札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

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動物園に泊まる!

今年も8月12、13日『円山動物園ナイトキャンプ』が開催され、30名の小学生が動物園に宿泊しました。
このナイトキャンプは平成18年から行っているもので、今回が夏冬あわせて5回目の開催になります。
JTBさん、トライアドさん、札幌市青少年女性活動協会さんと一緒にやっているイベントです。


平成18年、初めてナイトキャンプをやろうぜ!となった時、関係飼育員が集まり話し合いました。「動物園に小学生を泊まらせ何を感じて欲しいか?」「動物園でやるメリットは?」「その中で楽しませるには?」

その中で出てきた意見では、子供達と2回食事を一緒に食べられることは大きなことだろう。飼育員をしながら普段感じている「生きている物と食べている物との繋がり」を子供達にも感じてもらえないだろうか。動物園ではこの繋がりを柔らかな形で伝えられるのではないかという話になりました。

実際には、まず最初に飼育担当者と一緒に行うフィールドワークで、その動物の食べている物とウンチについて知ってもらいます。夜ご飯を食べる時には「いただきます」の意味について話し、次の朝には餌の仕込み。死んではいますが頭のついた丸々1羽の鳥を捌いていつも自分達が食べている「肉」になる過程を見てもらいます。やる前は気持ち悪がって見ない子供が多いのではと思っていましたが、殆どの子達が真剣に見て、聞いてくれます。それに比べ大人たちは「へー それが砂肝なんだ」と変なところで感心してます。

                (オオワシやイヌワシの餌作りです)

もちろんこの間には動物を身近に感じたり、楽しめたりするプログラムがいっぱい入っています。夜の動物園を探検したり、沢へヘビを探しに行ったり、それになんせ泊まる所がサル山の横にある展望レストハウスとエゾシカ・オオカミ舎ですから、起きたら横にはサルが!シカが!

    (沢でのヘビ探し 今回はヘビは見つかりませんでしたが、カナチョロの子供達を発見!)

私が担当する「チーム山猿」もサル山の中に入ってサル達の観察です。まあどっちが見られているのか分かりませんが・・・
    

子供達の笑った顔、難しい顔、感心した顔が一杯の2日間でした。今度は冬開催します。



顔出し看板

顔出し看板、観光地に行くとよくありますよね!
一瞬にして金太郎になれたり、伊達政宗になれたり。
記念写真を後から見て、どこに行ったかすぐ分かる、ちょっと恥ずかしいあれです。


今回、キリンやカバのいる熱帯動物館の周りをその顔出し看板で囲んでみました。
でもそこは円山動物園!ただの顔出し看板とは違います。

動物の生態を説明した看板と、顔出し看板を合体させました。名づけて「生態顔出し看板」(そのまんまか・・)
自分達でやったこと言うのもなんですが、これはいい!他でも見たことないし、方向性もばっちり、
うちの動物園で取り組んでいる、「伝えたいことを、楽しんでもらいながら!」にぴったりです!

実際どんな感じかと言うと
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けっこう面白いでしょ?
この看板は、飼育の職員が描いたのですが、絵ごころってすばらしい!私には絶対出来ないことです。
冬バージョン作成に向け現在話し合っている最中です。
円山のマークを入れたほうが・・・ 写真になった時読める字のほうが・・・

乞うご期待です!

えこらぼカフェで動物園

先日、NPO法人「環境活動コンソーシアム えこらぼ」が主催する、
えこらぼカフェで「日本の動物園は変わろうとしている~動物園見て歩き~」というのをやっていたので見てきました。

       
お話ししてくれたのは北海道大学大学院で
「環境教育の場としての動物園の可能性」について研究されている 菊田 融さんです。
今年の3月末から4月にかけて本州、九州の12の動物園を見てきたそうです。
(細かく言うと、上野、多摩、千葉、ズーラシア、富山、名古屋、京都、天王寺、広島、到津、福岡、海の中道だそうです)


私も機会をつくっては他の動物園を見に行くのですが、担当動物と興味のある動物を見るだけで3~4時間(見たものを理解、分析しようとする悪い癖があります。美術鑑賞には向いてません)、知り合いの飼育係と話すのが2時間ぐらい(夜は飲み会でゆっくり話すのですが、その前に細かい所を動物を見ながら話します)、ですから園全体を見られないことがほとんどです。
菊田さんの行った動物園の中では富山と広島以外は行ったことあるのですが、環境教育という視点では今まで見た事が無かったので興味津々です。

           
環境教育というとなんか小難しく聞こえるのですが、それは開くほうの問題で、やってもらう子供達には楽しく!が基本です。各動物園の取り組み参考になりました。
最後には参加された皆さんから動物園職員ということで質問を受けたりもしましたが、いろんな方が動物園に興味を持っていただけるのが嬉しくその後一人で飲みに行っちゃいました。
日本酒が体にしみる夜でした。

くまの親子

サル山に隣接する展望レストハウス。
その1階、階段下の洞穴にくまの親子が住んでいるのです。

母親は頭からお尻までで1.5m、子供は60cmぐらいでしょうか。
体毛はブラウンの巻き毛 (なにっ 巻き毛?)
体重は母親が約25kg (あれっ) 子供が約2kg (あれれ なんか軽すぎない)
両方の目はまるで黒いボタンのように平らで・・・・  (ボタンだ・・・)

はい、すみません、ぬいぐるみです。
でもただのカワイーだけのぬいぐるみではありません。この展望レストハウスで大事な役割を背負っています。その大事な役割とは「雰囲気」です。

       
この施設、円山動物園で飼育係が設計から本格的に参加した最初の施設なのです。
第1案のテーマ&コンセプトは「グリーンレストハウス」 「くつろぐ 遊ぶ 学ぶ」
詳しいことはまた次の機会にお話しますが、その色々考えて作った施設の大事な雰囲気を背負っているクマちゃんたち、しばらく様子を見に行ってなかったので、ちょっとご挨拶に行ったら

       
入り口近くにいた こぐまチャン 足とおまたがちょっと破けてたので緊急手術、これも飼育係の仕事です。本物ではないので獣医さんは呼びません。
ちょちょいと直しておうちへ返します。

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するとお母さんがお出迎え、お母さん!こぐまチャンの傷は治りましたよー
っと あれ お母さん げげー

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お母さん 頭割れてます、しかも耳が無い。
普段は「触られもせず綺麗なままの展示物は意味が無いぜー」と言ってたのですが、これはちょっと・・・
閉園後、タイマーが切れ電気の消えたレストハウス、餌を探すサルたちに「何やってんだあいつは?」とちら見されながらまたも手術開始です。もちろんこれも獣医さんは呼べません。

40分後、手術終了。


       
お母さん、ごめんなさい、耳は、耳は治せませんでした・・・・・・
獣医さん呼べばよかった・・・・

雨の中の地球の日

朝から雨の日曜日でしたが、Earthday Ezo 2008 in 円山動物園開催され、約1300人が来園し動物園でのアースデイを楽しんでくれました。

昨年の5500人と比べるとちょっと人は少なかったですが、集まった人たちは、人を楽しませながら伝えたいことを伝えるプロの方々! 来園してくれた方は自分達の身近な生活、動物達、そして地球との繋がりをいろんな形で感じてくれたのではないでしょうか?

       
       

でも雨がこんなに降るんだったら、雨の日しか楽しめない遊びをもっと考えておけばよかったです。
来年はそれも頭に入れておきます。

ステージ前芝生で行う予定だった、プレエンディング、エンディングも急遽第1レストハウスへ、どうなることかと思いましたが、かえって一体感がましたような盛り上がり。
ペンギンが並んでこっち見てました。背伸びして。

                
         プレエンディング                         エンディング                   サッポロドラムサークルさんと一緒に             ちょっと未来の自分に今の気持ちを伝える      みんなで太鼓たたき!                      手紙を書きました。「明日への手紙」忘れたころ                                       に届く手紙です。去年の手紙が届いたのは
                                       今年の2月だったかなー


また来年!楽しみです。

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