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動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2011年05月21日 の投稿一覧

春の終わり

先日、本園の広報氏に
「夏の年間パスポオトに載せる動物にふさわしいものは何か」と問われ、



水槽の中で清涼感を振りまくマレーガビアル氏をお薦めさしあげたところ、
「メジャー感がないので却下です」と、一蹴。

肩身の狭い思いをしております、
ヒト科ワニ属のメガネ3号にございます。


さて、園内の桜もほぼ散って、春の終わりを思わせる今日この頃、





皆様、春になると現れる、円山動物園に御馴染みの方々が、
今年はいらっしゃらないことにお気づきでしたでしょうか。

春は別れの季節にもありますれば、その終わりとともに
そんな方々に思いを馳せてみたく存じます。


まずはこの方、



一見、動物種が分かりかねますが、語尾から考えますれば
某巨大レジャー施設のマスコットと同じく、鼠か。
繰り返される鳴き声のアピールが露骨に過ぎ、
仲間内から疎ましがられていないか、気になってしまうのでございます。



次…、これは…?



あたかも眼の様に見える構造は、
本当に眼なのか、はたまた鼻の穴なのか。
耳的位置にある謎の器官は果たして何であるのか。

蝶ネクタイとブーツの赤で決め、
オシャレに気を使っているのはわかるのですが、
この方を見つめていると、得体の知れぬ不安感に襲われるのであります。





クマ、クマだ!
先のおふた方に比べますれば、にこやかなる表情とともに、
私どもを安心させていただける…、と思いきや、
130cm以上の方々を門前払いする、笑顔の裏の冷酷無比。
身長167センチメエトルの私は泣き寝入りするしかないのでありましょうか。



最後にこの方



白と黒のツートンカラーは
世界的人気を誇るあの動物かと思われます。
しかしながら、この方の目つき、メンタル面は大丈夫かと、
心配せずにいられないのでございます。
ポップな見た目と裏腹の、アングラな本音を隠して、
つらい思いをされているのでありましょう。


動物園にいらした時、再び桜が満開になった時、あるいは小腹が空いた時等々
何かの拍子にふと思い出していただければ、
いまでは会えないこちらの方々も
幸せに思われるのではありますまいか。



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