治療のおはなし。
Posted by vetblog on 2011年7月17日(日) 18:57
少し前のことになりますが、エゾシカ・オオカミ舎の人気者、
シンリンオオカミのジェイ氏が口の周りを血だらけにしていると、
突然の無線が入ったのでございます。
当時の写真は無い。迂闊。
よもや誰か食われでもしたかと、最悪の事態を想定し、
現場へ急行したのでございますが、
当然のことながら、安全管理された獣舎の中、
そのような惨劇が起こるはずはありませぬ。
ただし、ジェイ氏の口は赤く染まっておりました。
確認した時点で、出血は止まっていましたので、
時を改め、体制を整え、治療やら検査やらを施したのでございます。
さて、ここからが重労働。
ジェイ氏、似ているからとシベリアンハスキー的感覚にて、
取り押さえて強引に口の中を拝見せんとすれば、
檻の中とはいえオオカミ、返り討ちに遭うは必定。
そんな時は
寝てもらいます。
如何にして寝てもらうか、
そこにも筆舌に尽くしがたい苦労があるのですが、
今回は割愛させていただきます。
詳しくお知りになりたい方は、是非、動物病院体験プログラムへご参加ください。
メガネの1号だか2号だか3号だかが、懇切丁寧に解説いたします。
しっかり寝かしつけたならば、ここから治療が始まります。
お口チェック。
舌に噛み傷が見つかりました。どうやら自分で舌を噛んでしまった様子。
さらに古傷がいくつも…。ジェイ…。
傷口を洗浄して、注射して、ついでに身体測定と血液検査で終了です。
ウェストハイランドホワイトテリアくらいの相手であれば、一人でも何とかなる処置。
しかしながら、相手はオオカミ、
ちょっとした治療が一大事なのでございます。
苦労の甲斐がございまして、ジェイ氏現在は元気に走り回っています。
動物たちをご覧になりながら、裏方の苦労にまで想いを馳せていただけならば、
感無量にございます。
興が乗って参りましたので、ここで一句。
一号氏 遊んでないで ブログ書け
メガネ、心の俳句。