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餌付けにまつわるエトセトラ
Posted by vetblog on 2013年12月27日(金) 22:12
先日動物園の外に出て、勉強してまいりました。
ワークショップ「野生動物への餌付けを考える」に参加。
色々と考えさせられます。
野生動物と人との距離が近くなると、色々と問題が出てきます。
ニュースでもよく取り上げられますが、知床ではクマと人の関係が大問題です。
人の食べ物の味を覚えたクマは、人の生活圏に近づいてきてしまいます。
本来野生動物と人はお互いに適切な距離を保って生活しているものです。
野生動物への餌やりは、その距離感を壊してしまうのです。
動物たちが人の生活圏に入ってしまった場合、人にとっても動物にとっても
悲劇のもとになります。
特にヒグマの場合、人に危害を与えかねないとなれば
駆除の対象になってしまいます。
直接の危害がないとしても
餌付けによって見えない場所で動物たちの自然な行動パターンを崩していたり、
動物同士の関係性を壊していることがあり得ます。
よほど特殊な状況でない限り、野生動物に餌を与えるべきではありません。
配布されていたストップ餌やりキャンディが素敵。
モグモグしながらムハムハ思索に耽ります。
動物園では本来野生に生きる動物たちが餌を食べている場面が見られます。
これは飼育下という特殊な状況であり、
動物たちが餌を食べる姿を通して、動物の形態・生態・習性に対して
理解を深めてもらう意図があるからです。
しかし、やり方次第では誤解を生じかねませんので
動物園スタッフがきちんと説明しなくてはいけませんね。
動物園職員の仕事の一つは、
野生動物と人の架け橋になることだと感じています。
ですから、野生動物との正しい関わりかたを発信していけるように
せっせと情報収集に勤しむのであります。
動物園の動物たちを通じて、
野生下での彼らの行動、彼らが本来住む地域の環境や生じている問題、
そのようなことが伝わる展示なりガイドなりができやしないかと、
日々悶々としております。
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