札幌100マイル

円山飼育員日誌~サルと一緒!

円山動物園のニホンザルを中心とした動物達と、ちょっと変わった飼育係をご紹介!

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サル達の晩夏



暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか
サル達は元気にやっております。

とは言っても朝晩は気温が下がり、秋の気配がサル山にも
上の写真はトンボが先っちょに止まるのを待っている「ゆ絵次くん」
もちろん捕まえて食べるためです、シャクシャクとした食感がたまりません。

サル達にとっては、晩夏から秋にかけてはトンボ捕りのシーズン
そして飼育員にとっては、実は改修工事のシーズンなのです。


サル山もできてから28年、痛みが目立ち始めてます。
どうしてもしなければならない改修・補修工事があるのですが、
いつでもできるわけではありません。
サル達に一番影響が出ない時期、それを選ばなければならないのです。

1年の流れを考えると、春は出産時期、夏は体を作る時期、秋は恋の季節で、冬は雪だらけ。
それぞれが少しづつずれ込む中で、一番安全なのがこの晩夏なのです。


いくつかの工事が予定されていた中、今年の大物はこれ!


給水管の設置工事です

埋設の給水管から水漏れが・・・
埋まっているので補修できず、数年前からお願いしていたのですが、やっとの交換工事です。
工期が長いことが予定され、また、サルがいる状態での工事なので、その間群れを落ち着いた状態に保つのが担当者の役割です。
そのため、皆さんには申し訳なかったのですが、餌を開園前に与え、工事開始前にゆっくりと食べられる時間をつくったり、工事の方の動きをお願いして調整したり、一日の最後にご褒美あげたり、サル達は普段より良いもの食べてました。

見た目が悪いかな?と気にしていたのですが、それほど悪くなく
サル達も違う理由で気に入ってます。


樹上生活って感じ

動きの幅がちょっと広がったようです。

サル達の点検も終わり
            

今日からサル山の一部になりました。

もうすぐ秋、恋の季節が始まります。

サルたちの夏祭り 氷のプレゼント

今年もうちのサルたちに、年に一度のお祭りの日がやってきました。
いつもと違うご馳走が山盛り食べられる日です。


午前中から室内で準備をしていたため、それを覗き見ていたサルたちはすでに臨戦態勢です。


13時半より開始予定でしたが、サルたちのプレッシャーに耐え切れず、3分前にスタート!

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ご馳走を氷の上において、振り返るとすでに黒山のサルだかり、乗せたはずのスイカはもう影も形もありません。



いつもは少し控えめの あや次君 君の口の中には何がどのくらい入っているんだい? 
口を閉じるのがやっとのようで、教えてはくれません


今年は雨で気温も低め
製氷会社のカネキンさんにご協力いただき、氷に果物を詰め込んだのですが、
なかなか融けてくれません。
見えはすれども手は出せず、氷の角を齧っているサルたちを見かねて、ちょっとお手伝い
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穴を開けてみました

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子ザルの手が入るぐらい


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ふふっ 入れてる入れてる
中で握って抜けなくなったらちょっと面白そう、たぶん母ちゃんも一緒に騒ぐんだろうな


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そんな心配(期待?)をよそに、きれいに食べております
ある意味芸術作品のような ほじり跡 
真剣みが違います 
気持ちが入っている仕上がりです。


年に一度のサル達の夏祭り

次の日あや次はちょっとゲリ気味でした。

サル山の春



サル山の守り桜(勝手に名前つけてます)に今年も花が咲きました。
木自体はアカゲラにあけられた穴だらけの痛々しい姿ですが、
毎年しっかりと花を咲かせてくれます。

こことのところの暖かかったですもんね♪
春らしくて、GWらしくてサルたちものんびりしてました。





でも明日からは、この花にも、そしてサルたちにもきつめの寒さが戻りそうです。
週末の暖かさまで耐えていきましょう!
サル団子のようにみんなで固まって

遅ればせながら

遅ればせながら、サル山より あけましておめでとうございます。


サル山代表 ほお袋いっぱい!まる次くん5才  発情真っ盛り ちゃ緒ちゃん6才


今年はサル達にとってどんな年になるでしょう?
サル達は将来のこと考えたりしませんが、担当者としては少しづつでも改善していこうと日々模索中です。
ちなみに今年の冬の餌に関して言えば、1時間後に芋の皮わずかにあり、次の餌の時には小さなキャベツのカスが残っている、余裕がある食事パターンです。
まあ、痩せているおばあちゃんがいたせいでこのパターンということもあるのですが、
ちょっとづつ変えてみて、行動やなんやらの観察中です。
大きく結果が表れるのは春ごろでしょうか。


さて、お正月
サルにはあまり関係ありません、お節もお雑煮もお年玉もなしですから。
じゃあ飼育員は?これまた普通の正月は過ごせなくなります。
生き物相手ですからねー
今でこそ元旦からお仕事の方は多いですが、20年ほど前は空いているお店もほとんど無く、
元旦の通勤中もほとんど車と擦れ違いませんでした。逆にちょっとした優越感を感じたのを憶えています。
「日曜、祝日、盆、暮れ、正月は無いからな!」
バイトで入る時に言われた言葉です。

でもでも、家族もいますからねー
まったく無いというわけにもいきません。
「お父ちゃんはいつも家にいない、他のうちの子供ばかり相手にしている!」
と言われては動物園を子供達の大切な場所にと思っている私の立つ瀬がありません。
ですから
1月6日、7日、うちの正月でした。
冬ですし、正月ですから行き場所はキャンプ場に決定です。
「定山渓自然の村」 リーゼントのフクロウがお出迎えです。



冬に来るのは初めてですが、いいですねー 静かです。
ビールがのどを通る音が聞こえそうです。
それに泊まったのはコテージなので持っていく道具も少なくてすみました。



家族のため、だけどついでに、ついでに仕事の話もしてきました。
実は今年、年に1回全国の飼育係が集まる「飼育の集い」を北海道で受けることになり「定山渓自然の村」がその候補地のひとつです。
(昨年は12月に姫路で開催、あっ その報告してませんでした・・・ 今度します・・・)
せっかく北海道に来てもらうのですし、北海道のフィールド見てもらいたいなー
「いま・ここ」 体験活動の時のキーワードですが、「いまだから・ここだから」そんな内容に出来ればと考えています。

また今年も色々あるでしょう。
忙しくなることもあるでしょう。
でも楽しく、明るく、おいしくお酒が飲める年になりますよーに!

サルが気になるTシャツ!

先日、サル山を洗いに中に入ると、いつもと違う雰囲気・・・

上がってすぐの所にいた、なし子(19才)となし代(12才)という、控えめでおとなしい親子がギャッという声と共に威嚇してきます。


あれー なんでだろう? でも周りを見ると、変な反応はなし子親子だけではありませんでした。




上から、横から、遠くから、みんなこっちを見ています。

ニホンザルを担当して5年、今までこれに似た反応を見たのは、群れのサルの目の前でサルを捕獲した時、
そして獣医さんが麻酔銃で外からサルを撃った後、中に入ってきた時ぐらいです。

ふふっ 面白いじゃないの
私は仮にも動物の専門家、動物の不思議を解くのは大好きです。

こんな時は仮説を立てる必要があります。
思いつくことといえば・・・


こんなところです。

さあ、次は検証&実験です。

検証1  山には倒れているサルはいなかった
検証2  動きはいつもと同じ  ・・・  つもり
検証3  顔も見たけどいつもの僕
検証4  朝7時ごろ、上着を着て中に入った時にはなんともなかった
検証5  サルの目線がTシャツの柄と私の顔を行き来している   おっ!

さあ絞られてきました、どうやら犯人はTシャツか精霊かなんとなくのようです。

容疑者インドネシアTシャツ こんな物です。


うちの園長がインドネシアのタマンサファリに出張した時に頂いたお土産ですが、
普段着として着こなす自信がなかったので仕事用におろしました。
動物は沢山写っていますがサルが驚くような柄ではないと思ったのですが・・・

今まで着ぐるみがサル山の近くに来て大騒ぎになったことはありますが、絵を見て大きく反応した記憶はありません。

(ちなみにこのTシャツには反応なし)

オフィシャルショップお土産 体育座りサルTシャツ

答えにたどり着くため、いよいよ実験に移ります

実験1   上着を着てみる
実験結果 反応元に戻る

どうやら容疑者はTシャツかなんとなくに絞られました。

確証を得るため最後の実験です。
実験2   新人で年下の獣医高江洲くんを呼び出し、説明せずにTシャツを着せサル山に入れる。

実験結果

囲まれる・・・


引きつった苦笑い・・・

どうやら犯人はTシャツのようです。
もしかしたらサルには違う風に見えるのでしょうか?
それとも色が関係するのでしょうか?
基本的に構造は人間と同じはずですが・・・

まあ今度、色の実験やって見ましょう。
どんな茶色に反応するのか。

んっ 待てよ Tシャツに精霊がついているって可能性は・・・

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