ダイダイ帰天・・・
Posted by zookids on 2012年1月13日(金) 17:43
今日もシバレています。
8時30分の気温はマイナス10度でした。
ヒツジの水飲みは、アイスキャンドルになっています。
今日は訃報をお伝えします。
実は昨日、一度書いたのですが・・・、いったん削除していました。
調子こいた文として、とらえないでほしいと思います。
また、きれい事としても、伝わってほしくないと思っています。
文章でお伝えするのは、難しいことですが、心の声を書きます。
最近、ブログで配信していた、フレミッシュジャイアントの「ダイダイ:♂」ですが、
昨日の朝、帰天いたしました。
実は・・・、年末から特に体調が悪くなっていました。
最後は同居している、ネザーランドの♀たちに囲まれて、
いつも通りの寝ている姿でした。
ダイダイは平成18年生まれ、兄弟は2年前に他界しており、
その中では長生きだった個体。
死亡の直接の原因は、化膿性肺炎でしたが、
他の臓器も疾患があったとのこと・・・
約2年前から、体調が安定せずに、目の治療などを含めて、
獣医さんにお世話になっていました。
長生きする動物の特徴は、年をとってもよく食べる個体。
ダイダイも前日の夜、最後の見回りの時に、
担当の神馬さんから、青菜などを給餌されると、
寝ながら「ムシャムシャ」と食べていました。
二人でその仕草を見て、ニヤニヤと。
伝える立場の飼育員が大切にしている物の一つですが、
飼育員が動物の心(ハート)を感じなくては、
お客様には、動物の素晴らしさ・命の大切さは感じていただけないのでは、
ということがあります。
動物を良い状態で飼育すること!
当たり前ですが、ぶれずにやり続けること。
ダイダイを見て、なぜかニヤニヤしている皆様が、
多かったのではと思います。
最後まで、ハート♡をおくってくれたのではと思っています。
ダイダイは生後約1~5ヶ月まで、ふれあい動物として活躍。
0.5~4.5歳までは、ウサギ・ニワトリ広場で、
一昨年の12月からは干支展動物として、活躍してくれました。
飼育員をしていて、特に大きな山があります。
一つは、生まれた喜びから始まり、母親と二人三脚で、
子供を無事に成長させること。
成長の段階で、動物園動物として、馴致を継続することです。
もう一つは、死です。
生き物には、死ぬ権利があると思います。
動物園動物を管理する立場で、その見極めを、
一つ一つの事例で、毎日悩みます。
死に向かっている動物に対して、決して溺愛しないこと(愛情は必須)。
治療については、その都度、獣医師と打ち合わせをして、
その時に一番適当な方法を実施します。
ダイダイの注射も一本打つ時に、
本当にこれで良いのか?
一回様子を見て、少しでもストレスが軽減できないのか??
今の飼育場で良いのか?などなど・・・
悩んだ日々。。
動物の最初と最後をたくさん経験することで、
「飼育とはなんぞや」という世界が見えくると思います。
新人飼育員たちには、たくさん経験をしてほしいと思っています。
やはり、動物たちとは話すことはできません。
本当に良かったのか?何が本当に悪かったなど・・・。
飼育道は、何年やっても解りません。
この職種であるかぎり、進むしかないと思っています。
「いつも楽しい心のふるさと―札幌市円山動物園―」
60年前から変わらずに、守り続けていた、諸先輩たちに続き、
より良い動物園として、「我が町の誇れる動物園」として、
持続ができればと思っています。
明日も動物園では、たくさんの動物の生活があります。
また、その中の数点は、体調不良により治療もあります。
完璧な飼育、完璧な治療に、少しでも近づけるように、
また、円山動物園がより良い動物園となるように、進む日々。
「ウサギ牧場デビュー」:ダイダイ0.5歳ころ