札幌100マイル

双子の白クマ赤ちゃん通信 跡地

札幌市円山動物園で2008年12月9日に生まれた双子のホッキョクグマ「イコロ」と「キロル」の成長記録です。 双子の旅立ちと担当者の異動により、当ブログは更新を終了しました。 ご愛読ありがとうございました。

2010年02月24日 の投稿一覧

イコロとキロル、十勝へ。そしてピリカの里帰り。 3

21日、夕刻。
イコロとキロルを無事に寝室に収容し終えたら、今度はピリカを移送用の檻に入れる番です。
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ピリカの足型。肉球拓?
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ピリカはキロルが入っていた檻へ。
そのままトラックに積み込み、一晩明かしました。
到着後およそ5時間ほど外で作業していたので、風邪を引かれた方もいたようです。
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22日、朝。
すっかり汚れてしまいました。
弟たちより遥かに落ち着いていますが、ひどく不満そうです。
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出立の前、さつきやピリカが過ごし、これからイコロとキロルが暮らすことになる
放飼場を撮らせていただきました。
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帯広の担当者さんは、高い所で取っ組み合ってそのまま落ちやしないかと心配しておられましたが、
二頭とも危険な場所の認識はしっかりできていたので、大丈夫でしょう。
うちと違って死角がなくて見やすいですね。
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楽しそうな玩具があります。
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イコロとキロルに無視されつつ、いちおう心中で挨拶。
あなた方の旅路はまだ途中です。
どれほど遠くに行っても、心身ともに健康ならそれでいいです。
たくさん子供を残してくれたら一層嬉しいです。
あなた方は地球の宝物。
だけど同時に、ララの宝物、札幌の宝物であることにも変わりありません。
あなた方の辿る道をずっと見守っています。
いつも変な場所からあなた方をじっと見つめていた不審人物のことを覚えていてくれたら嬉しいけれど、
忘れてくれてかまいません。
というかもう忘れられてるんでしょうね・・・、そもそも認識されていない気もします。
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9時。ピリカを載せたトラックは帯広を発ちました。
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弟が辿った道を逆に辿り、札幌へ里帰り。
当然不安そうに動き回り、ビニールシートを檻に引き込んだりしておりましたが、
無事に到着しました。
さつきのいた寝室に収容。この檻は当園の熊館用につくられたものなので作業はわりとスムーズです。
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ララの様子を見に行くと、ピリカの搬入の途中なので、落ち着かずに寝室と放飼場を行き来しておりました。
(思う存分いなくなったこどもたちを探せるよう、扉は開放してありました)
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娘が一時的に里帰りしたとはまだ気付いていないと思われます。
これからデナリも帰ってきますよ。
といっても、発情が来ない限りはデナリのことを鬱陶しく思っているように見えますが・・・

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ようこそ、というか、お帰りピリカ。

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ホッキョクグマの性成熟は6~8歳といわれていますが、飼育下だと早まる例が多いようです。
4歳のピリカも、もう間もなく繁殖可能かもしれません。

イコロとキロル、十勝へ。そしてピリカの里帰り。 2


イコロとキロルの熊生(人生)はこれからが本番です。
個体のトレードがうまくいくのか、彼らとペアリングする相手が見つかるのか、
先の不安が募りますが、ひとまずは門出を祝いたいと思います。
これからおよそ30年続くであろう彼らの熊生が充実したものであることを、心から祈っています。


さて、20日に話を戻します。

麻酔で眠るイコロです。
猛獣ですから、採血や身体測定、生殖器のチェックなどはこんな時にしかできません。
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キロルの後足。爪込みで足のサイズ38cmだったか。
肉球はざらざらとして硬い感触です。
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個体識別用に、イコロの左耳の裏の毛をカットしました。
キロルはそのまま。
十勝の皆様、当分は耳裏でイコキロを識別してください。
見慣れると人の顔のように違いがわかってきます。
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檻に収容し、動物病院で夜を明かした次の朝。
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仰向けになってバタバタするイコロ。
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出して、とばかりに檻に顔を押し付け、豚鼻になってしまうキロル。
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檻をクレーンでトラックに積みます。
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正門前のロータリーにてお見送りタイム。
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二頭のサモエドがお見送りに来ていました。
単なる犬好きということもあるのですが、どうにもこの姿が誰かを彷彿とさせるので、
駆け寄って触らせていただきました。
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飼い主さんの許可は得ております。
手入れの行き届いたサモエドさんの毛は柔らかく、サラサラとしておりました。
ちなみに、容易に想像はつくと思いますが、ホッキョクグマの毛は硬いのです。
ただ、透明で中が空洞なので、よく見ると輝いていてとても綺麗です。
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お見送りにはおよそ200人もの方がいらしていました。
ほとんどの方はこの後でララの様子を見に入園されたようです。
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左がイコロ、右がキロルです。
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こうしてイコロとキロルは生まれ育った円山から旅立ちました。
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トンネルを抜けようが抜けまいがそこは雪国でした。
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輪厚PA・夕張物産センター・占冠道の駅・十勝平原PAにて健康チェックを行いながら、
道中はほぼ順調に進みました。
実況していた通り、ほんの数台前で車が転覆する事故もございましたが、25分の足止めだけで済みました。
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帯広到着。
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クレーンで檻を獣舎の前まで運びます。
イコロは鳴いて暴れて大騒ぎ。当然恐ろしい体験ですよね。
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キロルは比較的落ち着いていました。怖すぎたのかもしれませんが。
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後は人力で寝室の前まで檻を押していきます。
私はこうして撮影していただけで、何のお役にも立てませんでした。
手土産も忘れるし、帯広の皆さん、申し訳ございません…
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久々にピリカに会いました。
ピリカが小さかった頃、私は彼女のことを中性的な美少年だと思っていました。
美少女でしたね、ごめんなさいね。
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作業は彼女の目に入らないところで行われていましたが、鳴き声などで別のホッキョクグマが
来たことを察したらしく、落ち着かない様子でした。
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知る由もないでしょうけれど、弟が来ましたよ。
あなたの過ごした獣舎、あなたの大切な黄色いガス管、使わせて頂きます。

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