札幌100マイル

動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

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子グマと軽トラと北大と

皆様、こんばんは。メガネ3号にございます。

本日のお題は、本園の人気者、ホッキョクグマにございます。



昨年の12/25に生を受け、母ララの絶大なる愛を一身に、
すくすくと成長を続ける子グマ。
すくすくとは申しましても、相手は地上最大級の肉食獣、
柱に傷をつけ、身長を測っていくわけにもいかず、
そっと成長を見守る日々が続いておりました。

しかしながら、去る4月19日、一念発起、母ララからお子を一時預かって、
身体測定その他もろもろに踏み切ったのでございます。



気合が入る、メガネ1号氏。  ブログ登場はまだか。



数少ないホッキョクグマとの接触の機会、
撮影の準備等々整えていたのではございますが、
暗黒なるクマ館寝室での作業、
子を返せとばかりに、寝室の扉をたたき続ける母ララのプレッシャー、
子供とはいえ猛獣、吠え暴れる被写体、
幾多の試練の中では、お見せできるような写真は数少なく…。

それでも幾許かの写真をもとに作業の様子をお伝えしたく存じます。




尾の長さを測っております。
暴れるお子を抑えるは、非獣医メガネ。
大事なメガネもずれていく、緊張感。




マイクロチップの挿入シーン。
1cm程のチップの中には番号が記録されており、
それがこの子の、一生モノのアイデンティティとなるのでございます。





足のサイズも測ります。身長体重の測定も終え、順調な生育が確認でき
関係者一同、安心に胸をなでおろしたのでございます。


そんな中、一向に写真に映らないメガネ2号が何をしていたかと申せば




一心不乱に、お子の毛を抜いておりました。
御守りに入れて肌身離さず持ち歩くためなどではもちろんなく、





愛軽トラとともに




一路、北大獣医学部へ


こちらでDNAを解析して、性別を判定するのでございます。

ホッキョクグマファンの皆々様、
結果が判明いたしますまで、いましばらくお待ちくださいませ。




この一連の状況が、テレビジョンにて放映されることと相成りました。
HBCにて明日4/22、PM6:15ごろからの放送予定ということで、
ご覧いただければ幸いに存じます。

ご覧いただいた後、本園まで本グマに会いに足を運んでいただけたならば、
恐悦至極、感謝感激にございます。

獣医のお仕事

ご無沙汰しております。メガネ3号にございます。



4月の一大事、新は虫類・両生類館のオープンまで1週間を切り、
某カリスマ飼育員も、あの天然パーマネントもアピールに余念がありませんが、
不肖メガネもアピールに一肌脱ぐ所存にございます。


は虫類・両生類館オープンには、微力ながら弊メガネも関わっているのでございます。



先日はカリスマ飼育員とともに豊平峡ダムへ行ってまいりました。
ダム管理事務所の方には感謝感謝にございます。

軽トラを運転して、流木回収へ。



メガネと雖も、獣医に非ず。

園内には少なからずメガネが生息しておりますが、
必ずしも獣医とは限りませぬのでご注意を。



またある時は



大水槽の水質調整。
新しい施設では、水槽の成分が水に溶けだすことがあるため、
水質調整の必要に迫られるのでございます。
大量の水をかき回す重労働。
非力メガネは蚊帳の外、撮影に専念しておりました…。


ご紹介いたしました写真等々では、
メガネが何をしているのか伝わりにくいかとも存じますが、
は虫類・両生類館には、
拙メガネが自らのQOLを削って文章をしたためた看板などもございます。
新しい施設を、隅々までご覧いただければ幸いに存じます。



最後に、新施設への偉大なる最初の一歩を踏んだ動物をご紹介いたします。



この方。

旧施設ではずっとベンチを温めていたこの方ですが、
この日は重要な任務を完遂されました。

ただしこの方、新施設でもベンチを温め続けることになるやもしれませぬ…。

ご紹介

様々なところでほのめかされていた、獣医ブログにございますが
とうとう開設の運びと相成りました。

本ブログでは初お目見えとなります、メガネ3号にございます。

円山動物園で働く、メガネ獣医3人でお送りいたします本ブログでございますが、
第2回ということで、今回は3人のメガネの見分け方をお伝えいたしたく存じます。

そろいもそろって中肉中背、ほぼ30代のメガネ男子3人でございますれば、
鑑別には熟練を要するのでございます。




まず私共のリーダー、メガネ1号氏。



本園一の美白を誇る1号氏。
その透き通るばかりの白さは、われわれの日頃の倦み、疲れ、邪念などなどを
吸い取るかのよう。
最年長・最古参の頼れるリーダーにございます。





続いて、メガネ2号氏。



類稀な行動力は、目を見張るばかりにございます。
家に帰れば一児のパパ。
お子様の話をされる2号氏の御顔は慈愛と幸福に満ち満ちていらっしゃいます。






最後に、拙メガネ3号にございます。



ヨウスコウワニの赤ちゃんに似ていると言われます。
物心ついてからというもの、ホモサピエンスのつもりでおりましたが、
哺乳類ですらなかったのかもしれません。
手先足先が尋常じゃなく冷えるのは、冷え症でなく、変温動物であるが故か。



以上、華のない3人でお送りする本ブログにございますが
皆様、ゆるゆるとお付き合いいただければ、幸いに存じます。

開設のごあいさつ

東日本大地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。


さて、それでは改めましてみなさんこんにちは。
そして初めまして。

メガネ獣医2号と申します。

ついに円山動物園の獣医さんのブログを開設することになりました。
一昨年の夏ぐらいから、獣医たちの中でも開設しようと話し合っていたのですが、なかなか踏ん切りがつかず一年以上・・・(笑)

マンを持しての登場でございます。


円山動物園には3人の獣医がおりますので、その3人でのんびり更新していく予定です。
皆さま末長くお付き合いください。


さて、まずは自己紹介ということで、改めましてメガネ獣医2号と申します。
円山動物園には一昨年の春に配属されましたので、ここで2年弱の間、獣医さんをやっております。

まぁ2年っていうと結構経験を積んでいそうな響きがありますが、動物園獣医としてはまだまだヒヨッコで、日々テンパりながらお仕事をしています。

ただ、2年もいるとさすがに色々動物園のことが分かってくるわけで、私からは個人的に"なるほど!"と思った動物園の裏側をご紹介していきたいと思います。


第1回目はどんな人が働いているの?です。
獣医のことじゃないんかい!というツッコミが聞こえてきそうですが、獣医さん的な医療ネタは他の二人が書くでしょうから、そちらにお任せすることにします。


さて、本題です。
ご存知の方も多いと思いますが、円山動物園は札幌市役所の一組織です。
園長以下、経営管理課と飼育展示課があり、経営管理課には経営係と管理係、飼育展示課には飼育展示一係、飼育展示二係があります。

役所っぽい・・・

経営係は動物園の経営全般(そのまんまですが・・・)に関することをやっています。

具体的には、動物園を広く知ってもらうためのPR活動をしたり、マスコミなどのメディアに売り込んだり、旅行会社とタイアップして色々な企画をしたり・・・と、動物園の入園者増、経営状態の改善のための様々な対外的営業活動を行っています。
また、市役所内部の調整窓口として、市役所の他の部署との連絡調整も行っています。
たまに雑記帳ブログに投稿している『ちゅった』さんも経営係の人です。

管理係は動物園全体の施設・設備の管理を行っています。
動物園は動物舎などたくさんの施設の集合体です。
エゾシカ・オオカミ舎のように新しい施設もあれば、熱帯動物館のように築40年を超えている施設もあり、『床のコンクリが剥がれた』とか、『ボイラーが壊れた』などのトラブルがしばしば起こります。
管理係はそのようなトラブルに迅速に対応し、また計画的に施設の補修・維持を行ってくれる部署です。
金属加工や木工の技術を持っている方もいるので、『こんな道具・設備を作ってほしい』などの要望にも応えてくれます。

飼育展示課は文字通り動物の飼育と展示を行っています。
まぁこれも名前そのまんまなんですが、分かり易いことは良いことです。
こんなのひねった名前付けてもしょうがないですしね。


飼育展示課には我々獣医師や飼育員さんたちが所属しています。
一係と二係はどう違うのかというと、基本的には変わりません。
サル山より下を一係、それより上を二係が担当しているという施設の場所の違いだけです。

ちなみに一昔前までは『飼育課』だったそうです。
要は動物を飼う・維持する・繁殖するということを主な目的として捉えていたんですね。

んで、何年か前に、『飼育だけではなくて、お客さんにどうやって見てもらうか、どうやって動物のことを知ってもらうかを考えなければだめだ』ということで、『飼育展示課』という名前に変わりました。
従来の『飼育をする』という基本に加えて、『動物を見てもらい、さらにそれを通してメッセージを伝える』という要素が加わったわけです。
ちょっと役所っぽい発想ですね(笑)

なので今では、掃除・餌やりなどの動物の世話はもちろん、『動物がより過ごしやすく、本来の行動を発揮できるようにするためにはどうしたらよいか』とか、『お客さんがより動物を身近に感じ、興味を持ってもらうにはどうしたらよいか』、『動物を通して、絶滅危惧動物や動物の生息環境の悪化などの地球環境に関する問題について考えてもらうにはどうしたらよいか』などをみんなで考えるようになりました。
毎日園内の色んな所で行われている『ドキドキ体験』や飼育員さんたちのブログ、動物のところに設置されている様々な看板もその取り組みのひとつです。

とまあこんな感じで、動物園を運営しているのです。
もう少しくらいならウンチクを語るネタもあるのですが、長くなってしまったので、ここら辺で終わりにします。

・・・とまぁ初回からお堅い感じになりましたが、まぁ初回ですから軽いジャブみたいなもんですよ。
そのうち嫌でもユルくなると思うので、初回くらいは・・・ということで、これからもひとつよろしくお願いいたします。

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