札幌100マイル

植物的時間@Maruyama Zoo

動物達だけじゃない円山動物園の魅力を紹介するブログ。

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テンカン

アメリカも今日、歴史的に変わりました。
CHANGE。

一気に冬へ。
昨日なんて最高気温が一ケタに。


ところで、
11/2に「動物園の森・秋の散策会」をやりました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/tree/forest/index.html

参加者のみなさんは雨にも関わらず、朝9:30には動物園に到着。
感謝。
20分ほど室内で簡単なレクチャーをしてから外へ。

寒いし、雨だしどうしようかなと思っていたら、晴れていた。奇跡的に。

晴れ男。晴れ女は誰だ。ボクか。

動物園の森は、円山原始林と円山動物園の間、動物園の敷地内なのよ。

開園以来、基本的に動物園のバックヤードとして
特別な利用はされていなかった場所なので、
ここが札幌の中心地であることを忘れさせてくれます。



今回は1時間半ほどの散策をしました。
ガイドの専門家の方を筆頭に、10名で2班に分かれて、主に植物の秋の
果実や種子、落ち葉を観察しました。
参加していただいた方々は、来年度以降スタートする動物園の森ボランティアの有力な候補生、楽しみです。

ここには、在来種も外来種も含めて。約140種の植物が生息しています。

動植物達は、
カレンダーも時計もない自然の中で
気温や日長の変化を感じて変化します。

以前紹介したマムシグサはどうなっているか。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_wood/article/2

8月終わり頃には、緑色の果実を付けてた彼、


この時期は何と


赤い実。
どこまでも奇抜に、目立ちたいタイプなのかしら。
でも素敵な赤です。
秋の寂しげな景色の中で一際目立っていました。

実はこのマムシグサ、性転換するの。

栄養状態や日当たりで、株が丈夫に育った時は、雌株。
あまりよく育たないときは、雄株。
つまり、成長の過程で転換。

子孫を残すだけの力がある時は子孫を残す。

多年草なので、来年もここに、マムシグサは生えてきます。
どっちになるのか。



マムシグサ。
忘れない名前そしてカタチ。

ハンエイ

願う子孫繁栄。
10月には解体が決まっている熱帯植物館。
19日までに、お隣の熱帯鳥類館へ移植しました。


23日祝日には、職員が作った苗を配布。

昨日今日と来園者の皆様に掘って持って行っていただきました。
ホッテモッテイッテモライマシタ。このくだりがどうも気になります。

総勢400名の家庭に植物達が旅立ちました。
中には観光でいらしていたTokyo,Osakaのご婦人もいました。

少しでも多くの家庭で、潤いと癒しを提供できればと願うばかりでした。

家庭だけではありません。
北大植物園へも旅立ちました。
今よりももっと良い環境で過ごせるのかもしれません。

おかげさまで巨木以外は、おおよそ、無駄に廃棄することなく最後を迎えられそうです。



ハナキリン越しに。


みなさまありがとうございました。

しかし、この手のイベントをすると面白いものです。
十人十色。

人間観察。

「決戦は金曜日」と、両手いっぱいにお持ち帰りのご婦人、
植物が大好きで見極めて持ち帰る紳士、
小さな息子を連れて居間のサイズと相談しながら小さい植物狙いの若いお母さん。

昔から使わなかったプラスチック製の植木鉢なども一緒にプレゼント。



このレトロな青い植木鉢。
おばあちゃんの家にあった記憶。今では売っていない気がします。
工業的ながら、秀逸な一品です。

残った巨大な植物達は、芸術祭でお会いできると思います。
またご報告します。


残された植物たちがどうなるか心配だった鉄骨のガラス張りの主、
何だかホッとしたような、金曜日の夕焼けでした。


シソン

更新。
日々変わり続ける円山動物園。
「変わる」と言うことは、新しくなるものと同時に無くなってしまうものもあります。

今年の8月31日で閉鎖した熱帯植物館。
34年間の歴史に終止符を打ちました。

施設の老朽化、エネルギー効率の悪さ、大きくなりすぎた植物達、
札幌市内での温室と言う施設を取り巻く環境など様々な理由があります。

でも熱帯植物館の中にはたくさん植物が植えられています。



バナナ、モンステラ、ヤシ類、ゴムの木、オーガスタ、シュロチク、スパティフィラム、カラテア、コウモリラン、サンセべりア、ネフロピレス、タニワタリ、パパイヤ・・・。
10年ほど前に調査した記録によると、250種ほどが植えられていたようです。



レンズの曇りと日差しのコラボにより「秘密の楽園」のようになってしまいましたわ。

これらをどうするか。

①お隣の熱帯鳥類館へ移動する。
②お隣の爬虫類館へ移動する。
③動物達への非日常なプレゼントとしてあげてみる。
④園内の施設に観葉植物として飾る。
⑤道内の温室を持つ施設に譲る。(北大植物園など)

極力、動物園で有効に利用するつもりです。

これでも、まだまだ消化しきれません。

どういたしましょう。


来園していただいた皆さんにプレゼントしちまいます。

http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-133.html

少しでも多くの子孫を残したいということで、9月23日苗木プレゼントイベント。
合計200株を皆さんに無料でプレゼント。

ボクが作った育て方カードも一緒に持って行ってくださいな。


25日26日には、みなさんに
植物を掘って持って行ってもらいます。ホッテモッテイッテモライマス。
ただし、対象は特定の小型の草系植物です。



ひとつご理解していただきたいコトがあります。
花屋さんで売っている観葉植物のように完璧な状態ではないということです。
いい状態の観葉植物になるには時間がかかるモノもあります。

今では熱帯原産の植物も安く手軽に、手に入る時代ですが、
また一味違った
「動物園で育った植物達」を思い出とともに大切に育ててみてください。
さよなら植物館3大イベントのうち2つのご紹介でした。

残す1つのイベントも近々お知らせします。

では、
情熱大陸を見て一杯ひっかけて、消灯します。

コウシン

更新。
行進、後進、交信・・・。香辛料。
ヤヤコシイデス、ニホンゴハ。
マッタク。

そういえば先日の「ガイライ」で紹介した↓
http://sapporo.100miles.jp/zoo_wood/article/8
「オオハンゴンソウ退治」実施しました。

円山公園から動物園に歩いて来る時に、
北海道神宮の方を上らずに、
円山原始林側を上って来ると円山川に沿いに、素敵な木道があるのをご存知ですか。

その木道の周辺に生えていた「オオハンゴンソウ」を退治しました。

特定外来種に関する作業をするには、許可証が必要でした。


持って帰ったりしたら、さらに拡大してしまいますから、
しっかりした指導の下に作業をする必要があるんですね。


種が付いている上部をハサミでチョッキとして、根っこを掘り起こして退治。




総勢20名くらいでしたが皆さん一生懸命。

あまりに無心で作業をしていたら、間違えて在来種まで退治するご婦人も・・・。


根こそぎ退治したら、その周辺の地面は丸裸。
強い生命力で、在来種を排除してしまうのです。

この危険性こそが「特定外来種」たる所以です。

でも、丸裸になった地面に、来年何が生えてくるかわかりますか?
高い確率で、再び外来種の植物が生えてきます。
もっと悪い奴が来る可能性だってあるのです。

次のことも考えておかないと、
男の子でも女の子でもくじけてしまいます。

一度退治したらそれで成功と言うわけではありません。
だからこそ、バランスの保たれた自然の偉大さ、儚さを感じるのです。

何をするにも、ヒトはもう少し自然に動物に植物に敬意を払って、
行動をするべきなんでしょうね。ボクも偉そうに言えませんが・・・。


ちょっぴり円山の自然に貢献したような気がした土曜日の昼さがりでした。

By the way,
9月は円山動物園大盛況続きです。ありがとうございます。




カチカチ真面目な植物的時間。ゴメンアソバセ。



テンション

本日は晴天ダッタナリ。

3連休いかがお過ごしでしたか。
日なたは少し暑かったですが、秋らしい行楽日和でした。
おかげさまで円山動物園も大盛況。

ありがとうございます。

円山動物園で植物管理を担当する者として、遅ればせながら行ってきました。
北大植物園。

8年くらい前に行ったことはありましたが、
その時は、綺麗な公園だなくらいの印象で、1時間で一回りしてしまったような記憶があります。
動物園に転勤してから、樹木や北海道の植物について学ぶ機会が増えたので、行ってみようと思ったのです。

携帯電話のカメラで撮影しましたので画像に難ありですが、

今回はどうだったか・・・。

ボクも「オトナの階段上った」と思いました。

変わるモンですね。

自分次第で。



相変わらず、キレイな芝生と大きな樹木が
憧れのキャンパスライフ的な雰囲気で素敵でした。

園内には、自然林や樹木園、草本類分科園(草系の分類園)、北方植物標本園、
バラ園、温室など幅広い植物が展示されていました。
のんびり散歩する老夫婦、
癒されに来たっぽい出張中サラリーマン、
植物園には珍しいイケイケカップルなど
いろんな人がいた穏やかな休日の午後の植物園で、一人テンション上がりました。


みなさんは、どんな時にテンションが上がりますか。

テレビで見てた芸能人やプロ野球選手を街で見た時、
欲しい服に出会った時、
アルビノのヘビが焼酎漬け寸前で保護されてきた時、
テイジロウが嬉しそうに草木を食べている時・・・。

盆栽の本を見て、一目惚れしていた「トクサ」を見つけた時。
20080915-06.jpg

トクサ・・・トクサ科(漢字で砥草、木賊)
本州中部から北海道の山間の湿地に生えているようです。
トクサは、このユニークな風貌で、観賞用として植えられていることがあります。
茎を煮て乾燥させるとモノを紙やすりのように「砥ぐ」ことができるから「砥草」。
調べてみたら、この植物もシダ植物の一種。

鉛筆よりも少し細いくらいで、長さは、80cmくらい。


どうもこの手のミドリだけの植物に弱い。
鮮やかな要素を一切感じさせない、この厳格な姿が素敵でした。

他に良かったのが、
「カツラ」の木についていた説明文。

「・・・ねじれながら裂ける樹皮とハート型の葉っぱが素敵です。・・・」

自分の言いたいことを先に言ってくれてありがとうという感じでした。


思っていたことを同時に感じている人がいるようで、ちょっとドキッとしました。
この瞬間ってなかなか出会わない瞬間。


北方植物標本園では、
アイヌ民族の生活に利用されていた植物が中心。

最近ボクがよく見ている図鑑に載っているけど
実物を見たことがない植物がたくさんありました。



オオイタドリという植物の説明。
葉っぱを尻拭いに用いる。
尻拭い・・・。

他の説明はあまり読んでなかったのですが、これだけは不思議とよく読んだ。
時代の流れを感じながら、最後の一文は読み返したよ。

他にもたくさん紹介したいですが、閉園時間になってしまい駆け足で去ったのでした。楽しかったから近々また行こう。もう少し勉強をして。
また報告します。


テンションが上がる、こんな癒し空間が駅の目と鼻の先にある札幌。
好きです札幌。


テンションが上がる動物園になるように、いろいろ考えます。
他の動物園でも視察に行こうかな。。。

アディオス。

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