札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

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4 Eggs of Vets

4倍です(当社比)。





「何が?」







現在円山動物園にて逗留中の、獣医の卵たちが。
以前ご紹介差し上げた際は、女学生お一人様だったのですが、



増えました。(※本園のメガネ1名含む)

8月後半、今度は獣医学部生4名様が実習中にございます。
自身の方向性も見失いがちだというのに、迷える学徒を引き連れてとなりますれば
行きつく果ては五里霧中、ややもすれば雲散霧消ということにもなりかねません。

なんとかかんとか、やっています。





作業中の赤学生さんと青学生さん。
フンフン言いながら、オランウータンのレンボー用ハンモックを作成中です。
「噴々」?意外と「吻々」?まさかの「糞々」?横文字「Humph Humph」?
正解はどれか、私には解り兼ねます。




カメラを向けると、Vサイン。
この余裕、只者ではありますまい。一見黒、よく見ると紫学生さん。




素材を生かした透明感のあるキャップに、
ボリュームを意識した大きめのバックパックで、洒落た装いの黒学生さん。
獣舎の消毒中。これも立派な獣医のお仕事。


和気藹々と実習進行中と思いきや、事件が。
前述のハンモック作成中のことにございます。



一番小柄な黒学生さんが、ボルトを圧し折るという荒業をやってのけたのでございます。
隠された怪力に恐れ戦く、その他学生。

この一件により、黒学生さんが一目置かれる存在となったのは
言うまでもございません…。


一体何をしている実習なのか、よくわからない感じになっておりますが、
動物園の獣医師が、どのような仕事をしているのか実際に体験し、
動物園動物の飼育、生態、治療等々について学んでもらう、という趣旨にございます。
2週間という限られた期間、何か一つでも彼らの中に残るものがあればと、
切に願うメガネでございます。


この方も同じ思いでありましょう。



メガネ1号氏。
JOJ○立ちはいいから、ブログ書け。

夏のおもひで

さまー いず おーばー

夏は終わった。

一身上の都合により、今夏の終了宣言をさせていただきました。
メガネ3号にございます。

今宵は私が秘かに撮り貯めた写真とともに、
過ぎ去りし夏に想いを馳せたく存じます。


それは海の日。
夏⇔海⇔氷のアンブレイカブルな関係により、
ホッキョクグマへ氷をプレゼントしたときのことにございます。
微力ながらも園のお役に立たんと、チャーミングな姿態をフィルムに収めるべく、
メガネ越しにファインダーを覗いていたのでございます。



結果、これ。犬神家。軽くミステリー&サスペンス。
画才もなければ、タイミングも外し、その上視力も悪い、三重苦。


そんな駄目眼鏡でも、
天の時と、被写体の気まぐれと、手の震えが治まるタイミングが奇跡的に重なると、



私的には珠玉の1枚。ニホンカナヘビ フロム ワイルド。
気温が高くなりますと、は虫類の方々も活発に。
夏の空気に酔い痴れて、
私なんぞのカメラに捕えられる失態を犯してしまうのでございます。


暑気に惑わされた方がもう御一方。



動物病院の脇で、珍しくアオダイショウを御見掛け致しました。
暑さに迷ったのでありましょう、メガネ写真館に収容される不手際。

こんな方も。
インセクト オブ ザ サマー



セミ。
たった一夏にはございますが、
輝き、そして燃え尽きんと、飛び立たれる直前にございます。


そして、夏の終わりとともに、その役目を終えんとする方がもう御一方…




拝啓 

旧爬虫類館様

永きに亘り、動物園のアウトサイダー達を、
育み、看取り、慈しみ、お疲れ様にございます。

トレードマークの三角屋根も、もう拝見することは叶いませぬが
大勢の方々の記憶に、末永く刻まれることと存じます。

                                     敬具

Egg of Vet

繰り返します。

夏、ですね。



本ブログをご覧の皆さま、夏バテ、夏風邪など召されていませんか?
夏も盛り、どうぞご自愛くださいませ。

北海道の夏にはロックンロールがよく効く、と勝手に思い込んでおります。
ロケンロー。


本題に入ります。


夏休みシーズンが本格的になりますと、
動物園獣医師のお仕事に、大学生の面倒を見る、という項目が加わります。

もちろん、休暇を利用して札幌へ出稼ぎに来た若者の、
住居食糧の一切を世話する、などということではございません。

前途洋洋たる獣医学部学生を動物園に受け入れ、
実習という名目の下、あれやこれや教示するのでございます。


実習生の一日をご紹介。

午前中は飼育員とともに、動物園動物の飼育について学びます。



弓山飼育員「あれやこれや」
熱心に耳を傾ける、実習生。


午後からは、獣医(メガネ)と連れ立ち、診療等々を見学。
本日は、鋭意開催中のキッズータウンのお手伝いも。



頭骨を手に、子供たちに熱弁。
実習生「あれやこれや」


こちらは血液検査中。



顕微鏡へ、熱視線。
あれやこれや、見つかりますか?



今どき珍しい、ということもないかとは存じますが、
熱意あふれる女子学生さんでいらっしゃいます。

毎朝、円山心臓破りの坂を越えてやってきますが、
狩勝峠や津軽海峡等々の、更なる難所を越えてくる学生さんもしばしば。

私のような粗忽メガネが、獣医教育の一端を担ってもよいものかと、
自問自答を繰り返しておりますが、、
はるばる訪れる獣医の卵たちの期待に応えられるよう、
何やかんや、頑張る日々にございます。

夜の獣医

皆様、こんばんは。メガネ3号にございます。

夏、ですね。



円山動物園も夏本番にございます。


夏の恒例行事、夜の動物園も、おかげさまをもちまして、
大変盛況をいただいております。

夜の動物園、夜のお菓子、夜のヒットスタジオ等々、「夜の」と修飾するだけで、
何だかミステリアス且つ魅惑的な響きになるものでございます。

一方、夜の獣医。闇夜で臀部より輝きを放つでもなく、
大抵は孤独に事務所に籠り、堆く積まれた書類の山に翻弄されております。


しかしながら、夜の動物園ともなれば、ちょこっと活動的に。
来園頂いたお客様のため、ドキドキ体験に精を出すのでございます。



動物病院体験も、夜仕様。
普段は予約制なのですが、夏の夜はちょこっと大胆且つ開放的。
前回は当日参加OKの人数多めで実施しております。


では、夜の動物病院体験、一体何が行われているのか。


…写真がございません。迂闊パート2。


それもそのはず、メガネはずっと喋ったり、機材いじったり、メガネのずれを直したり、
一心不乱に活動しておりますれば、
写真を撮っている余裕など微塵もなかったのでございます。

気になる方は是非ご参加ください。
一昔前のメガネ男子ブームに乗りそびれた残念メガネが、
粉骨砕身ご案内いたします。


真夏の夜は、



動物病院へ。

暗がりに浮かぶ扉の先で、参加者の皆々様に未知なる体験をご提供、

…できるといいな。

治療のおはなし。

少し前のことになりますが、エゾシカ・オオカミ舎の人気者、
シンリンオオカミのジェイ氏が口の周りを血だらけにしていると、
突然の無線が入ったのでございます。



当時の写真は無い。迂闊。

よもや誰か食われでもしたかと、最悪の事態を想定し、
現場へ急行したのでございますが、
当然のことながら、安全管理された獣舎の中、
そのような惨劇が起こるはずはありませぬ。

ただし、ジェイ氏の口は赤く染まっておりました。
確認した時点で、出血は止まっていましたので、
時を改め、体制を整え、治療やら検査やらを施したのでございます。

さて、ここからが重労働。
ジェイ氏、似ているからとシベリアンハスキー的感覚にて、
取り押さえて強引に口の中を拝見せんとすれば、
檻の中とはいえオオカミ、返り討ちに遭うは必定。

そんな時は



寝てもらいます。

如何にして寝てもらうか、
そこにも筆舌に尽くしがたい苦労があるのですが、
今回は割愛させていただきます。
詳しくお知りになりたい方は、是非、動物病院体験プログラムへご参加ください。
メガネの1号だか2号だか3号だかが、懇切丁寧に解説いたします。


しっかり寝かしつけたならば、ここから治療が始まります。



お口チェック。
舌に噛み傷が見つかりました。どうやら自分で舌を噛んでしまった様子。
さらに古傷がいくつも…。ジェイ…。







傷口を洗浄して、注射して、ついでに身体測定と血液検査で終了です。
ウェストハイランドホワイトテリアくらいの相手であれば、一人でも何とかなる処置。
しかしながら、相手はオオカミ、
ちょっとした治療が一大事なのでございます。

苦労の甲斐がございまして、ジェイ氏現在は元気に走り回っています。
動物たちをご覧になりながら、裏方の苦労にまで想いを馳せていただけならば、
感無量にございます。

興が乗って参りましたので、ここで一句。





一号氏  遊んでないで  ブログ書け


メガネ、心の俳句。

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