札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

2012年11月 の投稿一覧

愛蛇来ません。

本題に入る前に癒しの画像から。



アジアゾーンでの一枚。
新施設では、マレーグマとハイタッチ!している気になれる!

メガネの見据える先が、何もない空間であることは置いといて…

開催を5日後に控えた「貴方の愛蛇写真展」ですが、
肝心の愛蛇写真が来ません。一枚も来ません。

愛蛇家の皆様は奥ゆかしい方々ばかりなのでしょうか。まさかの0枚。
シャイボーイ、シャイガールだらけなのにも程があるってもんです。

危機感に駆られたメガネは、夜な夜なポスターを貼りながら徘徊します。



ここにも



そこにも



あそこにも。



動物園だけでは飽き足らず



地下鉄円山公園駅にも。愛蛇写真展ポスターの拡散は止まる所を知りません。
探してみると、意外なところにあるかもよ。

夜毎虚ろなる表情で感染因子(ポスター)を撒き散らすメガネは、宛らゾンビのよう。
このままではメガネ オブ ザ デッドの主役になりかねません。かゆ、うま。

12年に1度のヘビ年を盛り上げるためにも、
未曾有のゾンビハザードから世界を救うためにも、
愛蛇家の皆さま、思い切って愛する蛇達の写真を円山動物園までお送りください。

宛先はこちら
〒064-0959 札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 愛蛇写真展係
お待ちしております。

ちなみに以前ご紹介したリビングデッドの生前の姿がこちら。



血色もよく、半笑い。全然怖くないですね。


ダーウィンが来た!が来た!!

去る11/23、円山動物園で「NHK×円山動物園 冬の動物園わくわくナイト! ~NHK「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」の世界~」が行われました。



イベントの様子を少しだけご紹介。
写真はマルヤマンとヒゲじいのレアツーショット。

NHKの環境キャンペーンの一環として実施されたわけですが、
それよりなにより、彼の有名番組とのコラボイベントというだけで、
生き物好きとしては居ても立っても居られないわけで、頼まれてもいないのに、
休日を押してイベント記録係を買って出てございます。

イベントは大きく2パート。

1つは、ダーウィンが来た!でも使用されるような
ハイテクノロジーな撮影機器を目の前にした体験パート。



機器の値段を聞くと、心臓に悪い思いをいたします。



厳寒の屋外体験にもかかわらず、撮影体験コーナーは大繁盛。
スタッフのはずのメガネ一名も、大はしゃぎしておりました。



2パート目は、番組ディレクターの足立さんによるトークセミナー。
人気番組の制作に関わるエピソードに、会場は熱心に耳を傾けています。
大人げない大人メガネも、大興奮。
ここでしか聞けないヒゲじいの内緒話も…!



セミナー終了後も、質問攻めに。
魅力的な番組がどのようにして作られているか、
皆さん気になって仕方がない様子。

貴重な体験から、興味深いお話まで、
それはそれは、素敵な素敵な夜にございました。

とか書いている間にも、番組が始まってしまっていますね。
早く帰って録画をチェックすることといたしましょう。

愛蛇はじめます。



北のカリスマ飼育員の檄文と共に、干支展イベントの一つ
貴方の愛蛇写真展の開催が宣言されました。

拙メガネ3号はロゴやらポスターやらを作成し、陰ながらサポートしております。

ロゴは、TPOに合わせてカラーバリエーションをご用意。



現在のところ白と黒の2パターンがございます。
ご好評いただければ、更なる展開があるかもしれないしないかもしれない。


狭い隙間でもPRできるよう縦長版も。



盛装の際の、胸元のワンポイントになるような、
蛇の花の一輪差しをイメージしてデザインいたしました。


緊急の事態に備えまして



勿論ゾンビバージョンの作成にも抜かりはありません。
何時如何なる時もゾンビハザード対策を疎かにしては、
現代を生き抜くことはできません。

カジュアルなシチュエーションから冠婚葬祭、世界の終焉に到るまで、
様々なニーズに合わせた「愛蛇写真展」ロゴがございます。
お気に入りの一品で、例のつぶやきやら、噂の顔本を駆使して
皆様の周りの愛蛇家へアピールしていただけたなら、
まこと恐悦至極に存じます。

沢山のご応募、首を長くしてお待ち申し上げます。目標、7万枚!

ここで業務連絡。
募集開始から既に4日を経過しておりますが、未だ1点の応募もない状況です。
拙ブログをご覧の動物園勤務の方がいらっしゃいましたら、
貴園飼育のヘビ写真をお送りいただけたなら幸いにございます。
お送りいただいた暁には、私一生御恩を忘れません。

SAGA15終わりました。

2日間にわたって開催されたSAGA15(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)も
無事終了にございます。





1日目は札幌市立大学が会場でした。

シンポジウムやポスター発表が中心。



ズラリと並んだポスターの前では活発な議論が交わされます。
まさに知識の廊下といった趣。

2日目は円山動物園が会場です。



何といってもジェーン・グドール氏の講演会がメインイベント。
200人近いお客様で、科学館ホールは熱気に満ち満ちています。

動物園のスタッフ、獣医師、類人猿の研究者、
野生動物の研究者、学生、NPO法人などなど、
様々な業種の人間が一堂に会す、貴重な空間にございました。
多分野の専門家が集まることで、
化学変化的なトークが到るところで行われていたように感じます。

この集いが、将来の類人猿研究の大きな実りへと繋がるよう、
願ってやまないメガネです。

何とかかんとか2日間の日程を終えることができました。
ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた方々、どうもありがとうございました。

SAGAやりますよ。



写真はオランウータン弟路郎画伯の最新作にございます。
ちょっとくちゃくちゃですけど、これも弟路郎の作風です。

この最新作、明日明後日と開催される
SAGA15(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)のための
弟路郎の書き下ろしなのです。
円山動物園会場では、類人猿の絵画展でSAGA15を盛り上げる所存です。

明日の札幌市立大学での講演会と、明後日午前中の円山動物園の講演会は
どなたでも参加できますのでご興味のある方は是非ご参加くださいませ。
(明後日の午後の講演会は既に申し込み受付を終了しています。)

類人猿に関わる様々な方々が一堂に会する貴重な機会にございます。
メガネも参加の皆様にご満足いただけるよう、せっせと働いて参ります。

引っ越しとラッキーアイテム

お久しぶりですオメガ4号です。
「一週間以内にブログ書きます」宣言し早6日。しかも3号先輩に先を越されてしまったという事態。
連投の許可を頂きましたのでいってみようと思います。


なんだかボロボロのスタイロフォーム(だっけ…)
今回はこれをやらかした犯人とかの話。

アジアゾーンオープンまで1か月あまりとなりました。
詳細

それに向けて動物たちの移動も進んでいます。
素手で太刀打ちできない動物たちは麻酔をかけて移動させます。


3号先輩から吹き矢の手ほどきを受ける4号。
この前の週にことごとく吹き矢を失敗しているため内心冷や汗かきっぱなし。


幸いこの日は一発で決められました。
新獣舎に移動してから普段できない体側や爪切り、採血などを行います。


マイクロチップの確認作業。


作業はスムーズに行われ、現在みんな元気に新獣舎で暮らしています。


犯人というか犯クマ、破壊神ウメキチ氏。


お隣の部屋、ウッチーとハッピイ。


アクバルさん。


シジムちゃん。

他にもヒマラヤグマのトモとミナミ、ユキヒョウのリーベとリアンが移動済みです。
写真がないのは大人の事情ということにしてください…。屋内展示場に出ている姿はまだ公開しちゃいけない気がしたので……


まだ吹き矢祭りは続く予定。
一年目とはいえ失敗ばかりしていると心だって折れます。いくら1号先輩や3号先輩が優しくても自分のションボリ具合に涙が出ます。
そんな私に救世主。


おおよそ●●歳には似つかわしくない髪留め。
これをつけていた日は吹き矢成功率100%ということに気づきました。
そういうわけでこいつをラッキーアイテムに任命したいと思います。これをつけている日は吹き矢に限らず気合を入れなければいけない日…たぶん。頑張ります。

ものおもいの秋

重ねてご無沙汰しております。メガネ3号にございます。

ブログの更新は絶賛停滞中にございますが、
決して仕事をしていないわけではございません。



先月は↑のため宮崎まで馳せ参じてございます。
去年もご紹介した例のアレです。

ただ行ってきただけではございません。
きちんと研究発表しつつ、座長(!!)の大役を仰せつかったりして参りました。

そんなメガネ、珍しくちょっと真面目に語ってみます。


動物園技術者「研究」会と名前が付いているのですが、
一般の方々はなかなか動物園のイメージと、研究という言葉がつながらないのではないでしょうか。

そもそも近代的な動物園は
「種の保存」、「教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」の
4つの役割を持つと言われています。ここ、テストに出ますよ。

きっと、みなさんが動物園と聞いて始めにイメージするのは
「レクリエーション」、次に「教育」ではないでしょうか。
そのようなイメージ以上に動物園は多彩な機能を持っているのです。

ですので、動物園職員たるもの「研究者」の一面を持っています。
さらに獣医ともなると、研究分野における役割は大きいです。
私も研究者の端くれであらんと、四苦八苦しております。


堅苦しいのでここで1枚



てへぺろ


さてさて、ここからが肝なのですが、
多様な機能を持つ「動物園」です。
ならば色々な評価軸で評価さるべきではないでしょうか。
勿論その一つには「来園者数」や「入園料収入」があるでしょう。

でもでも、「レクリエーション」だけの施設ではない動物園ですから、
例えば研究成果や、自然保護への貢献度、地域教育などなど、
多面的に評価してもらえたら、と思うのです。
それが、日本の動物園の地力を上げることにつながるのではないかなあ、と。

評価してもらうためには、動物園側からの情報発信も大切です。
きちんとみなさんに伝わる方法で、動物園の取り組みをアピールしなければなりません。
効果的な情報発信は動物園側の大事な課題だと思います。

で、円山動物園の「情報発信」と「研究面での評価」に一役買おうと拙メガネ、
来年あたり、さらにきちんとした形で研究発表がしたいなあと考えております。
そんな自分に発破をかける今回の長文にございます。

一月も前の発表会の熱に浮かされ、ひよっこ獣医が語ってしまいました。
お付き合いどうもありがとうございました。


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