする木がある。そのひとつを紹介。

アズキナシ赤黄

これら2本ともアズキナシ(Sorbus alnifolia)というナナカマドの仲間。
一週間以上前の撮った写真。見てのとおり、樹形が整いやすく、扱いやすい木と言われている。
ほとんど同じ環境に育ったこの2本が、なんで違う色に見えるのか、不思議です。
右側は南側なので、日の光の影響を受けやすいのが原因か。ま、きれいだからいいかともいえないか・・・
で樹木の専門家に聞いてみると、「個体差」がそうさせているとのこと。
なので、どこで育てても、この色になることになる。来春挿し木かなんかで実験してみたい。

一方森は、カツラの黄葉の甘い香りに包まれています。満腹中枢も刺激してくれる、ここの森歩きはダイエットにもいいかも?
このキャラメル臭、マルトールという物質が原因らしい。落葉して、少し濡れた状態がベストです。なんで、落ちたら、におうのか、べたつくのか。
だれかの、冬支度のためなのか・・・こんな甘い香りに包まれながらの冬眠も悪くない。

075-B

今週は今年最後の森の散策です。10/25AMはお休みですが、多くのご参加をお待ちしております。

 

 

もりのしんちんたいしゃ

これ、こども動物園の前にあるシダレヤナギを腰の高さ位で切られた切り株。
前からずっと気になっていた。
記録をみるとちょうど2年前に倒したようだ。
おそらくこれも教育のためと前任者が残してくれたのだろう。
倒木更新の人工版。今後どのようにこの木が成長するのか、見守りたい。
056-B倒木更新
もともと芯が腐って、伐採を余儀なくされた木は、こうして新たな命の礎となった。オニグルミの種が発芽して、2年目の夏。この木は伐採する前から、だれかの礎となる準備をしていたことになる。動物が運んだのか、誰かが植えたのかはわからないが、人間の世界では考えにくい、自然の懐の深さには頭があがらない。

一方、「動物園の森」では、その自然バージョンを見ることができる。
017-B倒木更新019-B倒木更新
こうして自然界では、人の手が一切加わらない状況下で新陳代謝が行われている。ここでは、50年前の森に戻す計画で、数年前に園路をつくり、水がひかれた。今後もできるだけ手を加えずに、豊かな森が回復する手助けができればと思う。

9月も半ば、朝夕の寒暖差が森を彩ります。初秋の森でお待ちしております。002-Bトチの実

 

森の散策タイム vol.04

昨日に引き続き今日の散策も午前午後共大盛況でした。ご参加いただきありがとうございます。

1cmにも満たないオオムラサキの幼虫をはじめ、オオムラサキの雌の飛ぶ姿や池のカモの親子、杉の木でバトルするエゾリスなど観察することができ、大変満足いただけたのではと思います。

004-B オオムラサキの幼虫。2匹見つけました。そういえば、今年の6月にオオムラサキの観察を始めたのですが、鳥に襲われたのか、あれ以来姿を消してしまい、失敗に終わりました。今度こそ、越冬の様子や来年羽化するころまで観察を続けようと思います。

024-Bカモの親子。4、5年前に指し木した柳の木々が生い茂り、やっと落ち着ける場所になったのでしょう。ボランティアの方も初めて見たとのこと。そっと見守りたい。

草花には目立つものはありませんが、マムシ草などの種の様子など、観察するには良い季節です。カツラの甘い香りもし始めました。初秋ですしね、寒暖差も出てきました。秋の気配を感じます。

014-B マムシ草(サトイモ科、Arisaema serratum)の種の様子。やけに形状が不ぞろいです、何か理由がありそうです。鳥たちに食べやすくするためか、目立たせるためなのか・・・少し観察してみます。

 

森の散策タイム vol.03

子供たちの夏休み最後の週末、天候にも恵まれ、心地よい木漏れ日が森を包みます。午前中は、定員MAX15名のお客様にご参加いただきました。今年度初ですね。ありがとうございます。

003-B

これ、今朝見つけたシャクガの仲間。シロツバメシャクガですかね。図鑑によるとハイイヌガヤなどの針葉樹の葉を食しているようです。ハイイヌガヤは円山には多く自生しています。古く植林されたここの杉も大切な役割をしているのかもしれません。

045-B ツバメエダシャク

 

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