札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2012年03月 の投稿一覧

速報 ホッキョクグマ同居

動物園ニュースでもお伝えしていたとおり、
本日の閉園後から、ホッキョクグマのデナリとララの同居をスタートしてございます。



ちなみに

右の茶色熊が、♂デナリ
左の白熊が、♀ララ。

オスとメスをお見合いさせる、と耳にしますと
微笑ましい、御目出度い、あやかりたい、等々とポジティブな印象がございますが、
動物園スタッフにとりまして、別々に生活させていた動物達を一緒にするのは、
実に緊張感溢れる行為なのでございます。

例え年頃のオスとメスであったとしても、
当事者同士の相性やコンディション、飼育環境等等の条件次第では
闘争やら逃走やらの果て、動物が怪我を負うことも十分にあり得ます。

そのような最悪の事態も想定いたしまして、
特に大型動物や肉食動物を同居させる場合、
獣医師が相応の準備を整えまして、担当者共々状況を見守るのでございます。

しかしながら今回に関しては、幸いなことに完全に杞憂に終わり、



放飼場を共にした直後から仲睦まじさ満開にございます。

これでもか

20120317-02.jpg

これでもかと



目のやり場に困惑してしまいかねない程、
久方振りの逢瀬を満喫している様子。

本当にこの2頭の相性の良さ、飼育員の常日頃の献身、円山動物園の環境は
かけがえのないものなのであると、しみじみ感じた次第にございます。

本日の観察中は惜しいところまでいったものの、



交尾には到りませんでした。

今後に期待したいしつつ、今宵はお仕舞いとさせていただきます。


春はまだか

だいぶ暖かくなってまいりましたが、
動物園は突然の吹雪に襲われたりしております。
皆様いかがお過ごしですか?
個人的には札幌ドームを中心に、熱い季節が到来しております。
どどんどどんどん。

旬を逸した感がございますが、アイラの引越についてレポートいたします。
メガネ1号氏が書く体でこちらのブログにて予告しておりますが、
ス○ムダ○クの第2部よりも続編が期待できませぬ故、
メガネのブログで紹介させていただきたく存じます。

さてさて、動物園の、動物園による、動物園のための動物移動につきものなのが
こちらの、



吹き矢。前々回の写真の数分後の様子にございます。
まさに吹き矢にて麻酔をかけている瞬間の一枚。
若干のダウトが混入しておりますが、皆様おわかりになりますか?



緊張する3メガネ獣医を尻目に、余裕の待機中メガネ非獣医。
不自然な頭部の出っ張りはなんだ。

吹き矢で麻酔をかけた後、



→身体検査



→→健康診断のための採血



→→→輸送檻収容



というのが動物麻酔&輸送の黄金パターンにございます。

こちらも恒例。



空飛ぶクマ。

体重はイコロ兄キロル兄よりも軽めでした。
なかなか体重測定ができないホッキョクグマのような危険かつ大型の動物では、
今回のような麻酔時の体重測定が非常に重要となります。
円山動物園はもちろんのこと、引っ越し先の動物園でも
麻酔や投薬等等の折に貴重な情報となるのです。

日々飼育動物に関するデータを収集するのも、動物園では必須のお仕事。



既に皆様ご存知ではありましょうが、
アイラ、無事におびひろ動物園に到着してございます。



兄のイコロ共々、元気に愛嬌をふりまきまくってもらいたいと、
切に願う次第でございます。

ようやく、いざ、四国

釧路のおもひでを語るうちに暦はすすみ
いつの間にやら弥生にございます。

既に先月のこととなりましたが、人生初の四国上陸を果たしてございます。



未知の土地への飛行機から奇怪な形の湖が。

火を噴く辰っぽくは見えませんか?
今更ながら干支展で取り上げてはもらえぬものか。

何故四国へ赴くこととなったかと申しますと、
高知県で動物園獣医師の勉強会が開催されたからでありまして、
決して忙しい最中、遊興に出かけたわけではございません。

降り立ったのは、高知リョウマエアポオト。



他にも



リョウマ



リョウマ



リョウマ



これは違う。

たくさんのリョウマさんがお出迎え。

決して決して物見遊山に耽っていたわけではございません。
勉強会では自らの見識を深めつつ、
日本各地の動物園獣医の方々と貴重な情報交換の時間を共有して参りました。
メエルなどでコミュニケイションを図ることはあれども、
顔を合わせて会話することは希有。げに有意義な一時でございました。

さて、遠出にかこつけまして、
スケジュウルにはみちみちと動物園訪問を詰め込んでおります。

1軒目、のいち動物公園にて



広々とした空間がとても気持ちのいい動物園にございました。



キリンの目線が!



のいちでお世話になった飼育員さんのご子息をぱちりと。完璧なるペアルック。
モルモットを抱いてご満悦の二人。動物園に子供の笑顔は欠かせません。
一緒に動物園を見学し、意気投合いたしました。

2軒目、わんぱーくこうちアニマルランド



規模は小さいながらも、飼育員さんたちの工夫が光る素敵な動物園。



今熱いのは、オオイタサンショウウオ。
何方に何と反論されたといたしましても、オオイタサンショウウオ。



そしてスマイル百点の現地の獣医師より、
炊飯ジャーの秘密の使い方を伝授されてございます。
いつか円山で、その秘技を披露できる日までは、私の胸の内に。
ちなみに、魔封○ではありません。

まだまだ、3軒目。桂浜水族館。
リョウマさんのお膝元、軽い気持ちで立ち寄りましたところ、



アカメや



リュウグウノツカイが私の歩みを遮ります。



優しく触れる骨格標本。太っ腹!


締めの4軒目、とべ動物園。



流石は愛媛。たわわに実る柑橘が私を誘います。



やはり最近のトピックとしては、アフリカゾウ。
担当の椎名さんともお話ができました。業界では有名人なので、少々緊張。



こちら、スター動物ピースさん。最早説明の必要もありますまい。

他にも他にもたくさんお見せしたい写真が山積しているのですが、
枚数が多過ぎて何をお見せしたらいいのやら、
自分でもわからなくなって参りました。
既にかなりの長編になっておりますれば、
またの機会に他の園館も含めて、色々とご紹介できればと考えております。

何とも何とも、見所多数、交流豊富、疲労蓄積、財政逼迫と
様々に彩られた四国行脚にございました。

いつの日か再び四国の地を踏むことを祈念いたしまして、
本日のブログの締めとさせていただきます。

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