札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2011年06月21日 の投稿一覧

別れの朝

動物の搬出があると、獣医師も必ず借り出されます。
今朝は、2頭のダイアナモンキーと、

アカアシガメと



キアシガメが


それぞれの新天地へと旅立って行きました。



この2頭のカメ、実は30年近くも旧は虫類館を支えてくれた大功労動物です。
私の在園歴の10倍以上。重ねた年齢も、私よりも上。

そんな彼らがいなくなると、旧は虫類館の終焉をひしひしと感じます。



既に動物たちの新施設への移動はすべて終了し、



館内から動物たちの息遣いが消えました。

もともと静謐な暮らしの動物たちが佇む空間でしたが、
館内は、往時とは別の静寂に包まれています。


かつては数多の爬虫類で賑わっていたバックヤードも、



つはものたちが、夢のあと。





隣接する昆虫館も、最後の時が迫っています。



そんな折、飛翔室では、



私達との別れを彩るかのように、
ランタナの花が、盛大に咲き誇っていました。

とても美しく、少し哀しい、花々の色。

命なき建造物の、声なき惜別の挨拶なのかもしれません。


両建物様、お疲れさまでした。


昆虫館の傍らより湧き出た、謎の地球外生物。
日の光の下で、改めて見てみると…



鮮やかな緑が美しい…?
ともすれば、生命の躍動を感じさせる…?

このままでは、この者の素性がわからぬままの別れとなりますれば、
残念至極にございます。

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