札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

2008年11月 の投稿一覧

道東めぐり3 知床三昧

あいだが開いて大分前のことになってしまいましたが

道東めぐり3日目 いきます。 

会議は午後からだったので、午前中は家族で行動。
斜里から知床峠を越えて、行った事が無かった羅臼ビジターセンターへ向かいました。
いやー 良い施設です。環境省が建てただけあり、しっかりしたコンセプトの基、お金もかけて中をつくりこんでます。

      
職員の方が 「しっかりしすぎて企画などでいじれるスペースが少ない」 とぼやく位ですから。


   
来館者の動線を確保しながら、博物館的なハンズオンでしっかり立ち止まらせ、感じるという部分を実物、疑似体験で楽しみながら与えています。

でもこのクマの手や、羅臼の地形をゲーム感覚で操作しながら見られるBird’s Eyeなんかは、札幌にあり動物園にも関わってくれている北海剥製さん、エンビジョンさん作成ですから円山の方が取り入れ易いはずですよね、 お金か問題は・・・


羅臼のビジターセンターをゆっくり見すぎてホテルに戻ったのは会議開始15分前、急いで会場へ向かいます。
今日はまず 「国立公園・保護地域のクマと人の折り合いの付け方」ということで、
知床、尾瀬、上高地、アラスカで実際に保護、管理、調査をされている4名の報告と、パネルディスカッション。
      
クマの専門家の方々ではありますが、クマだけではなく地元の人、経済をしっかり考慮に入れた活動こそが、クマの将来を守るために、クマと人との折り合いをつけるために必要だということを(難しいことではありますが)色々な実例を交えてお話されていました。
難しいことではあるが、続けなければいけない、やらなければいけないという思いが壇上と会場を包み込んでいました。
そこに動物園が背負える役割、しっかりと考えていかなければいけません。


会議が終わり、次は場所を移して、あかしのぶこさん作「ヒグマの絵本」完成披露会、そして椎名誠さんの講演会。
ホテルには戻らず、セブンイレブンのおにぎりを頬張りながら車を飛ばします。
中身は鮭といくら、この辺が知床です。

絵本は知床のヒグマ対策の職員が作成に関わったようで、クマの生活、人間との関わりを描いた物です。(あかしさんも元知床財団職員です)
この手の絵本は、伝えたいという気持ちが強すぎて、字が多くなったり、内容が難しくなったりしがちなのですが、難しくはなく、かと言ってイメージだけでもなく、優しい絵本になっています。

椎名さんの講演は、さすが場数が違う、世界中での体験を基にした面白い内容でした。
テーマは「生きるために食べる」「食べるために殺す」と言った所でしょうか。
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最近、サル山のガイドでも「生きるために食べる」について話すのですが、私たちはなかなか普段意識できないですよね。
ちょっと前にTVでボビー(オロゴン)が、自分の子供に対して「とにかく食べれ!次いつ食えるかわかんないぞ!」「子供はとりあえず食べさせておけば大丈夫!」「食べさすのが教育だ!」と言っていたのを見ました。
「生きるために食べる」について、野生動物と人間というくくりから、今の日本人という部分を意識した瞬間です。 ボビー 見直しました。


そしてその後は、
      20081130-06.jpg
打ち上げにもぐりこみ知床の幸三昧!  2次会にももぐりこみ成功!たのしいー!



気が付くと12時過ぎ・・・・ ここは知床・・・・ 
そうだ、家族旅行だったんだ・・・・
ドキドキしながら、ホテルへ向かってテクテク テクテク徒歩15分・・・・
部屋番号は436 シミルーと憶えました・・・・
でも12時30分・・・・・
緊張してドアのノックは コン ココンッ・・・・
「あーけーてー」・・・・ 昨日より小さめの声です・・・・

道東めぐり終了です。

道東めぐり2 釧路・標津・知床

道東めぐり2日目
知床でのプログラムは夜からだったため、まずは、宿のすぐそば、釧路市こども遊学館へ!

      
入ってすぐのでっかい砂場へ突入したい気持ちを抑えてまず中へ。
子供を差し置いてネットジャングルへ入ったは良いけど、入口の炭鉱トンネルで体が詰まって動けず。
大人向けではないようだ。

この施設は3年ほど前にできた新しいもので、「来館者が自ら遊び、学ぶ」というコンセプトのもとに造っただけあり、小難しくなく楽しい。
計画段階で市民が参加し、運営にはボランティアが活躍。
動物園にもかかわってくれているアトリエブンクさん設計、今度詳しいこと聞いてみよう!

滞在予定を30分オーバー
次に向かうは標津サーモン科学館
なにがすごいって30mの展望台の上に輝くイクラ3粒!
ここにお金をかけたのがすごい!
      

さあ、だんだん時間が無くなってきた、知床での基調講演開始まであと2時間半
あー でも知床峠を通りたい! あのハイマツ帯を見てから話を聞きたいー
パチリ


ホテルに着いたのが開始40分前、カバンと家族を置いていざ会場のウトロ漁村センターへ。
着いてみると上野や多摩動物園の飼育係もいて、さすが、やるなっ!って感じです。(上野動物園の園長もいました)


基調講演でお話ししてくれたのは「ベア・アタック~クマはなぜ人を襲うのか~」の著者スティーブン・ヘレロさんでした。
クマとの事故はなぜ起きるのか、どうしたら防げるのか、どんな取り組みがあるのか、 国立公園での話が中心でしたが、札幌市もヒグマの生息地です、市として、動物園としてどう関われるかを考えながらの講演でした。


さあ、次は場所をホテルに移し、知床財団20周年記念式典&交流会です。
いつもなら 「さー飲むぞー!」 というところですが、この日はちょっと違います。
今回知床に来た目標の一つをここで果たさなければいけないからです。
それは 「フィールドでは難しいが、動物園でなら背負える調査・研究について専門家に聞く!」ということでした。

まず軽く腹を満たし、ビールをぐいっと飲んで、突撃!
弱った心を、ブタの角煮で勇気づけ、突撃! 繰り返します。

頑張ったかいがありました、いい話たくさん聞けました、皆さんありがとうございます。


9時過ぎ 自分のホテルに帰り、うろ覚えの部屋番号の扉を叩きます。
「あーけーてー」

道東めぐり 1 帯広・釧路動物園

ちょっと前の話ですが(10月10日~13日)、知床財団20周年記念イベントへ出席するため道東めぐりに出かけました。
その時のお話しをしてみたいと思います。

この間クマチームの視察でサホロに行ったばかりだったので、貯めておいたお小遣いももうありません。 
嫁に頼み込んで家族旅行と言う事で出発です。

1日目 
朝6時に出発し、まず目指すのは帯広動物園!
この間行ったばかりですが、前回は遅刻して時間が無く見逃した所もあったので(暗くなってたし、閉園してたし・・・)またお邪魔です。


今回は植村直己記念館も見れたし

象の調教も見られました

あと、うらやましーなー といつも思うのが

      
園内を散歩しているエゾリスたちです。 餌付けもせず、自然な状態の野生のエゾリスが近くで見られるのはうちでも求めている要素です。(でもうちはカラスがなー)
食べているのは松の美、体も変に太っていない(変に太ると胸におっぱいみたいな肉弛みが出来ます)美しいエゾリスたちです。
エゾリスの写真撮りたい方、是非帯広動物園へ!


豚丼を食べ いざ次は 釧路動物園へ!

今年初めての釧路動物園です。
道外からこられる動物園関係者にはここの北海道ゾーンはお勧めします。
北海道の釧路にあるからこそのこの展示は、釧路動物園として必要なものだと思います。

      

ただ、地元の人には当たり前の風景なのでなかなか認めてもらえないようです、ちょっと悲しい・・・
この問題は、どこの施設でも持っていますが、そこを何とかして身近な自然環境に関心を持ってもらうのもやらなければいけないことです。

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      長い年月、力を入れている丹頂鶴を見て


      
      うちでも分散飼育のため協力したいと思っているシマフクロウを見て

今日のお泊り場所、釧路駅前へ向かいました。

家族サービスと称してこの行程が組めるのは、あと何年あるでしょうか?
その年月が長く続くよう、家族に向けて「ためになる飼育員ガイド」を開催しています。
「さー つるさんの食べ物はなんでしょうか? 分かるひとー」
「はーい」  手を上げるのは嫁だけです。
もうチョイ腕を上げなければいけないようです・・・

2日目も動物園人的家族旅行が続きます。

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