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by 大熊 一精

大熊 一精
プロフィール

1967年生まれ、埼玉県川越市出身。
銀行系シンクタンクに12年間勤務の後、2002年から札幌市に移り住み、現在はフリーランスのコンサルタントとして活動中。 「一日一冊」を目標に、ジャンルを問わずに、本を読んでいます。読書量全体のうち、電子書籍端末で読む割合は3割ぐらい。 札幌市民になってからは、毎年、コンサドーレ札幌のシーズンチケットを購入し、2014年シーズンで13年目。週末ごとに悲しい思いをすることのほうが多いのに、自分が生きているうちに一度ぐらいはJ1で優勝してほしいと願いながら、懲りずに応援を続けてます。
著書「北大の研究者たち 7人の言葉」(エイチエス、2012年刊)


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『さようならと言ってなかった わが愛 わが罪』猪瀬直樹(マガジンハウス)

『さようならと言ってなかった わが愛 わが罪』猪瀬直樹(マガジンハウス)

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涙なくしては、あるいは、泣けた(泣ける)といった言葉は、いまの時代にあっては安っぽくなりすぎて、使うのが憚られる形容句です。

それでも、この本に関しては、涙、という言葉を使わざるを得ません。

読んでいる途中で、何度か、涙がじわっと滲んできて、電車の中なのにと、自分自身に困惑しました。

妻への(まったく予期していなかった)余命数ヶ月の宣告と、そんな私事とは無関係に流れていく東京都知事としての多忙な日々=オリンピック招致という日常以上に多忙な日々=を記録した第一章「ある日、突然に」。

妻への感謝を、ありきたりの美辞麗句を並べるのではなく、妻との日常を綴っていくことで描いた第二章「何もなくても愛があれば」。

そして、思いがけずに副知事そして知事へと転身し、しかし自らの《軽率な行動が都民の負託を裏切ることに》なった経緯を率直に《お詫びするしかない》と振り返る第三章「走り抜けて」。

多くの人に読んでほしい本です。

コメント / トラックバック 1 件

私的 2014年のベストな10冊|読書の茶柱2014/12/28 05:43

[…] 猪瀬直樹さんの作家復帰第一作。淡々とした筆致ゆえに、林真理子さんの帯文−《この作家の夫婦愛に泣き、不運さに憤る。》−の通り、読者は感情を揺さぶられるのです(この本についてはこちらでも紹介しました)。 […]

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