札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

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釧路湿原

飼育員から事務職員に移って早2ヶ月、また違う面白さの中日々がんばっております。
このブログも引き継ぐか、一緒にやるか決めなければいけないのですが、
とりあえずは途中で滞っている環境教育学会北海道支部の報告、2日目分は書かなければ
お付き合い下さい


さて、2日目はエクスカーションとして釧路湿原めぐり
温根内ビジターセンター出発です。
釧路にはけっこう来ているのですが、いつも行くのは釧路市動物園ばかり、実は湿原歩くの初めてです。



今回のエクスカーションもいろんな専門家と一緒ですから楽しい限りです。
木道に糞が落ちていれば、落とし主の種類や食べ物について
トンボか飛んでいればその生態
水の中を覗き込めば、この環境ならではの生態系の広がりの話など
誰の近くにいれば一番楽しいのか迷ってしまいます。



途中興味深いこんな話も・・・
「アメリカミンクとニホンザリガニ、ウチダザリガニの三角関係」
湿原内に昔から棲んでいるニホンザリガニさん、
落ち葉が主食、冷たい水が大好きです。
そこに新しく入ってきた外来種の
ウチダザリガニさんとアメリカミンクさん
ウチダザリガニさんはまだ湿原内には入っていないようですが、付近の河川にはうっじゃうじゃ
ウチダさんはニホンザリガニさんも食べちゃいます


      当日ボランティアさんが駆除したウチダザリガニです

アメリカミンクさんはそのウチダザリガニさんが大好きです
糞を調べるとウチダザリガニがてんこ盛り、捕獲しやすく栄養満点といったところでしょうか


      たぶんアメリカミンクの足跡

外来種(特に侵略的外来種と呼ばれるもの)、いろいろな問題を引き起こします。
それではここで対処法を考えてみると
ウチダザリガニさん減らしましょう!
        ↓
ミンクが今度はニホンザリガニを

ミンクさん減らしましょう!
        ↓
ウチダさんがニホンザリガニの生息地を・・・

ミンクとウチダさんを同時に同程度減らしましょう!
        ↓
できるかな・・・・・
難しいところです

温根内のあとは釧路川の再蛇行化の状態を見学



札幌市内では湿原がほぼなくなってしまいましたが、北海道で見れば国内の8割の湿原面積です。
今の人間生活では使えないから役に立たない場所、それだけが判断基準でしょうか





昼食後は一人、シラルトロ湖畔でお昼寝
ヒシの実が流れ着いています

合宿だ!!  その4

合宿 最後の日
といっても閉会式して帰るわけではありません。
15時まで研修は続きます。

昨日も企画作りはやりましたが、今日は実際学校から依頼があった場合の4泊5日のプログラム企画・立案シュミレーションからスタートです。



学校から出された与件を踏まえてプログラムを企画します。
30人2クラス 5年生
限られた予算内で
塾通いの子供が多く、外遊びの経験、自然体験活動の経験は少ない
地域の自然、歴史、文化などに触れるプログラム  
等々の与件

そしてこちら側の思い、ポテンシャル分析、コンセプトに目標
そして教育課程との関連性も考えなければなりません。

学校の先生も自然体験活動はやらせたいけど、指導要領に載っている各教科の時間数は曲げられません。
そこでプログラムを教科に関連付けして、このプログラムは社会と国語の授業と位置づけるのです。
小学校5年生の指導要領、読み込む必要がありました。

班員4名の知識、経験を総動員しても、1時間に1度は頭から煙が出そうになります。
これが必要なんでしょうけど・・・


2泊3日の研修が終了です。
動物園単体で長期の宿泊研修を受け入れることは難しいでしょうが、コラボではあるかもしれません。
また、プログラム立案やリスクマネジメント、教科との関連性などこれから先必要なものを頂きました。

修了証はもらいましたがまだまだ指導員とは言えないでしょう。
もらったのは終了証かな

その4まで 書いた最後が 親父ギャグ

お粗末さまでした

合宿だ!!  その3

いやー 昨日の飲み・・・じゃなくて お話し合い 楽しかった!
いろんな人がいるものです。
別海町で青少年教育担当しながら、海外協力隊でケニアに行って向こうの子供達のケアしてる人
小樽でライフセービングクラブ立ち上げて、ほぼボランティアで海の安全守っている人
ねっ 話し聞いてみたいでしょ  でまた、みんなかっこいいんだよな同い年ぐらいなのに
なにがちがうんだろ?     元が違うのか・・・

まあ今晩もあるだろうし、張り切っていきましょう!

今日も元気に研修会、9時スタートで21時半終了予定です。
本日のメインは 『クチャ・チセ』 作り、
これはアイヌ式の狩小屋で、森の中にあるものを使って作る小さな小屋です。

用意されたのは棒っこと道具



あとはその辺から自分達で調達します。
活動の意義としては、文化、自然体験や協力しての作業、達成感など色々あるのですが、
まあ面白い、方向性はみんなで確認しないとちぐはぐになってしまいますが、
自然に役割分担しながら2時間半ほどで完成です。
うちの班の作品はこれ



                      右側


                      左側

                正面

狩小屋ですから自然に溶け込むように、左右でイメージを変えてみました。
私は枯れてる方メインに作成です。 タイトルは日高枯れススキ

完成後、他の班のみんなに、どんな思いで作ったかをアピールして



解体、 使用しているものはすべて自然な物なので、邪魔にならない所に置いとけば土に返ります。
本来は川柳の枝と蕗や笹で作りあげ、使い終わってもそのままにしておき、次に猟に来た人がつかったりするそうです。


その後も夜までびっちり講義、
クチャチセ作りを子供達にやらせるとすると、なにを目的とし、必要な時間は?手順に必要な道具、スタッフ人数、リスクマネジメントを1時間でまとめろとか、
水辺での活動時のリスクマネジメントを実際活動している人が話しに来てくれたりとか、
頭いっぱい、腹いっぱい、耳から黄色い液が出てきそうです。

でも必要なんです夜の話し合い、
今夜は能條先生を捉まえて、なぜ講義で、出来ないとわかっている1時間での企画作りをさせるのか、参加者にキーワードを話すタイミングやその意味について等、昼間の疑問をぶっつけます。

3時・・・ 気は高ぶっていますが寝なければ
明日、 いや今日は最終日
なぜか体重は増えています・・・

合宿だ!!  その2

朝7時、札幌駅北口『鐘の広場』に集合
長年札幌に住んで、札幌駅利用してますがそんなところ知りません。
15分ほど歩き回り鐘を探します。
どうしようもなく駅の人に聞いてみると、広場はコンコース、室内にあり
ちっちゃな鐘がありました・・・ わかるかっ!

どの人が参加者かなー と周りを見渡すと、あらあら小樽水族館のW課長がいらっしゃるではありませんか。
現場たたき上げで水族館歴30数年、大先輩であります。
水族館の方がこの研修会に参加してくれている喜びもありますが、大先輩のしかも課長さんが参加していることに頭が下がる思いです。

日高に到着後、すぐに研修はスタートです。
開会式もそこそこに本日の研修は10時半から21時半まで、講義に実習盛りだくさんです。
最初の2時間×2コマは動物園でいつもお世話になっている岩見沢教育大の能條先生
「空模様が怪しいですね、1コマ目に予定していた講義と、2コマ目実習入れ替えれますけどどうしますか?」
最初から試されている気がします。



やっぱりみんな外が好き、実習を先に選ぶと能條先生からのお言葉です。
「アクティビティーの順番や中身は参加者の状態で変えなければいけません。小学生が1クラス全員参加の形だと、参加の意欲を持っていない子も必ずいます。その子らにとってプログラムスタート時の雨がどう影響するか、考える要素はいろいろあります。参加者の様子を見て決定してください。」
なるほどねー

さあ本日のプログラム、始まりです。
最初のアクティビティーは『じゃんけん落ち葉集め』
アイスブレイク(参加者の緊張感を解くためのもの)と自己紹介をかねてのもので、
2人で自己紹介した後じゃんけんして、勝った方は落ち葉を1枚拾います。
それを繰り返すのですが、次からは違う種類の落ち葉を拾うのがルールです。
最後にはみんなで集めた落ち葉を分類し、この辺りに何種類の木があるかを考えるのです。

ここで大事なのは、実際何種類かあったかを調べ、答えを出すことではなく、協同して考え、自分の意見を言いながら分けていく作業です。
初めて参加すると 『あれっ 答えは教えてくれないの?』 と思うかもしれませんが、自然体験活動の大事にしている所は、それぞれが体験から感じ、考えること
指導者は感じたことを膨らませもう少し考えさせたり、言葉として引き出したりすることが役割です。これを振り返りといいます。

次はグループ分けをかねたもので、
動物の特徴が書いたカードを1枚引き、書いてある事から動物を想像し、同じ動物の説明を引いた人がグループになります。


    このカード何の動物の説明だかわかりますか?


実際体験し、感じて、講義でその意義を理解しを繰り返します。

本日最後の講義は、体験活動の指導法②ナイトプログラムの運営です。
講師はC・C・C富良野自然塾の中島さん

そうです、倉本聡さんが塾長をしているNPO法人です。
聞いてみると より自然を感じてもらえるように、倉本さんが体験のストーリーを考え中島さん達がそれを形にしてるそうです。
円山でもテーマにしている 『受け取る側のことを考える』 そうかその道のプロですね倉本さんは。

アイマスクをして夜の森を歩くプログラム、しゃべってはいけません

    女子大生に手を引かれ夜道を歩く小樽水族館W課長

21時半 やっと終りました
風呂でも入って、いつもならここから飲み会なのですが、そこは日高青少年の家ですから・・・
お話し合いスタート!

色々な人の集まり、楽しい夜です
午前2時半・・・  明日のことを考え就寝です。
明日も頑張るぞー!

合宿だ!!  その1

昨日まで2泊3日で、日高少年自然の家で行われた
『自然体験活動 指導者養成研修会』に参加してきました。



これは何者かというと、
国の計画で、平成25年までに全国の小学生(5年生約120万人)全員は、1週間程度の宿泊型自然体験活動をする体制をつくる!というがあるのですが (すごい話だな)
この際、学校側に助言を行ったり、実施したりする指導者を、これまた平成25年までに2万人作ろうという作戦のことです。 (1回の講習者20人だと1000回開催か・・・)


緊急に動物園にとって必要はないので悩んだのですが、活動時のリスクマネジメントやプログラム立案など理論的に学べそうなので参加することにしました。

この研修会ひとことで・・・ きつかった・・・ そう、まるで合宿です。
もちろん楽しくて、ためにもなったのですが、こんなに考えたり、字を書いたのは久しぶりです。


さてさて、どんな研修会だったか、次回1日目からの紹介です。

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