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動物病院だより メガネ獣医奮闘記

現場で働くメガネの獣医3名と動物たちとの悲喜こもごもをお送りします。

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講演会のお知らせ

来る3月7日土曜日、

野生傷病鳥獣救護技術講習会公開講演会

「希少海鳥保全のための天売島のネコ対策」が開催されます。

昨年に引き続き、専門家向けの講習会と一般向けの講演会のセットでの開催です。

昨年に引き続き、題目が長くて辟易しますが、お付き合いいただければ幸いです。

詳細はリンク先をご覧くださいませ。

 

3月7日講演会ポスターのコピー

 

私たちにとっては愛らしい動物であるネコですが、優秀なハンターの一面も持っています。

飼い主のいない野外のネコは、

小さな野生動物たちにとって生命を脅かす存在となるのです。

希少動物がネコに捕食されているという実例が、世界中から報告されています。

日本国内の例では、沖縄のヤンバルクイナが挙げられます。

ネコの捕食によるヤンバルクイナの生息数減少が懸念されたことから、

野外のネコ対策が実施され、成果を上げています。

 

北海道でも希少海鳥の聖地とされる天売島で、ネコによる海鳥の被害が確認されています。

希少な海鳥たちの繁殖地を守るため、現地での対策が始まりました。

 

普段の生活の中で、野生動物保全の最前線に触れる機会はなかなかないと思います。

講演会では、実際に天売島での取り組みに携わっている方々がお話します。

この機会に、北海道の動物たちについて一緒に考えてみませんか。

 

今日も動物分少な目でお送りしましたので、ちょい足し。

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思わずもらいあくび。メガネ`3年寝てたい’でした。

NEW!

こんばんは、メガネ3号にございます。

マンネリもベタも嫌いではないのですが、時々無性にチャレンジしてみたくなるのです。

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去る2/7の夜の動物園にあわせまして、新規にメガネの講義を開催。

たくさんのお客様で賑わう脇で、ひっそりと実施してございます。

題して「動物が出ない動物園講座」。

 

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開演直前の雰囲気。会場の暗さも相まって、怪しい雰囲気が漂っています。

 

かなり聞き手を限定したお話でしたのであまり周知していませんでしたら、

想定以上に周知してもらえず、あわや参加者皆無かと戦々恐々しておりました。

最終的には定員に近い人数の方に参加していただけて、ホッといたしましてございます。

 

スライドを使って30分ほどお話をしたのですが、題目に違わぬ動物の出なさぶり。

後半などは写真さえも出てこず、開催した自分自身も不安を覚える講義でしたが、

皆様とても熱心に聞いてくださり、感謝しきりにございます。

 

動物園とは何であるとか、何をするべきであるだとか、

小難しい話を小難しく解説したのですが、

講義後もたくさん質問をいただきまして、

閉園直前まで動物園の片隅でこっそり賑わっておりました。

 

おかげさまで多少の手応えがありましたので、

折を見てまたチャレンジしてみたいと思っていますが、次回開催は全くの未定です。

いつか円山動物園で怪しい講座の気配を察知されましたら、

足を運んでいただければ幸いです。

 

気が付けばブログにまでも動物が出てきていません。

せっかくお付き合いいただけたのですから、

付け合せ的にケモノ分を足しておきます。

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ナンダコノヘンナイキモノ。

 

 

さよなら2014年。

さてさて年の瀬。

 

年末のたった3日間だけの休園日、

お客様が誰一人いない年末は、毎年少し楽しみです。

一年間のほんの少しだけ、職員だけで動物園を独占できる時間です。

 

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人の気配がしないので、オオアカゲラも低いところまで下りてきていました。

開園中には中々お目にかかれません。

 

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エゾシカたちもいつも以上にこちらが気になる様子。視線を独占。

 

とは申しましても、年末に限らず、

動物園職員にしか見られない風景というのは多々ありまして、

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これらの風景も、なかなか皆様ご覧になれないかと思います。

何処からの景色か、お分かりになりますか?

 

来年もまた本ブログでは、

動物園に来るだけでは見られない光景やら、動物たちの情報やら、

どうでもいいメガネ共の近況やらをお伝えしていきたいと存じます。

 

本年も円山動物園を応援していただき、まことにありがとうございました。

明日からの2015年も、変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

 

メガネ‘3×2年連続年またぎ勤務’でした。

冬がはじまるよ

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表題のようにのんびり構えていましたら、

気づけば本格的な冬でした。

こんばんは、メガネ`-3℃’です。

 

さて、時々このブログでご紹介している円山コウモリ事情

今年も時に細々と時に大々的に、円山動物園周辺の野生のコウモリについて

調査を繰り返しておりました。

 

基本的には、バットディテクターという

コウモリの出す超音波を拾うためだけの機械を片手に、

真っ暗な動物園内を孤独に歩き回る作業が主な調査方法になります。

 

夜な夜な一人彷徨っていると、

次第にうすらぼんやりと、園内のコウモリ動向がわかってまいります。

意外に思われるかもしれませんが、動物園周辺でも野生のコウモリが生息しています。

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それを踏まえて次のステップへ。

園内にコウモリが出没するのは分かっているのですが、

どんなコウモリがいるのか、どんな行動をしているのか、ほとんどわかっておりません。

そこで、捕獲して種を識別しようということで、園内に文字通り網を張ります。

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事前の調査で目星をつけた、ここぞという場所へ、カスミ網という特殊な網を張ります。

鳥類やコウモリを捕獲するためのもので、特別な許可を取らないと使用できません。

一人ではなかなかにしんどい作業ですので、この時ばかりは大人数で。

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傍目には、何をやっているのかさっぱりわからないことでしょう。

川面に網をかけていますが、漁ではありません。

動物園では時折このように、いい大人たちがよってたかって、

人目につかない場所で怪しい行動をとっていますが、多めに見ていただければ幸いです。

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秋には獣医の実習生が来ていたのですが、彼らもしっかり巻き込んでしまいました。

獣医の枠からは少し外れたお仕事ですが、円山周辺の環境と動物園の調査事業について

理解を深めてもらうには良い教材なのではないかと自分では思っているのですが、

彼らは果たしてどう感じたのやら。しばらくたって感想を聞いてみたいものです。

 

例年であればこの寒い季節、コウモリたちは冬籠りに入りますゆえ、

我々のコウモリ事業も一時休戦となります。

しかしながら今年は色々と実りの多い年となりまして、

未だ円山コウモリチームは忙しなく活動しております。

 

得られた知見に関しては、何らかの形で皆様に披露できるよう鋭意準備中にございます。

我々の調査事業を通じて、野生のコウモリの魅力をお伝えできるよう尽力しますゆえ、

ほどほどの期待感と共にお待ちいただければ幸いに存じます。

こんなこといいな、できたらいいな

こんばんは。

夏は動物園の繁忙期ですが、秋が暇かというとそうでもなく、

日々忙しくしておりますと、月日が経つのは早いもので、

ご無沙汰してしまいましたが、メガネ3号にございます。

 

休筆しておりました間にもさまざまな出来事がありました。

毎年の行事ですが、今年は9月25日に動物慰霊祭が行われました。

ご参列いただいた方々、誠にありがとうございました。

 

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慰霊祭の日にはこの1年間の動物たちとの別れについて思い返すこととなります。

動物たちの死の場面には必ず獣医が関わるため、様々な想いが去来いたします。

個人的には、動物園に貢献してくれた動物たちに感謝の念を再確認するとともに

死亡した動物たちに対して、他に良い対応ができたのではないかと、

反省と惜念の思いとともに思索にふける機会となります。

 

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次の1年間はもっともっと

動物たちの健康と生活の質の向上のために尽力しなければならないと、

思いを新たにいたします。

 

動物たちの治療には様々な苦労があるのですが、

動物園の動物たちの治療が困難であることの一因として、

愛玩動物や家畜動物であれば容易である、

日々の健康チェックが実施しづらいことが挙げられます。

 

家庭犬であれば、ヒョイと抱きかかえれば体重を測ることができます。

しかし動物園動物の多くは、人に触れられることを良しとしません。

やり方によっては捕まえるだけでも、

そのストレスが原因で死亡してしまうこともあり得ます。

また、体重を測るだけでも麻酔が必要となる動物も多々います。

 

日常の健康管理を充実させるべく、

昨今、全国の動物園で同時多発的にトレーニングによる健康管理が取り入れられています。

以前もキリンの削蹄について少しご紹介したことがありますが、

日本全国津々浦々多種多様な動物がトレーニングの日々を送っています。

 

通常であれば動物が拒否反応を示すはずの、

触る、捕まえる、蹄を削る、注射を刺す、検査道具を当てるなどの刺激を、

トレーニングによって受け入れてもらえるようにします。

手法は家庭犬のトレーニングや水族館の海獣類のトレーニングとほとんど同じです。

ターゲット棒と呼ばれる道具を使うのでターゲットトレーニングと呼ぶこともあります。

ターゲット棒とご褒美を通して、動物たちの行動を引きだし、人間側の意図を伝えます。

 

円山動物園ではキリンの他にも、ホッキョクグマやアザラシで試行しています。

 

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こちらはホッキョクグマの採血トレーニングの様子。

すでに成功していた八景島の方から手法を教わりました。

 

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写真の塩ビパイプがターゲットとなります。

パイプを掴んでじっとしているという行動をホッキョクグマに学習してもらいます。

そして、じっとしている間は、刺激を受けても動かない、

最終的には注射針を刺しても動かないということを学習させることができると、

血液採取が可能になります。

トレーニングの成果により、キャンディは採血ができるようになりました。

ララやデナリではできておらず、今後の課題です。

 

ホッキョクグマではどうしても檻越しになりますが、アザラシであれば

同じ空間でトレーニングができるため、できることの幅も広がります。

採血の他、お腹にエコーを当てることも可能になります。

今のところはまだどちらも達成できていませんが、

近い将来皆様のお目にかけられるよう、鋭意努力している最中です。

 

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採血やエコー検査が日常的にできるようになれば、

動物たちの体調変化についてこれまでよりも詳しく把握でき、

検査結果を受けた細やかな対応が可能になります。

病気や怪我の早期発見・早期予防にもつながります。

 

しかしながら、トレーニングは獣医よりも飼育員の努力が必要不可欠。

獣医はオマケみたいなものです。

トレーニングによって動物たちが得られる利益について、獣医と飼育員とが一緒に考えながら、

二人三脚で動物たちの健康と快適な生活のために切磋琢磨して参る所存です。

 

ひと月以上遅くはなってしまいましたが、

今年の慰霊祭を受けての所信表明にございます。

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