札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2012年01月10日 の投稿一覧

隠れキャラ

動物園の醍醐味と申しますと、
やはりナマの動物達の魅力を堪能すること、に尽きるかと存じます。

動物達の動き、息遣い、質感、匂い等々、
図鑑やテレビだけでは伝わらない生々しさを体感できるのは、
動物園ならでは。

時にはこんな風光明媚な光景を目にすることもございます。



月にサル山。


しかしながら、動物園の中を目を皿にして徘徊しておりますと、
なかなかどうして、魅力的な無生物たちにも遭遇するものでございます。



エゾヒグマ館のシンボルとして鎮座ましますこの方。
札幌市立大学デザインであり、由緒正しき出自のクマでございます。
鋼のボディが醸し出す、光沢、重量感、オシャレ感は
円山随一にございましょう。


20120110-02.JPG

こちらもさりげなさという点で、オシャレ度数はかなりのもの。
隠れっぷりもかなりのもので、
恥ずかしながら私、動物園勤務3年目にして、
ようやくお目にかかることが適いましてございます。
某海賊漫画のパ○ダマ○に匹敵する潜伏テクニックにございますれば、
この方々の所在をご存じの貴方は、円山動物園上級者にございましょう。


他にも、冬限定でお仕事に勤しむ方もいらっしゃいます…。


20120110-03.JPG

…去来する様々な違和感を押し殺しながら、何とかシャッターを切りましたが、
正直申しまして、平常心を保つのに必死でございました…。
このモノトーンの珍獣は、私の心の琴線を何かと鷲掴みにして止みません。
嗚呼、差し色の赤が小憎らしい!



茫然自失の表情を浮かべながらも、その実、我々を不意な転倒から守らんと、
24時間不眠不休で砂袋を配布していらっしゃいます。
唇にさしたる真紅のルージュは、
職務への熱意の表れとであるとお見受けいたします。

園路に散布された砂で、尻餅を免れた折には、
そっとこの方の額に手を添えて、その労を労っていただけたならばと、
切に願う次第にございます。

pageTop