札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

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春はまだか

だいぶ暖かくなってまいりましたが、
動物園は突然の吹雪に襲われたりしております。
皆様いかがお過ごしですか?
個人的には札幌ドームを中心に、熱い季節が到来しております。
どどんどどんどん。

旬を逸した感がございますが、アイラの引越についてレポートいたします。
メガネ1号氏が書く体でこちらのブログにて予告しておりますが、
ス○ムダ○クの第2部よりも続編が期待できませぬ故、
メガネのブログで紹介させていただきたく存じます。

さてさて、動物園の、動物園による、動物園のための動物移動につきものなのが
こちらの、



吹き矢。前々回の写真の数分後の様子にございます。
まさに吹き矢にて麻酔をかけている瞬間の一枚。
若干のダウトが混入しておりますが、皆様おわかりになりますか?



緊張する3メガネ獣医を尻目に、余裕の待機中メガネ非獣医。
不自然な頭部の出っ張りはなんだ。

吹き矢で麻酔をかけた後、



→身体検査



→→健康診断のための採血



→→→輸送檻収容



というのが動物麻酔&輸送の黄金パターンにございます。

こちらも恒例。



空飛ぶクマ。

体重はイコロ兄キロル兄よりも軽めでした。
なかなか体重測定ができないホッキョクグマのような危険かつ大型の動物では、
今回のような麻酔時の体重測定が非常に重要となります。
円山動物園はもちろんのこと、引っ越し先の動物園でも
麻酔や投薬等等の折に貴重な情報となるのです。

日々飼育動物に関するデータを収集するのも、動物園では必須のお仕事。



既に皆様ご存知ではありましょうが、
アイラ、無事におびひろ動物園に到着してございます。



兄のイコロ共々、元気に愛嬌をふりまきまくってもらいたいと、
切に願う次第でございます。

ようやく、いざ、四国

釧路のおもひでを語るうちに暦はすすみ
いつの間にやら弥生にございます。

既に先月のこととなりましたが、人生初の四国上陸を果たしてございます。



未知の土地への飛行機から奇怪な形の湖が。

火を噴く辰っぽくは見えませんか?
今更ながら干支展で取り上げてはもらえぬものか。

何故四国へ赴くこととなったかと申しますと、
高知県で動物園獣医師の勉強会が開催されたからでありまして、
決して忙しい最中、遊興に出かけたわけではございません。

降り立ったのは、高知リョウマエアポオト。



他にも



リョウマ



リョウマ



リョウマ



これは違う。

たくさんのリョウマさんがお出迎え。

決して決して物見遊山に耽っていたわけではございません。
勉強会では自らの見識を深めつつ、
日本各地の動物園獣医の方々と貴重な情報交換の時間を共有して参りました。
メエルなどでコミュニケイションを図ることはあれども、
顔を合わせて会話することは希有。げに有意義な一時でございました。

さて、遠出にかこつけまして、
スケジュウルにはみちみちと動物園訪問を詰め込んでおります。

1軒目、のいち動物公園にて



広々とした空間がとても気持ちのいい動物園にございました。



キリンの目線が!



のいちでお世話になった飼育員さんのご子息をぱちりと。完璧なるペアルック。
モルモットを抱いてご満悦の二人。動物園に子供の笑顔は欠かせません。
一緒に動物園を見学し、意気投合いたしました。

2軒目、わんぱーくこうちアニマルランド



規模は小さいながらも、飼育員さんたちの工夫が光る素敵な動物園。



今熱いのは、オオイタサンショウウオ。
何方に何と反論されたといたしましても、オオイタサンショウウオ。



そしてスマイル百点の現地の獣医師より、
炊飯ジャーの秘密の使い方を伝授されてございます。
いつか円山で、その秘技を披露できる日までは、私の胸の内に。
ちなみに、魔封○ではありません。

まだまだ、3軒目。桂浜水族館。
リョウマさんのお膝元、軽い気持ちで立ち寄りましたところ、



アカメや



リュウグウノツカイが私の歩みを遮ります。



優しく触れる骨格標本。太っ腹!


締めの4軒目、とべ動物園。



流石は愛媛。たわわに実る柑橘が私を誘います。



やはり最近のトピックとしては、アフリカゾウ。
担当の椎名さんともお話ができました。業界では有名人なので、少々緊張。



こちら、スター動物ピースさん。最早説明の必要もありますまい。

他にも他にもたくさんお見せしたい写真が山積しているのですが、
枚数が多過ぎて何をお見せしたらいいのやら、
自分でもわからなくなって参りました。
既にかなりの長編になっておりますれば、
またの機会に他の園館も含めて、色々とご紹介できればと考えております。

何とも何とも、見所多数、交流豊富、疲労蓄積、財政逼迫と
様々に彩られた四国行脚にございました。

いつの日か再び四国の地を踏むことを祈念いたしまして、
本日のブログの締めとさせていただきます。

いざ、釧路3 ‘そして円山へ’

3回に亘りお送りして参りました、メガネ釧路行も今回が最終回。

3度も更新しているうちに、色々とお伝えしたいことも溜まってきているのですが、
今宵も道東紀行にお付き合いくださいませ。



怪しげなある日のメガネ。
何をしているかは、もう少しの間、秘密。




リングは釧路へ帰ってしまいましたが、
反対に、円山へやってくる方も。




似ていますが、この方ではない。




可愛いけれど、残念ながら違います。




…個人的には、すぐにでもスカウトしたいのですが…。
すまない、連れては帰れない。



この度、円山動物園へ移籍となったのは、こちら。



シマフクロウ。
世界最大級のフクロウの仲間であり、北海道の自然の象徴的存在。
初めて目にしたときの存在感たるや。
この種を受け入れる責任をひしひしと感じております。
円山に引っ越した個体は「クック」といいます。
以後、お見知りおきを。

大型猛禽類の捕獲は、相応の危険が付きまとうのですが、
流石は釧路市動物園の獣医師の面々



こうして



こう。

鮮やかな捕獲テクにございます。



鳥類保定用のジャケットを着せられています。これ、欲しい。
獣医にとって動物の保定は非常に重要なのですが、
このようなアイテム一つでスムーズに不動化できたりもするのです。これ、欲しい。

無事輸送ケージへ収容し、再びのロングドライブ。





硬いシートに同行者の体が悲鳴を上げる一方、クックはほとんど身動きせず。
クックにとって、初めての長距離移動。緊張はいかばかりか。



円山到着直後の1枚。
シマフクロウという種を守っていくための、大事な一歩。
獣医として、心して健康管理せねばなりますまい。

非公開の野生復帰施設での飼育故、
皆様にお目にかける機会は中々ございませんが、
可聴範囲が数kmにも及ぶという雌雄の鳴き交わしが
いつか円山動物園内に響き渡る日がくればと、
夢想して止まない2月のメガネにございます。

いざ、釧路 ‘父帰るの巻’

前回更新から日数を重ねたため、予告サブタイトルは既に忘却の彼方。
↑ ので合ってましたっけ?


間延びしてしまいましたのは、遠出のせいにございまして、



↑は道中撮影した1枚。
何処か城下町のようでございますが、詳細は後日。


さてさて、リングはと申しますと↓



宙に浮いていました。

檻と合わせて400kgオーバーのため、
トラックに搭載するのにもクレーンが必要です。

あとは只管に

東へ



東へ



時折休憩を挟みつつ、その都度リングの様子を窺うのですが



覗く度、私、リングに怒られておりました…。






道すがら、竜虎相まみえる場面も。



一触即発にございます。



約7時間ものロングドライブを経て、



釧路市動物園へ到着。
職員の方々が駆け寄ります。



獣舎へ搬入開始。リング、再び宙へ。



ここでこの檻の真価が発揮されます。
写真ではわかりづらいかと存じますが、
移動用檻の出口と、獣舎の動物用通路の入口が
ピタリと符合する設計になっており、
麻酔をかけずともスムーズに搬入ができるのでございます。

人にも動物にもストレスをかけることなく作業できるよう、
獣舎や檻の設計には、しばしばこのような工夫が施されることがございます。
円山動物園では、クマの移動檻が同様にオーダーメエドされております。
少しの工夫で大きな効果、ここ重要。

滞りなく作業は進み、



隣室のチョコを気に掛けるリング。

20120217-14.JPG

やはり、リングが気になるチョコ。

20120217-15.JPG

特に気にする様子のないココア。

こうして無事、三者三様の三虎が釧路市動物園に揃いましてございます。





……

…ここで終了かと思いきや、釧路ではもう一つ重要な任務を果たしてございます。

それでは次回、釧路編最終回 ‘ようこそ円山へ、クック、クック’ をお楽しみに!




いざ、釧路 ‘さよならリング編’

疲労困憊のメガネ獣医3号にございます。

所用にて、釧路市動物園まで行って参りました。
円山動物園情報をこまめにチェックしていただいている方は
既にご存知かと思いますが、



3年間の単身赴任を終えたアムールトラのリングを
ホームタウンへと送り届ける重要任務にございます。

トラのような猛獣を輸送する際は、沢山の苦労が伴うのでございます。



まずは輸送用の檻に入ってもらうところから。
メイドイン釧路ズーの檻には、
隠された機能があるのですが、それはまた別のお話。
蓋を持ち上げているメガネ1号氏、
少々曲がっていますが、この日は大活躍。



吹き矢を構える凛々しい氏の姿。
動物園の動物の中でも危険レベルは最上級なトラ故、
檻に入れるだけとは申しましても、吹き矢による麻酔は必須。
吹き矢について詳しくお知りになりたい方はコチラへどうぞ。

その他にも、氏は



健康チェックのための採血等々、猛虎相手に獅子奮迅の活躍っぷり。
写真ではお伝えできかねますが、額には大粒の汗が光っております。



1号氏の奮闘の甲斐ありまして、無事収容に成功。



1年と少々、居をともにしたアイが見つめる中、
リングはしばし待機にございます。

一方3号。
仕事してないように見えますが、目立たないながらも
麻酔管理というそれはそれで重要な任務をこなしております。






……


ここまで書き連ねてまいりましたが、
私の体力メーターが赤く点滅しております…。

大変遺憾にはございますが、この続きは
さよならリング編 ~旅は道連れ、世は情けの巻~ へと
持ち越す次第とさせていただきます…。

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