温故知新
Posted by vetblog on 2012年1月20日(金) 22:22
こんばんは、獣医メガネ3号にございます。
円山動物園別ブログに3号被りの方が現れ、しかもその方が実はメガネ故、
アイデンティティが崩壊寸前にございます。
それはそれで。
年越し前、本棚崩壊の惨劇に見舞われ、
このような酷い有様にございました動物病院検査室の一角。
年明けから幾許か経過し、どのようになったかと申しますと…
取り立てて綺麗だというわけではございませんが、
何とかかんとか片付きましてございます。
いつとは知れぬ新本棚の到着を待ち侘びる蔵書の数々。
青くて四角い仮の塒で雌伏の日々にございます。
床に散乱しました書物を収納する傍ら、
これを機に、古いものは整理することといたしました。
獣医療の世界は日進月歩。
時を経た記述は、信頼性に欠けることもある故、
断腸の思いの仕分け作業にございます。
その最中、ふと一冊の本が目に留まりましてございます。
古びた書籍の中でも一際異彩を放つ旧字体。
恐る恐るペエジを捲っていきますと、
驚愕の昭和16年発行…。
書かれたのは何と戦前。
今や戦争を知らない世代が大半を占める日本社会において、
戦火を潜り抜けた希少且つ骨太な図書でございます。
70年以上前の解剖図説ではございますが、
現代の解説書と比較しても記載に遜色ないだけでなく、
網羅された動物種は脊椎動物から無脊椎動物にまでおよび、
現行の出版物を凌駕する勢いにございます。
さらに私を戦慄させたのは、その価格。
充実の内容にしてお値段据え置きもいいところ、まさかの5円。
サービス精神にも程があるというもの。
かのジャ○ネットたか○にも不可能な料金設定にございましょう…。