札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2011年09月 の投稿一覧

いざ、みちのく

トニーのことは本当に残念でなりません。

たくさんの子供を残したトニー、
霊長類研究者の方も、彼の業績は立派だとおっしゃっていました。
トニーの死を無駄にしないよう、努力します。





ここからは、東北報告。








動物園関係者が集まって、研究会。日本各地で様々度々行われております。

行ってまいりました、みちのくへ。まずは開催地盛岡。



台風。台風。台風。
増水。増水。増水。

天候の巡りあわせが悪いのは、何の因果か。
日頃の行いは悪くない、筈…。最早原因を前世に遡る他ございません。

研究会会場、盛岡市動物公園にて。



森の小道を抜けると現れる、大パノラマ。晴れてさえいれば、晴れてさえ…。



第2日目、杜の都仙台。



終日運休の赤字が、目に沁みる、胸に突き刺さる。

しかしながらこれだけの影響下、私の旅程に何一つ影響がなかったのは、
やはり日頃の行いによる僥倖か。



仙台市八木山動物公園にて。



シジュウカラガンがお出迎え。
ただのぽっちゃり水鳥と思うなかれ、彼らは非常に国際的。
彼らの親兄弟達は、ロシアで放たれ仙台に帰ってくるという
大業を成し遂げているのです。



第3日目、松島。



日の光を目にするのは幾日ぶりか。



マリンピア松島水族館へ。



私はクラゲになりたい。
そして貝殻の姉が欲しい。




牡蠣は厭だ。




ホヤも厭だ。


…決して、ぶらり東北センチメンタルジャーニー、というわけではございません。
以前2号氏がお伝えした通り、現在本園では獣舎設計の真っ最中にございます。
遠出の暁には、できうる限りの視察業務を旅程に捻じ込まれるのでございます。
今回も時代遅れのコンデジに鞭打ち、千を超える資料写真を撮影してございます。




…とは言いつつも牛タンは、大変美味しゅうございました。

勉強勉強。



>A山動物園獣医師 N村氏
1人じゃなかったよ。




先日、普段はあまり縁のない、学会なるものに出席して参りました。
そうは申しましても傍聴者としての参加、気楽なものでございます。
学生時代に労働力として雇われて以来でしたので、
かれこれ7,8年ぶりにございました。


ペットの診療から家畜の治療・管理まで、
幅広く興味深い研究発表が行われておりますれば、
日頃使うことのない脳髄が活動的となり、大変に刺激的でございました。


そのような学術鍛錬の場に、



同年齢同出身教室同業者の姿。期せずして顔には手ぶれモザイク。
私もいずれは発表者の立場で出席せねばと、痛感した次第にございます。




ここ数日、東北へ出張だと浮かれておりましたら、どうやら台風が接近中とのこと。
かつての雨男の嫌疑が晴れたと思った矢先、悪天候男の汚名を雪ぐこと能はず。
開き直って、嵐を呼ぶ男と嘯くことにいたしましょうか…。

秋、ですよね?

こんばんは。メガネの3番目です。

9月の北海道といえば、秋真っ盛りのはずですが、
中々涼しくなってくれません。




ゴーヤー イン セプテンバー。Do You Remenber?


この後は真面目な話。



長引く暑さが原因、というわけでもないのですが訃報が続いています。


長い時間手をかけて治療して、それでも逝ってしまう
マレーバクの円夏のような場合もあれば、

突然亡くなってしまう、シロフクロウの空のような場合もあります。





円夏は体が大きく、お世辞にも治療に協力的とは言えないため、
犬や猫であれば簡単にできるような検査・治療でも鎮静が必要であるなど、
大変な作業になります。
動物園動物の治療の難しさの一つです。



空は自身の体調の悪さを、全くと言っていいほど表に出さなかったようです。
野生動物は自身の不調を悟られることが死に直結しかねません。
そのため、動物園にいる動物達も、
体調不良が表面化した時点で既に手遅れであることがままあります。
このことも、治療を難しくする一因です。


残酷に思われるかもしれませんが、
死んだ動物は全て解剖して、死因を調べるようにしています。
解剖所見を確認していると様々な思いが去来します。
動物達の死を無駄にしないよう、
何らかの形で今後に生かさなければと強く感じます。


もっともっと勉強して経験積んで、できれば研究もして、
動物達のため、動物園のため、御役に立ちたい

と、常々考えているのですが、思い知るのは己の不甲斐無さばかり…。

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