双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地
札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。
2009年12月 の投稿一覧
雪のベッド
Posted by hokkyoku on 2009年12月29日(火) 00:46
こちらは今月21日の写真です。
この時はまだ階段が急勾配のスロープと化しておらず、
イコロは自由に昇り降り出来ていました。
年の瀬ともなれば、野生下でも飼育下でも、大抵のホッキョクグマの妊婦さんは出産を終えて、
巣穴で小さな小さなわが子の面倒を見ている頃ですね。
去年の今頃の当園では、産室のマイクから聞こえる赤ちゃんの鳴き声に歓喜しつつ、
世界の熊館を閉鎖してララたちのために厳戒体勢を敷いておりました。
野生のホッキョクグマの妊婦さんは、場所をよく吟味して産室をつくるといいます。
風向きなどを鑑みて、あとで雪に埋もれるであろう場所を選ぶそうです。
産室は幾度もつくられては捨て去られ、本当に気に入った場所を見つけるまで、
メスたちは冬篭りの体勢に入らないのです。
当園ではララのための産室を3つほどの小さな部屋に分けてはおりますが、
それでも飼育下では選択の余地はほとんど無いようなものです。
ララに安心して出産・育児をしてもらうためには、人間が遮光と防音を徹底しなくてはいけません。
出産のための環境整備は難しく、かのララ様ですら、7回の出産のうち、
4回は赤ちゃんを亡くしてしまったほどです。
(環境整備が徹底できず、ララがストレスを感じてしまったための食殺と考えられています)
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/polar_bear.htm
担当飼育員による「繁殖と環境整備に関する発表」、上記ページに2本ありますので、ご一読ください。
イコロとキロルに日々会えることの喜びを噛み締めずにはいられなくなります。
年の瀬のホッキョクグマ
Posted by hokkyoku on 2009年12月28日(月) 22:12
今年も残すところ、あとわずかとなりました。
至らぬ点も多々あったかと思いますが、
拙ブログをご覧くださいまして、誠にありがとうございました。
来年も引き続きご笑覧頂き、ララとイコロとキロル、
そしてさつきや円山動物園のすべての動物たちを愛してくださいますよう、お願い申し上げます。
当園は29、30、31日とお休みを頂いたのち、元旦から開園致します。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-255.html
ホットドリンクサービス、足湯、イコキロルーム等、
今冬の当園は「あったかい動物園」をテーマに様々な企画をご用意しております。
お正月は北海道神宮と円山動物園の両方へ足を運んでいただけると幸いに存じます。
さて、休園こそすれども、動物たちの命を預かる動物園には、
仕事納めなどというものはございません。
けれども私は気楽な事務方の人間なので、昨日が一応の本年最後の出勤となりました。
30日のみ所用で動物園にいかなくてはいけないので、
ついでといってはなんですが、閉園時の動物たちの顔を見て参ろうと思っております。
(ほとんど独り占めのようなものですよ、羨ましいでしょう?フフフ)
昨日のララさん一家のご様子をお届け致します。
堀にて、雪と玩具にまみれて遊ぶキロルです。
相変らず堀に下りられずに苦悩するイコロです。
下にいる母と兄弟のもとに行きたい、寂しいという思いが顔にありありと浮かんでいます。
と書きましたが、クマのほんとの心は読めないけどね。
この日のイコロはつらくても鳴くのを我慢していたのです。
堀で楽しく過ごすララとキロル。
急勾配のスロープを降りようと試みるイコロです。
やはりスロープが怖くて、でも寂しくて、右往左往してしまう。
目が合いました。どういう心持なんでしょうか。
「オレはヘタレじゃないぞ、見んなコノヤロ」なんでしょうか。
「助けて、階段を元通りにして」でしょうか。
もどかしげに雪を引っ掻いたりなんかして。
とうとう堪りかねて鳴いてしまいました。
優しいララさんがすぐに堀から上がってきてくれました。
寂しかったね。
母の背に顎を乗せてご満悦でございます。
壊れた浮きを運んできたキロル。
すっかり夏季のイコロみたいな性格に変容しております。
甘えん坊だとか、不器用だとか言ってスマン。
キロルの持ってきた浮きで遊び始めるララとイコロ。
次々に遊び方が変わるので目が離せません。
ララがキロルを押さえ込んでいます。
イコロもやってきて二頭がかりでキロルを押さえ込んでおります。
この戯れに加わりたいな、という抱いてはいけない願望をつい抱いてしまいます。
下記リンク先にて人と接する野生のホッキョクグマの写真を見てしまったせいでしょうか。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51554659.html
食べ物を与えるのはどう考えてもよくないと思うのに、少しばかり和んでしまいました。
子連れのメスと接するって不思議な光景だなあ。
ホッキョクグマはこの地上で最大最強の肉食獣と称されることもありますが、
好戦的ではなく、気は優しくて聡い動物というイメージがあります。
ホッキョクグマ贔屓が過ぎて冷静さを欠いているのでしょうか、私は。たぶんそうです。
愉悦?
レスリングの始まり。
堀で座っているララ。息子たちが取っ組み合って遊んでいる間は一息つけます。
イコロが鳴くこともありません。
時々母さんの所在を確認します。
彼らがバラバラになった後、ホッキョクグマの双子の男の子が戯れる様を
こんな間近で見られる日は再び来るのでしょうか。
繁殖計画の都合で、女の子が生まれて来ることを願っていたし、今後もそれは変わりません。
けれども、オスの双子がこんな愉快なものだとは知りませんでした。
イコロとキロルに会えて本当に良かった。
キロルが傷だらけになってしまいました。
浅い傷ですから、すぐに治ります。
堀に下りたキロルがララとじゃれあっております。
羨ましそうに母と兄弟を見下ろすイコロ。
よいお年をお迎えください。
また年内に更新するつもりなんですけれども。
これが噂のイコキロルーム。
イコキロルームとは、スーパーハウスを二つ繋げた寒さをしのぐための場所です。
堀やプールに下りていなければクマの姿もここからご覧いただけます。
内部はこうなっております。
なかなか暖かいのですよ。
こ、このイラストは。
↓先日こんなニュースを目にしましたが、オスが子熊を襲うのは広く知られていることです。
(閲覧注意。この写真でショックを受ける方もいらっしゃると思います)
http://sankei.jp.msn.com/science/science/091210/scn0912101350002-n1.htm
アザラシ狩りは難しいもので、ホッキョクグマは空きっ腹でいることが多いですし、
子連れのメスは発情しませんから、オスが子熊を捕食することがあるのです。
共食いは今に始まったことではないので、これを読んだときはちょっとだけ首を傾げたくなりました。
いずれにせよ、環境に配慮すべきことには何ら変わりないのですが。
犬は喜び庭駆け回り
Posted by hokkyoku on 2009年12月26日(土) 01:21
熊はプールで昼寝する
冬のプールにおける一家団欒。
これ、地上からだとあまり見えないんですよね・・・
申し訳ないです。
わがままイコロ
Posted by hokkyoku on 2009年12月26日(土) 01:08
イコロ/ikorについて、『アイヌ語千歳方言辞典』(中川裕著・草風館刊)にはこう記されています。
「【名】宝物。物語中ではとくに刀を指す。 (中略)
現在エムシ emus と呼ばれているものも指しているようである。日常会話ではお金を指しても用いられる」
エムシとは太刀のことだそうです。
「イコロ」は語感と意味が良いので、姉の名に用いた「ピリカ」ほどではないにせよ、
時々目にすることのあるアイヌ語です。
苫小牧市には「イコロの森」のほか、「イコロコース」を有するゴルフ場があります。
イコロという名の漫画の登場人物もいるそうです。
太刀や宝刀を意味する名というのもなかなか格好いいものですね。
ですが、一昨日のイコロは刀の名を持つ男子にはとても見えませんでした。
どうしたことかいつもより振る舞いが幼く、ララにしきりに甘えておりました。
母に身を寄せております。
母について歩いております。
遊びも母を模しております。
あらやだ、可愛い。
幸せかい?幸せなのかい?
堀に降りようとするララを必死に止めるイコロ。
階段に雪が積もってきつい坂になっているのが怖いのか、
イコロは堀に降りることを嫌い、母をも引き止めておりました。
上でひとり遊びでもしていればよいものを、この日の彼は母親の近くにいたくてたまらなかったようなのです。
「どこへも行かないで」
一方キロルは、堀で玩具を駆使して熱心に遊んでいました。
ずっとイコロのことを勇敢で強い子だと思っていました。
一日30分程度しか見ていないので、わからないものですね・・・
一日中でも見ていられたら、と時折思うのですが、他の仕事があるのでもちろんそんな訳にはいきません。
という、子熊の気質を見分けられない言い訳でした。
結局堀へ降りてしまうララ。
排水溝の蓋等で遊びたいのか、キロルのことも気にかかるのか。
前者のような気が致します。
鳴いて母を呼び止めるイコロ。
そんな悲壮な顔をせんでも。
口裂けるよ。
あんまりひどく息子が鳴くので、ララはすぐに戻ってきました。
母がそばにいれば、安心してゴロゴロできるというものです。
吐息が白い。
キロルは一人熱心にタイヤに嵌ったポリ容器に救命措置を施しております。
またもララが堀に降りてしまいました。
「おかーーーさーーーーん」
必死の形相。
ちょっと可哀想なのですが、可笑しくなってしまいました。
そんなに身を乗り出すと落ちるよ。
凄まじい鳴き声でイコロに呼びかけられ、ララもすぐに戻らざるをえません。
キロルも上がってきました。
お腹が空いていたんですね。
「乳くれ」コール。
向かって左がイコロ、右がキロル、毛繕いされるのはキロルのみ、といういつもの授乳風景です。
キロルは早々に立ち去ります。
まだ乳が飲みたいとせがむイコロ。
もう出ませんて。
ま、そんな日もあるわな。
今日は「イコキロルーム」がオープンします。
飼育担当者が発案した簡易な休憩所で、暖をとりながらララとイコキロを見ることができます。
どうぞごゆっくり冬の動物園をお楽しみください。
クリスマスなのに、金曜なのに、夜中にブログ更新したよ、さっちゃん!
おまけに途中でPCが勝手に再起動してテキストが消えたからイチからやり直したよ、さっちゃん!
たいしたテキストじゃないけどキツいよ、さっちゃん!
気を取り直しまして・・・
さっぽろ白クマ赤ちゃん応援キャンペーンにご協力いただいた皆様、誠にありがとうございます。
http://sapporo.100miles.jp/cpn_pb/article/31
こんにちは!イコキロ
Posted by hokkyoku on 2009年12月22日(火) 12:52
本日19時30分からのNHK総合「こんにちは!動物の赤ちゃん2009」に当園の動物たちが出ます。
(イコキロとユキヒョウのヤマトとユッコ)
当日にお知らせしてしまって申し訳ありません。
また忘れてた・・・
イコロとキロルの雪中昼寝
Posted by hokkyoku on 2009年12月21日(月) 17:34
今日は久々にあどけない寝顔を堪能させて頂きました。
まことに眼福でございました。
上がイコロ、下がキロルです。
寝相が時折変わったり、欠伸をするさまを見るのが楽しく、
思い余って寝姿を500枚連写するという変態行為に及びました。
動画を撮るべきだと思うのですが、いつもビデオカメラを持っていくのを忘れてしまいます。
写真を小出しにして申し訳ありません。
比較的良いものを選んでいる最中です。
プールの水を抜いてから、ほんの数日で雪が積もって幸いでした。
体の汚れも取れやすいですし、クマたちも楽しそうです。
どっさり降りました
Posted by hokkyoku on 2009年12月21日(月) 12:32
イコロです。
雪の中だと魅力5割増です。
先ほど撮ったばかりの寝起き写真です。
こんなのをイヒヒ、ウへへと笑いながらたくさん撮りましたので、お楽しみに。
冬は楽し。
Posted by hokkyoku on 2009年12月19日(土) 02:31
寒冷地に棲む食肉目の動物が個人的に好きです。
ただの私見ですが、凛として美しい。
凍った獣舎の床を引っ掻いてみるキロルです。
体をこすり付けてみたりもします。
マタタビを与えられた猫のようだ。
しばし、ゴロゴロします。
凍結した床は気持ちいいものなのでしょうか。
ララも寝そべって平たくなります。
甘えるチャンス。
では、また。
冬に強い方々がここにも。