真夏の夜のアイツ
Posted by vetblog on 2014年8月13日(水) 20:35
こんばんは、メガネ‘盆の3日間’号です。
盆も正月も関係のない円山動物園はいつでも皆様をお待ちしております。
夜の動物園、鋭意開催中にございますが、それとは違った特別な夜のお話。
↑の写真に写る札幌の夜空に潜む影、何の生き物かお分かりになりますでしょうか。
撮れてるんだか撮れてないんだかわからない感じが、
スカイフィッシュを彷彿とさせますが、れっきとした札幌在住の野生生物です。
ここです、ここにいます。
こちらにはなんと2頭も!!
気のせいや、ほこりや、霊や、ましてオーブなどではございません。
確かに、写っているのです!
これはヤマコウモリという種類のコウモリの仲間です。
実はこのコウモリたち、札幌の都市部の夜空を人知れず飛び回っているのです。
なかなか普段意識することはありませんが、街中に暮らす私達にとって
よくよく気を付けてみますと、身近な存在なのです。
ちなみに円山動物園にはより大型のオリイオオコウモリが展示されていますが、
そちらも生息地である沖縄の町中を、わりと大手を振って飛び回っています。
こちらは先ほどの写真とは違うヒナコウモリという種類ですが、
このような小型のコウモリたちが、北海道の空で羽ばたいています。
ヤマコウモリはこの写真のコウモリよりも一回り大きいです。
そんな札幌のコウモリたちを知ってもらうべく
先日、札幌駅からほど近い北大植物園にて親子コウモリ観察会を実施いたしました。
実際にコウモリを観察して、コウモリの生態、観察方法などを学ぶための催しです。
講師は写真家の中島さん。素敵なコウモリトークを展開。
コウモリの魅力をたくさん語っていただきました。
コウモリ観察に欠かせないのがバットディテクター。
写真の彼が構えておりますこの機械で、
コウモリの発する超音波をとらえ、その位置を把握します。
超音波を拾うだけという、極限まで絞り込まれた機能に、中々のお値段。
大人の趣味の香りがします。
参加者の皆さん、一心不乱に空を見上げます。
この日は実施直前まで豪雨に見舞われたのでありますが、
コウモリが飛び立つ頃には雨は上がり、たくさんのコウモリたちが餌をもとめて
夜の街へ飛び去って行くのを観察することができました。
前述のバットディテクターもコウモリたちの声に反応し、
けたたましく鳴り響いておりました。
メガネの手元に残ったのは冒頭のUMA的写真のみにございますが、
参加者の皆様の心には、都会の中に息づく野生動物との邂逅という
一風変わった体験を通して、何かしら残っていたならばと、
切に願うばかりにございます。
参加者の皆様、北大植物園の方々、ありがとうございました。
おかげさまで、とても素敵で貴重な時間を共有することができました。
そうそう、別の日陰者になりがちな動物の祭典も開催予定ですので、
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
作品まだまだまだまだお待ちしております。