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動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2016年09月16日 の投稿一覧

レッサーパンダのココの皮膚症状について

レッサーパンダのココですが、2013年から陰部周辺の脱毛と皮膚炎を繰り返してきました。

これは、ココが陰部を床などにこすり付けることにより、陰部周辺に尿と便が付着し、そこに細菌感染が起こったことが原因であると考えられ、定期的に治療してきました。

その症状とは別に今年の春ごろから背部と脚部に脱毛が見られたため検査をしましたが、原因はわかりませんでした。8月後半には、繰り返してきた陰部周辺の脱毛と皮膚炎も見られるようになったため、麻酔下により入念な検査と治療を実施することにしました。

陰部の治療は通常通りに実施しましたが、脚部の皮膚検査の結果、ヒゼンダニの一種と思われる寄生虫が確認されました。

ヒゼンダニは疥癬症と呼ばれる皮膚病の原因となり、強いかゆみと皮膚炎をもたらします。ココの脱毛の一因も疥癬による皮膚炎だと考えらえるため、現在駆虫薬による治療中です。駆虫薬を繰り返し投与することで、ヒゼンダニは死滅するため、陰部以外の脱毛について疥癬が原因であれば、次第に皮膚症状も落ち着いてくると考え、経過を観察しているところです。

ココは現在1頭で飼育しており、他のレッサーパンダに感染する可能性は低いですが、獣舎の洗浄徹底と他個体の被毛状態チェックによる感染予防を実施しています。

なお、動物のヒゼンダニが人に感染することはまれで、感染経路は直接接触によるものですので、お客様へ影響が出ることはありません。

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