札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

2008年06月 の投稿一覧

えこらぼカフェで動物園

先日、NPO法人「環境活動コンソーシアム えこらぼ」が主催する、
えこらぼカフェで「日本の動物園は変わろうとしている~動物園見て歩き~」というのをやっていたので見てきました。

       
お話ししてくれたのは北海道大学大学院で
「環境教育の場としての動物園の可能性」について研究されている 菊田 融さんです。
今年の3月末から4月にかけて本州、九州の12の動物園を見てきたそうです。
(細かく言うと、上野、多摩、千葉、ズーラシア、富山、名古屋、京都、天王寺、広島、到津、福岡、海の中道だそうです)


私も機会をつくっては他の動物園を見に行くのですが、担当動物と興味のある動物を見るだけで3~4時間(見たものを理解、分析しようとする悪い癖があります。美術鑑賞には向いてません)、知り合いの飼育係と話すのが2時間ぐらい(夜は飲み会でゆっくり話すのですが、その前に細かい所を動物を見ながら話します)、ですから園全体を見られないことがほとんどです。
菊田さんの行った動物園の中では富山と広島以外は行ったことあるのですが、環境教育という視点では今まで見た事が無かったので興味津々です。

           
環境教育というとなんか小難しく聞こえるのですが、それは開くほうの問題で、やってもらう子供達には楽しく!が基本です。各動物園の取り組み参考になりました。
最後には参加された皆さんから動物園職員ということで質問を受けたりもしましたが、いろんな方が動物園に興味を持っていただけるのが嬉しくその後一人で飲みに行っちゃいました。
日本酒が体にしみる夜でした。

くまの親子

サル山に隣接する展望レストハウス。
その1階、階段下の洞穴にくまの親子が住んでいるのです。

母親は頭からお尻までで1.5m、子供は60cmぐらいでしょうか。
体毛はブラウンの巻き毛 (なにっ 巻き毛?)
体重は母親が約25kg (あれっ) 子供が約2kg (あれれ なんか軽すぎない)
両方の目はまるで黒いボタンのように平らで・・・・  (ボタンだ・・・)

はい、すみません、ぬいぐるみです。
でもただのカワイーだけのぬいぐるみではありません。この展望レストハウスで大事な役割を背負っています。その大事な役割とは「雰囲気」です。

       
この施設、円山動物園で飼育係が設計から本格的に参加した最初の施設なのです。
第1案のテーマ&コンセプトは「グリーンレストハウス」 「くつろぐ 遊ぶ 学ぶ」
詳しいことはまた次の機会にお話しますが、その色々考えて作った施設の大事な雰囲気を背負っているクマちゃんたち、しばらく様子を見に行ってなかったので、ちょっとご挨拶に行ったら

       
入り口近くにいた こぐまチャン 足とおまたがちょっと破けてたので緊急手術、これも飼育係の仕事です。本物ではないので獣医さんは呼びません。
ちょちょいと直しておうちへ返します。

       20080612-01.JPG
するとお母さんがお出迎え、お母さん!こぐまチャンの傷は治りましたよー
っと あれ お母さん げげー

       20080612-02.JPG

お母さん 頭割れてます、しかも耳が無い。
普段は「触られもせず綺麗なままの展示物は意味が無いぜー」と言ってたのですが、これはちょっと・・・
閉園後、タイマーが切れ電気の消えたレストハウス、餌を探すサルたちに「何やってんだあいつは?」とちら見されながらまたも手術開始です。もちろんこれも獣医さんは呼べません。

40分後、手術終了。


       
お母さん、ごめんなさい、耳は、耳は治せませんでした・・・・・・
獣医さん呼べばよかった・・・・

おしりの秘密

さてさて、今回はおしりの秘密、さるの裏側を探ってみましょう!

みなさん、普通は 「さるのおしりは?」 と聞かれると答えは 「まっかっか」 です。
でも、通になると 「かっちかち」 や 「にっこにこ」 という答えもあります。
そう、さるのお尻には秘密がいっぱいなのです。

今日はその1 「しりだこ」 です。
「たこ」といっても人間の手のひらとか指に出来る皮膚が硬くなったものとはちょっと違います。
産まれた時にはもうついている、さるのおしりの機能なのです。

では使い方

           
モデルは、お母さんのはな代も気が強いけど、負けずにきかん坊のおてんば娘、最近大人の階段を登っているシンデレラ 「は代麻」チャン6才です。

乗っけてます。鉄棒の上に乗り体重を支えているのはしりだこです。
しりだこは触るとちょっと柔らかめの爪みたいな感じで、厚みがあり、硬いものの上に座るのにはぴったりです。
足裏、手、尻だこの3点で支えられ安定した中、目を瞑って味わっているのは川柳の枝でしょうか。


使い方2

           
今度のモデルは、弟、妹が兄さん、姉さんより強いニホンザル社会。ご多分にもれず兄さんのすず太を差し置いて、ブイブイ言わせ始めている次世代の風雲児「すず次」くん10才です。

挟んでます。鉄棒を挟み込んでいるのは二つのしりだこです。
さるは四足歩行ですから、人間のようにおしりの筋肉は発達せず、しりっぺたはほとんどありません。でもその分二つのしりだこで鉄棒をしっかりキャッチ、安定度は同じ3点支持のは代麻チャンより上でしょうか。
騒ぎを見つめるまなざしにも余裕があります。

どういう進化の過程で、このしりだこがサルたちに備わっているのか良く分かりませんが、これは人間にあってもいいかなと私は思います。
たとえジーパンのポケットの位置が変わるとしても。

さる山の上から

皆さんご無沙汰です。
アースデイも終わり、自分自身の充電してました。
といっても動物園のワークブック作りなど色々やることはあったのですが、
体を休め、気力満タン!頑張っていきましょー


さてさて、このブログのため、お小遣いためてデジカメ買いました!
悩んだ結果、水も埃も大丈夫、さるの○○○で汚れても水洗いOKってやつです。
これから先はシャッターチャンスは逃しません。

そのデジカメで最初の映像がこれ!

        

バカと煙はのごとくサル山の上に登ってみました。
普段もさる山を洗う時登るのですが、なぜかホースを手に持っていないと怖い・・・
恐る恐る歩いていると「どて華太」くんが不思議そうにこっち見てます。

高さは横の展望レストハウスの天井と同じぐらいで、
皆さんのいるところからは地上5m、サルたちのいる一番下からは10mというところでしょうか。
サルたち高いところは怖がりません。平気です。
もちろんさるも木から落ちることはありますが、子ザルたちはまったく気にせずこんな感じ。

          

そう言えば昔はサルの群れには見張り役がいるとか、ボスは山のてっぺんにいるとか言われていましたが、実はそんなことはありません。
自分を犠牲にして、みんなのために見張り役を買って出るさるもいないし、ボスは山のてっぺんが気持ちよい場所であればそこにいますが、そうでなければそこにいません。
一番上の「どて華太」くんがいる場所も、春先の寒い時期は日当たりがいいので人気スポットですが、夏は暑いし、冬は寒い、あまりいい場所ではないようです。

ボスを探す時は、自分が山の中にいることを想像し、気持ち良さそうな場所を探してみてください。

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