札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

2009年01月 の投稿一覧

ANIMAL FANTASY

金曜日、久しぶりに近代美術館に行ってきました。
お目当ては ANIMAL FANTASY イヌイト・アート&動物たち を観るためです。



先週の日曜日、今は富良野と屋久島にに本拠地を置いている天王寺動物園の元飼育係O氏が円山に遊びに来てくれました。
この方、息子が北海道でネイチャーガイド、娘が屋久島でネイチャーガイドをしていて、定年後の今は北海道と屋久島を行ったり来たりの生活を送っております。
うらやましい! (O氏の詳しい話はまた後日詳しく)

さて、このO氏、宮越屋のコーヒーとこの作品展のために札幌に出てきて、そのついでに動物園に寄ってくれたみたいです。
円山を案内し、色々と貴重なご意見をいただいたのですが、次の日富良野に帰る前に電話が。
「朝倉くん、あの作品展は見たほうええで!飼育係なら絶対見るべきやわ!」
尊敬するO氏が言うんですから間違いありません、
子供達は学校ですから嫁を誘うことにしました。
最初は渋っていた嫁ですが、同時にやっている常設展でシャガールも観れるということでOKです。



イヌイト 行くまで色々考えてました。
写真家の故星野道夫さんの本や写真集も結構持ってますし、昨年の10月に知床で椎名誠さんが北極圏の話をしてくれたのも印象に残っています。
アジアからベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸まで広がっていくなか、そこに残っていった人たち。
厳しい環境の中、自分達と自然、動物との関係を作り上げていった人たちです。


さて、いざ ANIMAL FANTASY
美術館に行くと作品を理解しようとして変に疲れたりしてしまう私ですが、この作品達は‘すとん‘と中に入ってきます。
作品の動物達、写実的には表現されていません。
でも、ただ単にデフォルメされるのではなく、生き物として大事な部分であったり、その動物の特徴であったりする場所がしっかりと、温かく表現されています。
ただ「かわいい」や「厳しい」「怖い」じゃないんです。
作品が比較的新しいせいでしょうか、星野さんの写真にある古いトーテムポールの様な荘厳さはありません。
でも同じ環境で生活しているものとして敬っていなければ、もしくはその歴史を引き継いでいなければこうはならないでしょう。
作品の動物の特徴に思わずクスッと笑ってしまいます。うちの子達を思い出しながら。

この作品展、現代の日本の作家さんの作品も結構ありました。
イヌイトとはまた違いますがおもしろかったです。
中でも大森暁生さんの「ぬけない棘の狼」
作品としてのメッセージは他にあると思いますが、このオオカミ、ほんとにオオカミでした。
楠木を削って造られているようなんですが、口元の微妙さが素晴らしかったです。


満足してこの会場を出て、常設展「エコール・ド・パリ 異邦人の夢」と「フレッシュ・アイズ」を観ました。
この 「フレッシュ・アイズ」 北海道教育大岩見沢校と近代美術館との連携で、学生たちが展示の企画から入り、作品選び、展示プランも作り上げたそうです。
当日も担当の学生が小学生の団体に作品の説明、どう思ったかなどファシリテーションしてました。
小学校では事前学習もあるようだし、いいなー 動物園でもやりたいな~

あっ 忘れてました。ANIMAL FANTASY 25日今日までです!これじゃあ紹介になりませんね…



帰り道、嫁も ANIMAL FANTASY には満足してくれていたようですが、ふと思い出し聞いてみました。
「ところでシャガールはどうだった?」
しばらくの沈黙の後
「……色がうすかった…」
ありがたみはありません

青と白の特権

一昨日の雪、すごかったですね。
動物園でも一日雪との戦いでした。


サル山も見えないぐらいに吹雪いております。

吹雪の中、ロードヒーティングが入っている場所に避難している
さる達を撮ろうとしても、雪にピントが合ってしまうぐらいです。



それでも、ちびすけ達はかまわず遊んでいますが、雪に埋まっています。





一夜開けると、雪がやみ空は青く、湿り気を帯びた雪が木の枝にが張り付いています。
こうなると動物園内、別世界です。


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開園前の動物園、人気は無く鳥の声と除雪機の音しか聞こえません。

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普段職場としてなれきっているこの景色ですが、ふと気づくと贅沢だなーと思います。
夏は職場に入って一つ目の深呼吸で木と土の香りが肺に入ってきます。
秋には枯葉の上を思いっきり歩けます。
春には日当たりによって日をずらして咲く桜の木に囲まれます。
しかも動物達がいます。
それなのに札幌駅から車で10分です。

贅沢です、 ありがたやありがたや・・・

開園前の特権許してください。 その分昼間は頑張ります。

お別れはキリンのユウマの鼻息で
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オオカミとシカと寝る

昨日から今日にかけて
円山動物園ナイトキャンプ 冬バージョンが開催されました。
小学生32人が園内でお泊りです。

今回はちょっと変えてみました。
今までは子供達の活動は午後からで、最初のメニューが飼育員と一緒の動物調査だったのですが、
今回は午前中から来て大人のチームリーダーと共に、私からの挑戦状にチャレンジしてもらいます。

サルチームの名前は 「キングコング」 子供達が決めたチーム名です。
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「キングコングチーム」の面々

8名の小学生に出した挑戦状とは
「新米ボス、中松(ちゅうまつ)を探せ!」と
「さるが何していたか私に教えなさい」の2つです。

子供達用の研究ノートを作る時に 「いやー 難しいですよ個体識別は」 と言っていたのですが、チャレンジすることが大事だし、さるをしっかり見てくれるだろうとこの課題にしました。
なんせ大きな声では言えませんが、うちの係長も・・・・・・・・

16時 子供達と合流です。
「朝倉先生、あれでしょ中松!」 8名の小学生あっさり識別です。 うちの係長の立場は・・・
合流してからは実際サル山の中に入ってもらいさるの仲間入り。
そして、外から観察&質問タイムです。

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いやー 識別力だけではなかった、観察力もたいしたもんです。
次々と鋭い質問が出てきます。
前回までとはちょっと違いました。


子供達はこの後、
調べた事を発表する準備、今日分かったことでみんなに伝えたいことはなんだろう?
子供達は真剣に話し合っていました。私は横でニヤニヤ笑ってます。

その後ナイトツアーをしてオオカミ・エゾシカ舎にお泊り。
そして今日も、朝6時半のモーニングプログラムから昼前のお母さん達への発表会まで、びっちり動物園を堪能してくれました。

いいなー こんな子達が将来飼育係になってくれたらなー
教えがいがあるだろうなー

最後にキングコングチームが作ってくれたニホンザルの秘密看板です。
しばらくは正門横の動物園センターに貼ってありますので皆さん見に来て下さい!
秘密が詰まってます。

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エクセレント

飼育係の集まり さるだらけ

最終日 裏集いスタートです。

湯田中温泉から山に向かって奥へ奥へと進むと地獄谷野猿公苑があります、
温泉に入るさる達がいる所です。
野猿公苑とは野生のサルを餌付けして、その場所に来るようにさせた所で、
有名な所では大分の高崎山なんかもそうです。
ニホンザルの研究はこの野猿公苑のさる達を対象に始まり、色々なことが調べられてきたのです。

ただ、イメージとしてあまり良いもの持っていなかったのですが、実際来てみて印象が変わりました。
見る人たちのマナーが良いことと、それを長い年月続けてきたせいでしょうか、
さるの動きが自然でそれでもって警戒心がありません。
屋久島の西部林道のさるを思い出しました。

さあいよいよ、これを見に来たと言っても良い写真です。



入ってます、あったかそう・・・

見ていて 「へー」 と思ったのが次



温泉の水飲んでます。
温泉の質にもよるんでしょうね、透明なお湯でした。
体にいいのかなー


次は前から持っていた疑問 「湯冷めしないのかなー?」
毛づくろいして結構早く乾いてました、大丈夫そう。


子猿やっぱかわいい! 警戒心ほぼ無し 
姉ちゃんと抱き合ってましたが、寄って来てもある程度までは姉ちゃん知らんぷり。
カメラ覗き込んでます。




ほっといたら一日中居たでしょう。
でも飛行機の時間があるのでお昼でお別れです。
そういえば注意看板に面白いこと書いてました。
「さるに話しかけないで下さい」
分かる気がします。


最後、帰る前に魚津市水族館に寄り、初日に食べた魚達にご対面です。
これはてんぷらで食べたゲンゲちゃん。
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富山湾の魚達をメインに紹介してました、身近に感じてもらうこと、つながっていることを意識してもらうのが私たちの大きな役割です。


今年も楽しい旅でした。
頑張っている沢山の同志にも会えました。
「動物達のために」 「動物園を良くしたい」 が自分の役割と思っているすばらしい人達です。
来年は姫路で開催
頑張って行くぞー そのためにお金ためるぞー

飼育係の集まり 終わりです。

飼育係の集まり 再び動物園めぐりのはず編

飼育の集いまだ続いています。
この日も朝から車の運転があったので、昨夜は長野に来て日本酒をセーブするという苦行を強いられました。
「真澄」よ「大信州」よすまなかった・・・

さて、今日はまず、茶臼山動物園見学!

長野市の市街地から南西、標高730mの茶臼山の麓にあり、自然の環境を利用した緑の多い動物園です。
レッサーパンダで有名な動物園で、いくつかの放飼場に分かれて7、8頭いたでしょうか。



新レッサーパンダ舎も建設予定だそうです。新しい獣舎を見るとその園のやりたいこと、やり方が見えてきます。楽しみに待ちましょう!

他にも沢山の動物がいて、気になるやつらもあちこちに。
ニホンザルも勿論ですが、 こいつがいました! 「ウォンバット」



以前うちの園で飼っていた時、担当していたのですが、寝ているだけで人気があるやつはそうはいません。
でも実はこの子達、見かけによらず気が荒いやつが多いんです。
(うちにいた2頭は優しいやつらでしたが)
どんな攻撃を仕掛けてくるかと言うと 「すねを噛む!」 「ももを噛む!」 という下半身攻撃がメイン。
これが半端でなく痛い!ゴリッ って音がします。力加減なしですから。


昼過ぎまで見せていただき、次は城山動物園、須坂市動物園(ハッチがいる所ね)へ向かいます。
城山と須坂の人に 「少し遅れて車で向かいますんで、見さしてもらいます!」 と言伝て茶臼山を後にしました。

車のナビに従いながら向かっていると気になる看板が、
「川中島古戦場こちら」 「うおおおおっーーー 見たいーーーー!」
実は私、時代小説大好きです。寝る前に時代小説を読むことが、中学時代からの私の習慣です。
明日への活力源なのです。

  

じっくり見学です、説明看板も全部読んでます。
この時点で須坂市動物園行き消えました・・・
「まあ、しばらく会わないから、次に会う時までには忘れてくれてるよね、ごめんね!」
と心の中で呟いて城山動物園に向かいます。

さあ、城山まであとわずか、ナビの解説も忙しくなってきています。
その時また気になる看板が、
「善光寺こちら」 「うおおおおっーーー 見たいーーーー!牛に曳かれて行きたいーーー」


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内陣券を買い、本堂を拝観しました。夕方のお勤めも拝聴しました。おそばも・・・
城山動物園・・・ アウトです。
ちなみに城山動物園は善光寺のすぐ裏手にあります・・・


両動物園が見られずに、この後どこへ向かったかというと、明日 地獄谷野猿公苑でサルを見るために、
湯田中温泉へ向かいました。
何とか暗くなる前に着き、大森山動物園、秋吉台サファリランドの人たちと合流、乾杯です。
遅れてくる茶臼山動物園の人から連絡が入りました。
「あと二人連れて行くからー!」  おー 楽しくなりそうだ!

7時ごろ全員集合

来てくれたのは城山動物園、須坂市動物園の人たちでした・・・ 
「朝倉さーん 来るって言ってましたよねー」
「ごめん、川中島古戦場と善光寺行ってて・・・」
「善光寺はまだ分かるけど、川中島ってどうゆうことですか!」
「だって武田信玄が・・・・」

裏集い スタートです

飼育係の集まり 本番編

いよいよ飼育の集い本番当日です。
富山から北陸自動車道で長野に向かいます。



存在感のある立山連峰が視界の半分を占めています。
本州に行ってよく 「北海道の山と違うなー」 と思うのです。
植生はもちろんなのですが、山の際まで民家があったり、緑の濃さが違ったり。
でも、この信州の山々はもう一味違いました。
3000m級の山が続くこの景色 「霊山」 「立山信仰」 という言葉がすんなり受け入れられるような雄々しい姿が目に刺さります。
地元に住んでいる人達にとってどんな存在なのでしょうか。
そういえば長野の人が言ってました 「この間旅行に行ったら、周りに山が無くて落ち着かなかった」 と、守られている、一緒にいる、どちらにしても生活のバックボーンにこういう景色があることは良い事だとおもいます。
札幌に住んでいる私たちにとっては円山や藻岩山、石狩の海や豊平川がそういう存在でしょうか。

そんなことを考えながら車を運転して、黒部を過ぎたあたりだったでしょうか、見たことの無い看板が。
「トンネル 26分の1」 んっ どうゆうこっちゃ?
進むにつれ次第に分かってきました。そこから上越まで約80km、その間に26本のトンネルがあるのです。
しかも1本1本が長い長い! 2km、3kmあたりまえ、長いのは4~5km、上越までの半分がトンネルです。
昨日飲み過ぎなくてよかった、タイムボカンか、ドラえもんのタイムトンネル状態。意識が飛びそうです。

そんなこんなで3時間、会場の国民宿舎松代荘へ到着です。
今回は全国から150人が集まりました!
さあ気合を入れて、まずは特別講演からスタートです!


今回は京大の霊長類研究所の先生が 「遺伝子から食べ物の好き嫌いがわかる?」 という題で講演してくれました。
内容はと言うと・・・ 大丈夫ちゃんと起きて聞いてました。
ゲノム解析の話なんですが、遺伝子の中にいろんな情報を受け取るやつらがいます。
例えば 「味」  味覚受容体と呼ばれるこいつらは人間だと50個位あるのですが、それがそれぞれ 「甘み」 を感じるやつだったり 「すっぱさ」 を感じるやつだったりします。
これが遺伝的に生まれた時から持っていない、つまり感じることができない人や動物がいるという話なのです。
今の若い人はファーストフードばっかり食べてるから味わかんないんだ! ということだけではないみたいです。
サルの顔を思い出しながら、もしやあの親子・・・思い当たる節があります。

さあお次は分科会、グループに分かれて今回のテーマ「ガイド」について話し合います。
このグループ分けがほかの職種とちょっと違います。
第1グループ「サル」 第2グループ「ゾウ」ってな感じで13グループ、結婚式のテーブル名ではありません、
なかには「馴致・調教」グループなんてのもあります。
ちなみに私は「有袋類」グループ。 えっ サルじゃないのかって? いろいろあるんです・・・


そしていよいよ本本番! 宴会だーー





サンパレスのCM並みのこの景色、老若男女の飼育係の集まりです。
もちろん最初はまじめな話、実は途中もまじめな話、そして朝までまじめな話。
嘘じゃないんです!みんな仕事の、動物の話ばっかりなんです!
身銭きって来ているだけはあります、 学ぶ場 それは飼育の集いの宴会

みんな自分の動物園に戻ればいろいろあるんですよね、特に民間の動物園は利益を上げるために動物に無理を強いることもあるみたいです。そんな日々で心が折れそうになった時、この飼育の集いに参加して大きな志をもう一度持つことができる!結構大事だと思います。

また来年も来たいな~
たぶん来るんだろうな~
嫁にはまた文句言われるんだろうな~
まっ いいか 怒られても

飼育係の集まり、終わったようですが、実はまだ続きます…

飼育係の集まり 富山の夜編

飼育係の集まり1日目の夜、富山の夜編です。

後ろ髪引かれながら富山ファミリーパークを後にしたのですが、
それ以上の力で前髪をぐいぐい引っ張って、私を富山の飲み屋さんに引っ張ってくれたのが
魚津水族館の稲村さん。
この方とは、6年前、日本動物園水族館協会主催のオーストラリア見学旅行に一緒に行ってからの
お付き合いです。
いやー 今思い出しても楽しい旅でした。
その前にも2回、オーストラリアに行って動物見たりしてるのですが、さすが日本動物園水族館協会主催、
対応してくれるのが偉い人!ですから今後の日本の有袋類飼育についての相談なんかにも丁寧に答えてくれました。
そしてこの稲村さんがお酒が好きで英語がしゃべれる、もう一人、野毛山動物園の薄井さんと3人でオーストラリアのスーパーで売っていた地ビールの半分位(種類)は飲んだんではないでしょうか。
その稲村さん、今は北大の大学院にも在籍しているので、札幌に来た時はたまに飲むのですが、私が富山に乗り込むのは初めて!

どこが良いかなー と連れて行ってくれたのが駅から近いところにある 「宿坊」 富山の地の物にこだわった
お店です。



雰囲気の良い茶室のにじり口のような入り口から入ると、どうやらこの日の口開けのようです。
富山の新鮮な魚と賑やかなおばちゃん達がお出迎えです。
早速 「稲村さん ホタルイカ食べたい!」 と言うと 「あれは3月だ」 と却下されました。

ところでこのお店、小上がりが変わってました。



テーブルは無く、小さめのお膳(二の膳?)が4つ、「へー 富山の小上がりってこんな感じなんだ」 と言うと
「この店だけだよ」 とのことでした。
でもなんか あずましい 、親戚の家に遊びに行った感覚です。
で、おすすめは?と聞いて最初に出てきたのがこれ



白えびのから揚げです。
カラが柔らかく、口の中に甘みが広がります。
ところで、写真の白えびがばらついているのは、もう箸をつけてしまっているからです。
食べてから 「あっ 写真」 と思い出します。この後出てくる写真もみんなそうです、ご容赦ください。
慣れてないもので・・・

その後出てきた刺身盛りに焼き魚。違うもんですねー 同じような物でも。

刺身盛りのつぶは(なんか違う名前だったかな?)磯の香りは濃くなく、歯ごたえが少し弱い分、まろやかな甘みが味わえます。
焼き魚も脂分が少ないなか、身に味がある!おいしい塩がしみているような味です。
(おいしい塩の味だったりして・・・)
あと、富山で 「新鮮な」 と言うのを 「きときと」 と言うそうです。 きときとの魚と言う使い方です。
なんかちょっと違和感・・・

9時まで食べて飲んで、稲村さんはまだ仕事があると帰って行かれました。
ホタルイカは食べられなかったけれど、富山の食味 堪能しました。ありがとうございます。
今度は札幌でお待ちしてます。

全国の動物園をめぐる時、その土地の食べ物の味を知ることも飼育に役立つと信じております。
そうそう、餌に使う小魚の種類も場所によって違うんです。あまり関係ないか・・・

飼育の集い本当の本編は次回と言うことで

飼育係の集まり2

前回、前置きで終ってしまいましたが、今回もまた、四方山話からスタートです。

前回の最後に嫁から集いに行く理解が得られないと書きましたが、
10数年前までは職場でもなかなか理解は得られませんでした。
と言うか 「研修だろうが、他の動物園見に行くであろうが、仕事を休んでまで行く価値がない」
と言う考えが主流でした。
「自分の動物見ないで、他の所の動物見てどうするのよ!」 とよく言われたものです。
まあ、一理あります。 
実際動物を観察していると、休みが1日だけなら(週休1日だった頃)休みの前の日の動物と、
休み明けの日の動物が繋がるのです。
「あー たぶん昨日こいつにこんなことがあったんだな、だから今日はこうなんだ」 と言う感じです。
でもこれが休みを2日挟むと 「なんで?」 って感じになります。別人(動物)になっていることも間々あります。

「動物達のために」 どちらもそう考えてのことですが、私は外に出る方を選びました。
フィードバックできることが多いことを知ってしまいましたから。 そしてその楽しみも・・・



さて、ようやく飼育の集い本編です。ごめんなさい、前置きが長くて

初日に(飼育の集い前日)訪れたのは富山市ファミリーパーク
来たかったんです!ここ!
24年前の開園の時から日本の動物、周りの自然、そして里山をコンセプトとして、地元の人たちと繋がった活動を繰り広げています。

いろんなことに使えそうな明るくて広いホール

横にはペレットストーブも置いてあります。ガラスは子供達が書いた絵がびっちり

広い園内には獣舎がわりと離れて配置され、途中には色んな展示、その周りは竹林が広がっています。






後、北海道ではなかなか無いのが、園内で柿生ってます。
サル山の横にもあって、柿が熟して落ちるとサルが拾って食べてました。
良い感じです。 なんせサルと柿ですから

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北海道ではなかなかイメージしにくい里山、富山での人と自然の付き合い方、ちょっとだけ感じることが出来ました。

夕方までで見る時間が4時間しか無かったのが残念! でも、しょうがないんです。
何せこの後、人と待ち合わせですから、富山市の居酒屋で。
後ろ髪引かれますが、前髪も引かれてます。
ちょっと変わった居酒屋さんでの話は次回と言うことで!
飼育の集いはまだ後です・・・

全国の飼育係が集まった

12月に信州に出かけてきました。
目的は「第24回全国飼育の集い 長野大会」への出席です。

富山空港から見た立山連峰

まずこの「飼育の集い」とはなんぞや?と言う話しですが、
これは全国の飼育係が集まり勉強、情報交換、交流をしようというのが目的の年1回の催しです。

24年前
「研究会や他園との交流などは獣医師や役職者がすること!飼育係は動物の世話をしていればよい!」
という風潮が残っていた中、 飼育係が飼育動物のためにも、自分達のためにも、横のつながりを作っていこう!と京都で始まったのがこの会です。

今では全国の園館の有志が持ち回りで開催しています。参加費は自費です。
私も12年前の北九州大会から参加してますが、今でもあの時の緊張を思い出します。

若き朝倉は先輩に交流会の入り口まで連れて行かれ、そこで 「じゃあ 頑張れよ!」 と放り出されました。
気が付くと周りには約200人のひげ面や目つきの鋭い、噛んだら苦ーい汁出しそうなおやじ達、
名簿と名札を見比べながらその時担当していたカンガルーに詳しそうな人に恐る恐る話しかけます。
「有袋類のこともっと知りたいのですが、勉強会などないでしょうか?」
消え入るような声です。
「そんなんねーよ!」の冷たい返事
ああそうですか、お邪魔しましたとその場を立ち去ろうとしたら
「そうだ お前作れ」 
ええー そんなー 僕は津軽海峡の向こうから来た田舎もんで、飼育もまだ経験が浅く・・・ 
話は聞いてくれません。設立準備会議スタートです。

でもおかげで、その有袋類勉強会も今年で11年を迎えました。日本の動物園での有袋類飼育にいくらか貢献出来ているのではないでしょうか。

やらなきゃだめ、考えなきゃだめ、会わなきゃだめ、話さなきゃだめ、そして飲まなきゃだめ、基本を教えてくれたのがこの集まりです。
動物の相性を踏まえたペアリングや繁殖技術の伝承、けっこうな事の基礎がこの会で話されたりします。
有意義な集まりです。

こんな良い集いなのですが、残念なことに家庭での理解は得られません。
嫁は「どうせ遊んで、飲んでるだけでしょ!一人で旅行して!」と毎年きつい言葉を投げかけます。
まあ、半分は当たっているのですが・・・

長くなりました、本編は次回と言う事で

冬の必需品

みなさん 明けましておめでとうございます。

今年も円山動物園をよろしくお願いいたします。
さて、冬本番を向かえ、サル山もすっぽり雪に包まれています。
ニホンザルは約200種類いるサルの仲間で、世界一北に棲むおサルさんですが、
やはり寒いよりは暖かい方が好き。
そんなサル達に冬の必需品を用意しました。
下の写真が必需品設置前と設置後です。
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そう、必需品とはトラックのタイヤです。
尻ダコがついているとはいえやはり雪に座るとお尻が冷たい!
タイヤは氷が着いてもすぐ取れるし、日が照れば温まるのもはやい!
サル達に人気のアイテムの一つです。

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サル達が喜んでくれるのは飼育係としては嬉しいものです。
ただ、このタイヤ重い!

まずは、5本のタイヤを雪の中から掘り出して、手すりの上から「えいやっ!」と投げ込むのですが、
手すりの上まで持ち上げるのが大仕事です。
「んふ~っ おりゃー」と筋肉番付の出場選手しか出さないような声を上げタイヤを山の中に放り投げます。
このとき気を付けなければいけないのが下にサルが居るかどうか。
手すりの上にあるタイヤをプルプル震えた手で押さえながら「お前らどけー」と怒鳴ります。易しい口調で言う余裕はありません。
何とか5本投げ入れると今度は山の上へ上げる作業。
また「んふ~っ おりゃー」と悩ましい声をあげ始めます。
「お前らも手伝え!」とサル達に無理な注文を出しながらタイヤを良さげな場所へ設置。

作業が終ると体はカクカク、イスにに座ると真っ白な灰状態です。
でも去年はもうちょっと楽に出来たような・・・
筋力の衰えが実感できる年に一度の作業、来年も一人で出来るでしょうか。
でもその前に、春にはこのタイヤ出す作業が・・・
考えるのは止めましょう、やらなきゃいけない事が目の前に来ればやるんでしょうから。

今年もサルともども、よろしくお願いします。

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