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Beautiful Sunday
Posted by vetblog on 2013年7月7日(日) 15:08
みなさん、こんにちわ。
今日は一日快晴の日曜日となり、多くの家族連れのお客様に来園していただきました。
それにしても、今日は本当に暑かったですね。天気予報では最高気温30℃でしたが、
炎天下の園内を歩いているとそれ以上に暑く感じてしまいました。
沖縄出身の3号さんは「これくらいの暑さでは汗も出ないですよ~」などと、
いつも涼しい顔をしておりますが
生粋の道産子の私は、30℃オーバーで歩き回っていると、
全身の汗腺から汗が噴き出して、汗だか涙だか鼻水だか何だかわからいぐらい、
ぐしょぐしょになってしまいます。
同じ人間ですらこれだけ暑さに対する耐性が違いますが、動物園の動物たちも暑さに対しては
いろいろ違った反応を示していますね。
カバやライオンなど熱帯に生息する動物たちにとっては過ごしやすい季節ですね
カバにとってはもっとも幸せな季節?
しかしユキヒョウやレッサーパンダ、ホッキョクグマなど寒冷地に生息する動物たちにとっては、
この暑さは、生命に影響を及ぼしかねない過酷な環境となります。
特にレッサーパンダは暑さに弱く、気温30℃を超えると死に至ることも珍しくありません。
そのためレッサーパンダは室温を24℃以下で飼育することが絶対条件となっており、
円山動物園の獣舎で冷房設備があるのは、ホッキョクグマでもペンギンでもなく、
このレッサーパンダ舎だけです。
ちなみに餌となる孟宗竹も本州からのお取り寄せ品を毎日食べてますので、
円山で一番ぜいたくな動物といえるかもしれませんね
ほかの動物はというと・・
シンリンオオカミ
こちらも暑さにはあまり強くない動物ですね・・
われわれ人間は体温が上昇すると、体温調節機能が働いて、
汗をかいて体温を下げますが、
オオカミは犬と同じく汗腺がありませんので、汗をかいて熱を下げることができません。
そのため、オオカミはパンティングと呼ばれる喘ぎ呼吸(犬が長い舌を口から出して
はぁはぁ言っている、あの呼吸法です)で体温調節をします。
ふだんは目をぎらぎらさせて走り回っているオオカミたちも・・・
今日はこんな感じで、近所の犬状態です・・
次にホッキョクグマですが・・・
ホッキョクグマは分厚い皮下脂肪を蓄えたり、体毛が空洞になっていて、
断熱材の役割をすることで体温を保持し、北極の寒さに耐えることができます。
北極に比べ暖かい札幌では、野生のホッキョクグマと同様の餌を与え続けると、
ぶくぶくと太って(野生では寒さ対策として必要ですが)暑い夏を乗り切ることができません。
そのため、肉食のホッキョクグマではありますが、夏場は魚や野菜を中心としたヘルシーな餌を与えることで、
皮下脂肪がつかないようにして暑さを乗り切れるようにしています。
また、冬場は寒さに耐えられるように餌の量を増やして皮下脂肪を蓄えさせます。
本日の双子さん
二頭で同時にダイビング!
息の合った動きを見せてくれました
さて、話は変わりましてサーバルのポッキーのお話です。
ポッキーは生年月日は不明ですが1994年に来園していますので、19歳以上の高齢のサーバルです。
19年間病気にかかることもなく、毛並は悪くなってきましたが、元気な姿を見せてくれていました。
先週あたりから食欲が落ちて、動きが悪くなったため、今週、麻酔下で検査を実施しました。
血液検査、エコー、レントゲンなど、可能な検査を実施しましたが、
事前に予想していました通り、慢性腎不全であることがわかりました。
ネコを飼育している方はよくご存じと思いますが
腎不全はネコ科動物では最も一般的な疾患で、
尿の生成、水や電解質等の濃度を調節する働きを持つ腎臓が諸々の原因により
障害を受け、ろ過機能が60%以下まで低下していく病気です。
今年死亡した雌のキキも死因は腎不全でしたが、
腎不全が分かった時にはすでに病状は進行しており
末期の腎不全のため、すぐに死亡してしまいました。
幸いポッキーは19歳の高齢ではありますが、
キキの時よりも軽度の腎不全のため、
今後は投薬と食事療法を続けて、少しでも長生きできるよう、ケアしていきたいと思っています。
みなさまも、温かく見守っていただければと思います。
最後に、
こどもZOOのドサンコの森で今年生まれたエゾリスとエゾモモンガの子供が
巣穴から徐々に出てくるようになりました・・・
明日から、一日に1~2時間程度、ドサンコの森の展示を再開しますので、
運が良ければ、かわいい姿を見ることができるかもしれません。
なお、まだまだ、環境に慣れておりませんので展示時間は不定となってますので、
ご了承ください。