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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


投稿したブログ数:35件

私的 2014年のベストな10冊

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2014年もたくさんの本に楽しませてもらいましたが、ここでは、今年(2014年)に刊行された本に限って、「おもしろかった本」「印象に残った本」のベストテンを選んでみました。

 

1位 さようならと言ってなかった わが愛 わが罪

猪瀬直樹さんの作家復帰第一作。淡々とした筆致ゆえに、林真理子さんの帯文−《この作家の夫婦愛に泣き、不運さに憤る。》−の通り、読者は感情を揺さぶられるのです(この本についてはこちらでも紹介しました)。

 

2位 ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

《絶滅か、それとも進歩か。それは僕たち次第だ。未来が勝手によくなるわけはない—ということは、今僕たちがそれを創らなければならないということだ。》(「終わりに 停滞かシンギュラリティか」)。

 

3位 金哲彦のはじめてのランニング 運動ゼロからレース出場まで

たまたま今年の春から走り始めた私がたまたま見かけて手にとった本でしたが、まさしく「運動ゼロから」の人を対象にしており、安心して読めます。ちょっとでも気になったら、とりあえず、読んでみましょう。

 
4位 1964年のジャイアント馬場

『1976年のアントニオ猪木』や『1985年のクラッシュ・ギャルズ』の柳澤健氏の最新刊。馬場はすぐれたアスリートであるとともに、自分自身をプロモートすることに長けた人物だったのですね。

 

5位 マラカナンの悲劇: 世界サッカー史上最大の敗北
6位 礎・清水FCと堀田哲爾が刻んだ日本サッカー五〇年史
7位 Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か

今年は(じつは)ワールドカップが開催された年でした(もうすっかり忘れ去られてますが)。そのためサッカー本もたくさん出ましたが、なかでも印象に残ったのがこの3冊。『マラカナンの悲劇』と『礎』は、いずれも、一次資料を丹念に当たり、関係した人々のインタビューを重ねた結果の重厚なノンフィクション。『Jリーグの戦術は…』は、近年増えているサッカー戦術論がテーマではありますが、著者(西部謙司氏)の文章がとてもわかりやすく、映像がないのにまるで映像を見ているかのように理解できるのが素晴らしい。

 

8位 「本が売れない」というけれど
9位 メディアの苦悩――28人の証言

オールドメディアについてメディアの側から論じると、とかくノスタルジックな感情論に陥りがちですが、この2冊は、当事者ならではの感覚を持ちながらも、読者の側に立った視点を強く意識してメディアを論じている、とてもバランスのいい本です。本や出版やコンテンツビジネスに関心のある方にはとくにおすすめ。

 

10位 日本漁業の真実 (ちくま新書)

農林漁業というけれど、世の中で論じられるのはとかく農業だったりするわけで、漁業については意外に知られていない、というより、情報が少ない中、さまざまな角度から日本の漁業の現状と課題をまとめた良書です。

 
番外 ジャイキリ読んで〇〇してきました

ストーリー性やテーマ性という点で、もはや漫画を漫画以外の本(文字だけの本)と区別することはなかろうとも思うのですが、こうして並べてみるとこの中に入れるにはちょっと無理がある感じがしたので、番外として紹介します。サッカー(とくにJリーグ)をライブで見ることの楽しさがこれほどまでにわかりやすく語られているのは見たことがない!と感じたコミックエッセイです。Jリーグ好きの方はJリーグ未体験の人にどんどん勧めましょう。

 

ということで、10月から始めたこの書評ブログ、12月に入ってペースが落ちてしまいましたが、年明けからは週1ぐらいで、新刊旧刊問わずに、ただただおもしろい本の紹介を続けていこうと思っています。本年は短い間のお付き合いでしたが、ありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

 

みなさま、よいお年を!

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