札幌100マイル

RSS 動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

by vetblog

プロフィール

札幌市円山動物園

メガネ1号
子育て奮闘中。1号なだけにリーダー格。

メガネ2号
AGA治療を真剣に検討中。昇進につき欠番。

メガネ3号
草食系。出身地詐称疑惑に悩み中。

(おうち)メガネ4号
略してΩ4。追いつけ追い越せ修行中。

(おうち)メガネ5号
ねこ好き。


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ハズバンダリートレーニング2

前回ハズバンダリートレーニングとは?について説明しましたが、

今回はアムールトラの「タツオ」が行っているトレーニングについてお話ししたいと思います。

タツオは慢性腎不全というネコ科の動物に多い病気にかかっており、現在常に薬を投薬している状態です。腎臓の状態が良くないので、本当は定期的に検査をしたいのですが、タツオは超高齢(19歳)なこともあり、麻酔の負担をなるべくかけたくないと思っています。

そこでハズバンダリートレーニングを行い、腎臓の状態について採血を行うことで確認しようとしました。

トレーニングを行うのにまず必要なことは、「人に慣れていること」です。

いくら頑張っても動物がよってきてくれないとそもそもトレーニングになりません。

幸い、タツオは人に慣れていたので問題ありませんでしたが、

人に慣れていない動物についてはどうするのか?という疑問がわいてきます。

 

そこで登場するのがトレーニングにおいてもっとも大事な「褒める」こと。

動物たちにとっての「ご褒美」はなんといってもおいしい食べ物。

これを人が直接渡して食べてもらうところからトレーニングはスタートします。

タツオに今与えている「ご褒美」、それはお肉のミンチです。

IMG_4701

(お肉には腎不全の薬をかけているため黒くなっています)

「ご褒美」があればそれでトレーニングは一応できます。ですが、より反応を良くするため写真のような道具を使います。

図2    図3

左写真のターゲット棒は、この棒を追って眼や顔を動かしたときに「ご褒美」を与えることで関連付けを行います。

右写真の犬笛は、吹いた音と同時に「ご褒美」を与えることで音との関連付けを行います。

このような道具を使うと、ターゲット棒の動きや犬笛の音に反応して動いてくれるようになります。(もちろん、そう簡単にはできませんが)

ここまでできるようになったら、いよいよ本格的にトレーニングをはじめます。

 

続きはまた次回の更新で。

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