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動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2016年07月31日 の投稿一覧

ハズバンダリートレーニング3

 

前回トレーニングの準備段階について書かせていただきましたが、今回からはいよいよ

実践編になります。

まず、採血するためにはタツオにじっとしていてもらう必要があることから、最初に「伏せ」を覚えてもらうことから始めました。

「伏せ」の体勢をとってもらうために、地面に餌を置き続けます。

餌した

これを繰り返すと、次第に「座ってた方が食べやすいぞ」というふうに思い自然に「伏せ」の体勢をとるようになります。

大分伏せ

少しずつ足を曲げ、伏せる体勢に近づいてます。

伏せた

最後には、伏せてくれるようになりました!!

「伏せ」ができるようになったら、次はからだを触られることになれてもらうようにしました。採血はしっぽから行いますが、その他からだの様々な箇所に触れても大丈夫なようトレーニングを続けました。

これまで、タツオは触られること自体には慣れていなかったため、最初は嫌がって触られた場所をすぐに引っ込めてしまったりしてしまうこともありました。ただここで大事なのは、嫌がっていることを無理やり続けないこと。無理に続けてしまうとトレーニング自体を嫌いになってしまうので、そうならないよう慎重にトレーニングを行いました。

とはいっても嫌なところを触れるようにしないといけないので、最初は「ご褒美」を与え続けてタツオの気をそらしながら、少しづつ触れるよう心がけました。

餌与えている方

しっぽを触るトレーニングの風景です。檻の前から餌を与えています。左に立っている人がしっぽを触る訓練の担当者です。

しっぽさわり遠目

最初は餌を与え続けながら遠くのしっぽを触ります。このとき、おそらくタツオはこんな風に思っているはず、です。

(あれ~何か触れているような気がするけど、今はお肉がおいしいからまいっか~。)

 

そうして触れることに抵抗が無くなってきたら、今度は「ご褒美」を与えると同時に触って、「ご褒美」と「触られること」を関連付けます。さらに、触った後に「ご褒美」を出すようになると、「触られる」から「ご褒美」をもらえると思ってくれるようになります。

そうするとどうなるか、「ご褒美」をもらうために、触ってほしくて自ら動いて近づいてくるようになる、というわけです。

しっぽ近づいた

トレーニングを進めて最終的には、写真の用にしっぽを檻のすぐ横まで近づけてくれ、触っても全然気にしなくなりました!!(少し写真が見づらくてごめんなさい)。

この要領で、からだの様々な部分に触れるようにもしています。と言葉で書くのは簡単ですが、とにかく地道に続けていくしかないのがトレーニングです。触られるのを特に嫌がったりする場所や、触ることはできるがなかなか近づいてきてくれなかったりしたときは、その都度タツオが嫌がらないよう、積極的に近づいてきてくれるよう触り方を変えたりいろいろと工夫をしました。

そうこうしてようやくしっぽも触れるようになり、いよいよ採血に取り組みました。

 

続きはまた次回の更新で。

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